贅沢すぎるご馳走? ツミ

野鳥の世界 ツミ

日本のタカの中では、最も小さいツミという鳥さんがいます。夏季は北海道~九州、冬季は少数を本州中部以南で観察することができるようです。

今回は、このツミのお話です。

食物連鎖の頂点に位置する猛禽類は、生息数が激減している野鳥が多いのですが、ツミは都市化に適応し、逞しく生息数を増やしていると言われています。

冬季、ふっと上空を見上げると飛翔していたり、土手で昆虫をハンティングしたりと、ツミを見かける機会は、以前よりは増えました。けれども、飛翔スピードがとても速いので、見つけた時にはすでに遅し!です。あれよあれよという間に、すぐに豆粒になっていて、なかなか写真を撮らせてもらうことができません。

そして、ツミの止まっている姿を無事撮影させてもらったのは、何故か遠く離れた南の島でした。見晴らしのよい枯れ木にポツンと止まっている野鳥を発見。「ヒヨドリかな?」と思い、よ~く観たらツミでした。そうです、ツミはヒヨドリぐらいの大きさしかないため、ぱっと見は間違えそうになります。

ツミ1
2011年5月 沖縄県宮古島 大野山林 ツミ

ツミの大きさはメスが約30cm、オスが約27cmで、虹彩が暗紅色だとオス、黄色だとメスです。この時出会ったツミは、薄暗く分かりづらいのですが、オスのようでした。

ツミ4
ツミ(多分オス)

こちらをちょっとだけ警戒しつつも、少し距離があったせいか、逃げようとはしませんでした。

ツミ3
「このくらい離れていると、まぁ問題なし」

小さいとはいえども、ツミは非常に優秀なハンターです。通常は、スズメやシジュウカラなどの小鳥を捕食します。しかし、この山林でスズメやシジュウカラを見かけませんでした。彼らに代わる小鳥といえば・・・誰でしょう?

この山林には、営巣を目的に、たくさんのサンコウチョウが飛来しており、「うそっ!」と思ったのですが、ツミの狙いはサンコウチョウのようでした。

長~い尾をヒラヒラさせ、「ビィービィーホイホイホイ!」と鳴きながら飛翔しまくるオスのサンコウチョウは、かなり目立ちます。しかも、縄張り争いやメスに気を取られ過ぎ、隙だらけに見えるので、ツミにとっては、かなり魅力的なご馳走に映るのでしょう。実際、サンコウチョウのすぐ近くで数回、ツミの姿を目撃しました。

ツミ2
「この森には、ご馳走がたくさん!」

「サンコウチョウが餌とは、何て贅沢なんだ!」と、これまた人間の都合なのですが、そう思わざるをえませんでした。

ツミ5
「何を食べようが、こっちの勝手!」 おっしゃる通りですが・・・。

宮古諸島では、ツミは旅鳥か冬鳥だそうなので、この時出会ったツミも、やがて繁殖地に向けて旅立ったことでしょう。サンコウチョウはツミがいなくなってから子育て、となっているはずなので、微妙なバランスで成り立っているようでした。(夏季もツミが居続けると、サンコウチョウやヒナが食べられてしまい、激減してしまうので)

今回は、野鳥の世界の衝撃の事実?を教えてくれて、大変勉強になりました。一極集中のサンコウチョウ狙いではなく、たまにはバランスよく他の食事も召し上がってくださいね、ツミさん。お元気で!チュ!

<余談>
以前、沖縄本島北部で、天然記念物の野鳥(ノグチゲラ)が天然記念物の昆虫(ヤンバルテナガコガネ)を捕食すると、ガイドさんからお聞きしたことがあり、「何でもっと他の昆虫を食べないの?」と強く感じたことを思い出しました。

今回も「他の野鳥じゃ、ダメ?」とツミに言いたくなったのですが、自然界では喰うものと喰われるものという単純なルールで成り立っているので、「あれは食べちゃーだめ!」とは言えないのですね。
「人間の都合を押しつけちゃーいけない」と分かってはいるものの・・・一言いいたくなりました。

<ツミを脅かすもの>
森林の減少:生息場所がなくなります。
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コメント

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No title

こんにちわ!
衝撃的な記事でした・・・
自然なことなのでしょうけど、「えーーなんでぇ!?」と思わず口にしました;;;
でも、ツミも生きるためですもんね^^;

ビクターさんへ

こんばんは。
コメント、ありがとうございます。
ツミは小さなハンターですが、森の中では体が小さいととっても有利なようで、スイスイ木々の間を通り抜け、猛スピードで小鳥の群れを襲っている光景を目撃したことがあります。
ツミも生きるためには食べないといけませんから、「その鳥はやめておこう」なんて、絶対に思わないですよね。相手がサンコウチョウであれ、獲物を選ぶ余裕なんてないはずですから。

結局、贅沢な餌、サンコウチョウなんて登場しないのか? 詐欺と言われてもしょうがないな。ツミ深いぞ。

さぎさんへ

あっはっは!ツミ深いとはうまい!ですねぇ。
サンコウチョウの記事は、「2011/05/20 イケてる庶民派 サンコウチョウ」へ載せてあるので、ツミ滅ぼしにこちらも読んでいただけたら、と思います。
プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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