パーフェクトな響き カッコウ

野鳥の世界 カッコウ

「カッコウ」というオスの鳴き声がそのまま名前となった、カッコウという鳥さんがいます。夏季に北海道~九州の草原や山地の林などで観察することができるようです。

今回は、このカッコウのお話です。

カッコウは体長が約35cmとカッコウ類(ホトトギス、ジュウイチ、ツツドリ)の中で最も体が大きいです。昆虫類を主食とし、大型の毛虫なども食べます。カッコウは開けた場所を好み、電線などに止まってよく通る大きな声で鳴くので、存在感は抜群です。

とある住宅のアンテナに止まり、「カッコウ、カッコウ」と鳴いているカッコウを発見。

カッコウ2
2014年6月 埼玉県 カッコウ(オス)

カッコウの仲間は托卵といって、他の鳥の巣に卵を産み、その巣の親(仮親)に子育てをしてもらいます。カッコウには約30種もの托卵相手となる鳥さんがいて、これはカッコウ類の中では最も数が多いそうです。カッコウに托卵される主な鳥さんは・・・モズホオジロオオヨシキリノビタキオナガなど。

カッコウの托卵相手に選ばれると、自分の子供は殺され、大食漢への餌運びが待っているという、過酷な運命が待ち構えています。
カッコウのヒナは、仮親の卵やヒナを巣の外に落としてしまい、餌を独占できる状態にします。仮親は、我が子と信じて、自分の何倍もの姿に成長するカッコウのヒナに、せっせと餌を与え続けます・・・。

この時見かけたカッコウの近くには、オナガがいたので、托卵相手としてはオナガが狙われている?

カッコウ3
「奥さんには、オナガの巣に卵を産んでもらおうかな?」

このカッコウのオスは、今度は電線に止まり、「カッコウ、カッコウ」と鳴いていました。尾羽を上下させて、一生懸命鳴くカッコウの姿は、なかなか愛嬌があります。鳴く前には胸部が膨らんでいます。

カッコウ4
鳴く前には胸部を膨らませ、

カッコウ5
「カッコウ、カッコウ」 と鳴くと胸部はスッキリ

カッコウ6
すぐさま胸部を膨らませ、鳴く準備をします

カッコウの鳴き声は、欧米人にも「カッコウ」と聞こえるそうで、日本と同じくカッコウという名前が付けられています。国や人種が違えば、犬や鶏の鳴き声の聞こえ方にも違いがあることを考えると、「カッコウ」だけは共通!というのは、とても珍しいことだと思います。

カッコウ7
欧米人にも同じく「カッコウ」 と聞こえるそう

国は違えど、多くの人の耳に共通のパーフェクトな響きを放つカッコウ。今後も、「カッコウ、カッコウ」と鳴いて、初夏の訪れを知らせてくださいね、チュ!

<余談>
ツツドリと同じくカッコウも、卵を産む際、かなりの努力?をしているようです。

托卵相手の中にはカッコウの卵と見破る鳥さんもいるようで、その場合は、カッコウの卵は排除されてしまいます。そのため、カッコウは托卵相手の卵の模様に似せた卵を産み落とすという、新たな技を繰り出したりしているそうです。どうして、そんな器用な事ができるのか?・・・野鳥の世界は本当に奥が深いです。

<カッコウを脅かすもの>
山地の林・草原・アシ原の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
托卵相手の野鳥の減少:繁殖ができなくなります。
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5年目の神社の番人 アオバズク

野鳥の世界 アオバズク

青葉の茂る頃、日本に渡って来て、営巣をするアオバズク。毎年、同じ場所で子育てを続けているアオバズクですが、さて、今年も無事、飛来しているでしょうか?今回は、恒例のアオバズク観察の紹介です。

6月になると、毎年様子をチェックしているアオバズクのことが気になって、ソワソワとし始めるのですが、今年は大雨の影響でなかなか外へ行けず。
ようやく天候が回復したある日の午後、いざ、行ってみることに。さて、アオバズクはいるかな~?

現地の神社に到着してみると、すでにカメラマンが数名いたので、「あっ、いるんだ!」とすぐに分かりました。今回、アオバズクがいたのは、いつもの木ではなく、その隣の大木でした。

アオバズク32
2014年6月 埼玉県とある神社 アオバズク(オス)

過去の写真と比較すると、年々、腹部の茶色模様が少しずつ増えているようですが、今年、観察したのも同じオスのようです。メスの姿は見当たらなかったため、いつもの洞で抱卵中と思われます。

この日は風が強く、枝や葉がザワザワと揺れていて、アオバズクのオスはおちおちと眠っていられないようでした。

アオバズク33
葉の揺れが気になるアオバズク

アオバズク34
「葉が邪魔・・・」

毎年、眠っている姿を観察することが多いこのアオバズクですが、今回はよく動いていました。

アオバズク35
羽を伸ばしたり

アオバズク36
枝の上に登ったり、

アオバズク37
枝の下に移動したり、と。

風のいたずらで、こんなショットも。

アオバズク38
超ぜっぺき!

アオバズクの頭は大きく見えるのですが、羽毛がふっくらしているだけで、中身は小さいのですね。風に翻弄されるアオバズクのオスですが、きっと、こう言いたかったに違いありません。

アオバズク39
「風よ、静まれ」

5年目の今年も元気な姿を見せてくれてありがとう。風が強い日の見張り役はなかなか大変ですが、頑張ってくださいね、アオバズクさん!チュ!

