ジグザグ戦法 アカエリヒレアシシギ

野鳥の世界 アカエリヒレアシシギ

首まわりの赤い羽毛(夏羽)とヒレ(膜)付の足指に特徴のある、アカエリヒレアシシギという鳥さんがいます。シギ(ヒレアシシギ)の仲間の野鳥で、日本では、主に春と秋の渡りの時期に観察することができるようです。

今回は、このアカエリヒレアシシギのお話です。

アカエリヒレアシシギの繁殖地は北アメリカ大陸北部・ユーラシア大陸北部で、越冬地は、アフリカ大陸・南アメリカ大陸・パプアニューギニア・フィリピンなどです。日本では、春・秋にアカエリヒレアシシギの大群が、海上で観察されることもあるそうです。

とある日の午前中、休耕田でアカエリヒレアシシギを見かけました。このアカエリヒレアシシギは、1羽で採餌中でした。

アカエリヒレアシシギ1
2015年9月 埼玉県 とある休耕田 アカエリヒレアシシギ

アカエリヒレアシシギとは、何とも覚えにくい名前です。たーさんは、何度も「ヒレエリアカアシシギ」と、言っていました・・・。そこで、名前の由来を調べてみると・・・夏羽のメスはオスより色味が鮮やかで、首まわりに赤い襟のような羽毛があるため、そこから「アカエリ」、3本の足指の間に膜があるので、そこから「ヒレアシ」、それに「シギ」をくっつけて、「アカエリヒレアシシギ」となったようです。

アカエリヒレアシシギの子育ては、ちょっと変わっていて、メスは産卵すると、すぐに南の越冬地へ向けて旅立ってしまい、抱卵と子育てはオスが1羽で頑張ります。アカエリヒレアシシギの体長は約19cmですが、メスの方がオスより大きいです。

今回出会ったアカエリヒレアシシギは、赤褐色の夏羽の名残が全くないため、幼鳥のようで、モノトーンの羽色でした。

アカエリヒレアシシギ2
アカエリヒレアシシギ(幼鳥)

落ち着いた羽色に似合わず、このアカエリヒレアシシギの動きは、凄まじいせわしさでした。ちっとも、じっとしていません。

アカエリヒレアシシギ3
落ち着きのない動き

これは、アカエリヒレアシシギが食べ物を探す際の特徴で、猛スピードで左右に動きながら進みます。

アカエリヒレアシシギ4
向かって右に進むと思ったら、

アカエリヒレアシシギ5
すぐさま左に向きを変えます

忙しく動くことによって水流を起こし、浮き上がってくる水生昆虫などを捕らえるためだそうです。アカエリヒレアシシギの動きが激しすぎて、カメラのフレームから、すぐに姿が消えてしまいます。この採餌方法を、「ジグザグ戦法!」と、勝手に命名。

このアカエリヒレアシシギは、食べ物を探しながら、近くに寄ってきては、一番奥まで行く、という動作を何度か繰り返していました。
近くで一瞬だけ、停止してくれました。

アカエリヒレアシシギ6
得意技は、ジグザグ戦法

首を伸ばし、停止ポーズ終了。その後は、再び、せわしく動きながら、奥の方へと行ってしまいました。

アカエリヒレアシシギ7
停止ポーズは、これで終了

この休耕田には、ほんのいっとき立ち寄っただけなので、このアカエリヒレアシシギは、さらに南下を続けることでしょう。
出会う機会は、なかなかありませんが、姿を見せてくれてありがとう。無事、越冬地までたどり着いてくださいね、アカエリヒレアシシギさん!チュ!

<余談>
内陸の埼玉で、シギなどの渡り鳥たちを見かける場所は、無農薬、もしくは農薬をあまり使っていない水田や、水質のよい池や沼など、限られた場所のようです。アカエリヒレアシシギを見かけた休耕田付近には、ザリガニがたくさん生息していたし、チュウサギ(準絶滅危惧種)も数多く見かけたので、おそらく、このエリアは無農薬(低農薬)で、食べ物が豊富にあると思われます。
自宅周辺には、このような場所がないため、少し遠出してでも、多くの野鳥が集う場所を見かけると、「ここは、いい環境なんだな~」と、とても嬉しく思います。

<アカエリヒレアシシギを脅かすもの>
内湾・港・水田の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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草陰でかくれんぼ? クサシギ

野鳥の世界 クサシギ

色味も動作も、控えめな感じのクサシギという鳥さんがいます。シギの仲間の野鳥で、日本では春と秋の渡りの時期に観察することができるようで、関東地方以南では少数が越冬するそうです。

今回は、このクサシギのお話です。

クサシギの繁殖地はユーラシア大陸、越冬地はアフリカや東南アジアなどで、日本に渡来するクサシギは、あまり数が多くないようです。

渡り途中や越冬中のクサシギは、通常1羽でいることが多いそうですが、今回、観察した場所には、5羽のクサシギがいました。このクサシギたちは、人目につかない休耕田で採餌中だったのですが、こちらの姿を見つけると、かなり距離が離れているにもかかわらず、一番奥の畦へと、みんなで移動してしまいました・・・。非常に警戒心が強いです。

クサシギ2
2015年8月 埼玉県 とある休耕田 このエリアには3羽のクサシギ

上の写真と合わせて5羽のクサシギが。

クサシギ3
このエリアには2羽のクサシギ

非常に遠いのですが、少しの間、クサシギたちを観察させてもらいました。クサシギたちは、ほとんど動かず、こちらの様子をうかがっているように見えました。そんなに警戒しなくても・・・。

クサシギ4
警戒モードのクサシギ

クサシギの体長は約23cmで、昆虫類や甲殻類などを捕食します。この時、見かけたクサシギたちは、夏羽から冬羽へ換羽中でした。

クサシギ5
冬羽へ換羽中のクサシギ

クサシギとタカブシギ(絶滅危惧種)は、よく似ているのですが、タカブシギの方が上面の白色が目立ちます。

クサシギ6
タカブシギ(左:冬羽)、クサシギ(右:冬羽へ換羽中)

クサシギは、海岸よりも、湖沼・水田・湿地など、草の生えている場所を好むようで、それが名前の由来になっているそうです。確かに、草の陰に隠れて、ひっそりと佇んでいるクサシギもいました。このポーズのまま、しばらく動かず。

クサシギ7
草陰でかくれんぼ中?のクサシギ

クサシギたちは、置物のように動かないので、長居をしては申し訳ないため、とっとと帰ることにしました。

帰り道、非常に遠く離れた場所から、クサシギたちのいる畦が、田と田の隙間からチラッと見えたのですが、なんと、それだけで、クサシギたちは、みんな飛び去ってしまいました・・・。驚くべき警戒心です。海外(繁殖地や越冬地)で、「仲間が人間に捕らえられてしまったとか、よほど嫌な目にあったことがある?」と、思わずにはいられませんでした。

冬季、この周辺で、クサシギを見かけることはないので、おそらく、このクサシギたちは、まだ南下を続けることと思われます。
草陰にひっそりと隠れながら、無事、越冬地までたどり着いてくださいね、クサシギさんたち!チュ!

<余談>
渡りをする野鳥たちは、様々な国を経由するため、海外では、どのような生息環境にいるのかは、分かりません。けれども、このクサシギたちのように、人間に対して、異常な警戒心を見せつけられると、「ん?何かあった?」と、考えさせられます。物言わぬ野鳥たちは、態度で示すしかないのかも。「あんたたちは信用できない!」と言われたみたいで、ちょっとショックでした。そんな事、言わないでー!

<クサシギを脅かすもの>
湖沼・水田・湿地の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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