<余談>
さすがに、5年目となると、「もう、世代交代しているのでは?」と思ったのですが、過去の写真と数時間、睨めっこした挙句、やはり同じ個体だと判断しました。

越冬地の東南アジアと繁殖地の日本を行き来し、同じ場所で毎年営巣するアオバズクの姿を観ると、いつも彼らの生命力に驚かされます。

人というのは、自らの意思で命を絶つ場合もあるという不思議な生き物ですが、本来は「生きていること自体がすごい」ことなので、もっと自然界から学ぶことは多いはず。

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<アオバズクを脅かすもの>
森林破壊・大木の伐採:樹洞のある大木がないと営巣できないようです。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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まだ本気出してないだけ? オオルリ

野鳥の世界 オオルリ

山林の渓流沿いに営巣するオオルリですが、人気エリアでライバルを出し抜き、メスにアピールするには、本気で臨まないと難しいはず。今回は、ちょっとあれれ?なオスのオオルリの紹介です。

毎年、初夏になると、オオルリのオスたちの美声が響き渡るエリアがあります。なかなかの人気スポットのようで、数十分歩くだけで、少なくとも3~4羽のオオルリのオスの存在を確認することができます。

少し遠いのですが、3羽目に出会ったオオルリのオスも、きれいな声でさえずっていました。

オオルリ9
2014年5月 奥多摩 とある山林

このオス、さえずりの声自体は素晴らしいのですが・・・ちょっと問題が。さえずりながら、羽づくろいばかりしているのです・・・。

オオルリ10
少しさえずって

オオルリ11
羽づくろい

オオルリ12
少しさえずって

オオルリ13
羽づくろい

オオルリ14
少しさえずって

オオルリ15
羽づくろい

・・・と、一向にさえずりに身が入っておらず、どう見ても、いい加減です。こんな中途半端なさえずりだと、きっとメスに見向きもされないはず。羽づくろいをするなら羽づくろいだけ、さえずるならさえずりに集中!してほしいのですが・・・まだ本気出してないだけ?

その後も、オオルリのオスは、せわしなく、少しさえずっては羽づくろい、を続けていました。

オオルリ16
「俺はまだ本気出してないだけ!」

このオオルリのオスは、何度か場所を移動した後、再び、さえずり始めました。今度はどうでしょう?

オオルリ17
「よし!やるぞ!」

ようやく、心機一転?

オオルリ18
「女性のみなさ~ん!」

オオルリ19
「俺は本気だよ~!」

と言わんばかりに、今度は羽づくろいなしで、さえずりに集中していました。

ちょっと時間がかかりましたが、ようやく本気モードになってくれて、よかった、よかった。ライバルの多いエリアで、いい加減なさえずりだと、蹴落とされてしまいますからね。これで、きっと、素敵な女性(メス)が現れることでしょう。

今後も、さえずる時は本気モード!でお願いしますね、オオルリのオスさん!チュ!

<余談>
美しい容姿と美声であるがゆえに、密猟が絶えないオオルリ。自然の中で生きるオオルリのさえずりに耳を傾けたり、姿を垣間見たりする瞬間にこそ、人は生来の感動を覚えるはず。
美しいものは、そっとそのままに。密猟も飼育も絶対にやめましょう。

オオルリの関連記事:
「大声にタジタジ オオルリ」はこちら
「まだ鳴かないぞ! オオルリ」はこちら

<オオルリを脅かすもの>
森林の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
人による捕獲:密猟がおこなわれ、問題となっているようです。

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特設ステージ ミソサザイ

野鳥の世界 ミソサザイ

とっても小さな体に大きな声の持ち主ミソサザイ。今回は、お気に入りのステージで、意気揚々とさえずるミソサザイのお話です。

初夏になると、渓流沿いの山道では、あちらこちらでミソサザイのさえずりが聴こえてきます。ミソサザイは日本最少サイズの一種である上、とっても地味な色合いなので、姿を見つけるにはオスの鳴き声だけが頼りです。

ミソサザイのメスにアピールすべく、オスたちは、ありったけの大声でさえずりますが、運よく姿を見せてくれるのは、ごくわずかです。

1羽目はすぐどこかへ飛んで行き、2羽目は声はすれども姿は見えず、3羽目はようやく見える位置にいました。

ミソサザイ10
2014年5月 奥多摩 とある山林 3羽目のミソサザイ

ズームしてみると・・・大口を開けています!

ミソサザイ11
大きな声でさえずるミソサザイ(オス)

ミソサザイの体長は約11cmしかないため、目をそらすと、すぐに見失ってしまいそうです。

ミソサザイ12
とっても小さなミソサザイ

このオスのミソサザイがさえずっている場所をよ~く見てみると、ちょうど木がアーチ型になっています。ミソサザイがいない間に撮影してみると・・・まるで、特設ステージみたいで、かなり目立っています。

ミソサザイ13
ミソサザイのお気に入りの場所は・・・自然の特設ステージ!

ミソサザイ14
「このステージは、おいらのもの!」

4羽目に見かけたミソサザイは、ただの細い木にしがみついて、さえずっているだけで、ちっとも目立っていませんでした。

ミソサザイ15
4羽目のミソサザイ これじゃーちょっと・・・

やはり、特設ステージを手に入れたミソサザイの方が、メスへのアピール度でいえば、断然上でしょう。

ミソサザイ16
君に一票!

ライバルの多いエリアですが、頑張って子育てをしてくださいね、ミソサザイさん!チュ!

<余談>
約2年ぶりに訪れた場所で、再びたくさんのミソサザイの存在を確認できて、とても嬉しく思いました。
登山ブームの影響で、駐車場が満車で入れないほど混んでいたため、ちょっと心配だったのですが、ミソサザイの営巣場所に人はほとんどおらず、ほっと一安心。今後も、この環境が保持されることを願うのみです。

ミソサザイの関連記事:
「冬のダンス? ミソサザイ」はこちら
「優良物件はどっち? ミソサザイ 第1話」はこちら

<ミソサザイを脅かすもの>
山林・渓流の減少:生息場所がなくなります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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