赤の王様 ヒレンジャク

野鳥の世界 ヒレンジャク

立派な冠羽と赤い尾がゴージャスなヒレンジャクという鳥さんがいます。レンジャクの仲間の野鳥で、日本では冬季に観察することができるようです。

今回は、このヒレンジャクのお話です。

ヒレンジャクは東アジアの限られたエリアにのみ生息しており、繁殖地はシベリア東部・中国北東部、越冬地は日本・朝鮮半島・中国南部等となっています。環境悪化が原因で絶滅が危惧されている上、ヒレンジャクの渡来数は不規則で、観察されない年もあるようです。そんなヒレンジャクを観察するには、どうしたらよいでしょうか?

通常、ヒレンジャクは群れで行動します。
数年前、ウォーキング途中にムクドリによく似た群れが飛翔しているのを見かけました。あっちの木、こっちの木と飛翔を繰り返しており、よ~く観ると、尾が赤いのです。これはヒレンジャク!と思ったのですが、カメラも双眼鏡も持っていません・・・。急いで家にカメラを取りに帰り、ヒレンジャクの群れがいた場所に戻ってみたのですが、すでに夕方で薄暗く、木の枝に止まったヒレンジャクが強風で揺れに揺れ、ちゃんと観察することができませんでした。

それ以降、毎年、同じ時期にヒレンジャクを見かけた場所を何度かチェックするものの、ヒレンジャクの姿を見つけることはできませんでした。それもそのはず、そこにはヒレンジャクの食べ物となる植物がなかったので、ヒレンジャクの群れに遭遇できたのは、たまたまだった、と判明。やはり、食べ物が豊富にある場所でないと、ヒレンジャクの群れに遭うのは難しい・・・という結論に至りました。

ということで、以前、群馬県でヤドリギを大量に見かけたことがあったので、ヤドリギの実を食べにヒレンジャクの群れが来ているかも、と行ってみることに。

現地に到着すると、見事なヤドリギが目に入りました。葉を落とした状態の1本の木に何十本ものヤドリギが生えています。

ヤドリギ1
大量に生えたヤドリギ

これなら、ヒレンジャクがいるかも!と探してみると、いました!数十羽の群れのようです。

ヒレンジャク1
2014年3月 群馬県前橋市 ヒレンジャクの群れ

ヒレンジャクたちは小さなかわいい声で「チリリリ」とよく鳴いていました。ヒレンジャクはキリリとした面構えと立派な冠羽、赤い尾に特徴があります。

ヒレンジャク2
ツンとした冠羽と赤い尾がチャームポイントのヒレンジャク

ヒレンジャクの体長は約18cm、オス・メスほぼ同色で下尾筒の色味は個体により濃淡があります。

ヒレンジャク3
下尾筒が赤色のヒレンジャク

ヒレンジャク4
下尾筒がオレンジ色のヒレンジャク

ヒレンジャクの背面はこんな感じです。部分的に彩色したような黒と赤のコントラストがきれいです。

ヒレンジャク5
ヒレンジャクの背面

ヒレンジャクたちの動きはあまり素早くなく、それぞれお気に入りの場所に止まっているようでした。

ヒレンジャク6
たくさんのヤドリギの実に囲まれて

ヒレンジャク7
木の幹にしがみついて?

ヒレンジャクたちは、ヤドリギの実をお腹いっぱい食べることができたせいか、胸が張りだしてふっくらして見えます。

ヒレンジャク8
ちょっとふっくら気味のヒレンジャク

羽毛を膨らませるとさらに太って見え、貫禄満点の王様みたいです。「赤の王様」と命名!

ヒレンジャク9
ちょっとお太り気味?の赤の王様

ヒレンジャクは、昆虫類やいろいろな種類の木の実を採食しますが、今回、ヤドリギの実を食べるヒレンジャクの姿を観察したため、次にヒレンジャクとヤドリギとの関係について紹介します。

「強力な助っ人! ヒレンジャク」へ続く

<余談>
ヒレンジャクの目は少し奥まっている位置にあるせいか、冠羽のせいなのか定かではありませんが、撮影したほとんどの写真は目の部分が真っ暗でした。ヒレンジャクに出会う機会はなかなかないので、眼光を捉えるのが難しい鳥さん!というところまで観察できたのは、とても貴重な体験でした。

レンジャクの関連記事「黄の王様 キレンジャク」はこちら
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地味なアイドル ウタツグミ

野鳥の世界 ウタツグミ

普段よく見かけるツグミより、格段に地味な色合いのウタツグミという鳥さんがいます。ツグミの仲間の野鳥で、日本で観察できる機会はほとんどありません。

今回は、このウタツグミのお話です。

ウタツグミの繁殖地はヨーロッパからロシア東部、越冬地は地中海沿岸・北アフリカ・西南アジアとなっています。そこから遠く離れた日本にやって来るには、散々迷った挙句に辿り着いた!となるのでしょうが、そんな悪運?の強いウタツグミが今年の2月に神奈川県相模原市の小さな公園で発見されました。

珍鳥として一躍脚光を浴びることになったウタツグミ。おそらく、連日多くの人が観察に訪れているだろうから、ちょっと躊躇気味だったのですが、「どうしても観たい!」とたーさんが言うので、行ってみることに。

お昼頃、現地に到着。予想通り多くの人が集まっており、アイドルの撮影会みたいになっていました。さて、そのアイドルの姿・形は・・・華やか!には程遠く、えっ?というぐらい地味でした。

ウタツグミ1
2014年3月 神奈川県相模原市 ウタツグミ

ウタツグミの体長は約23cmで、胸から腹部にかけて黒斑があります。

ウタツグミ2
黒斑があるウタツグミ

ウタツグミの後ろ姿は褐色です。

ウタツグミ3
ウタツグミの後ろ姿

このウタツグミは、かつて「ジミー(地味ー)」とあだ名を付けたことがあるビンズイに匹敵する色合いですが、現時点で多くの日本人が注目する野鳥界のアイドルであることは間違いありません。

ウタツグミ4
地味なアイドル ウタツグミ

ツグミの仲間は美声の持ち主であることが多いですが、ウタツグミもさえずりがとても美しいそうなので、アイドルとしての歌唱力は問題なさそうです。

ウタツグミの行動は、普通のツグミと何ら変わりはありませんでした。ツグミがよくとる「胸そりポーズ」も同じです。

ウタツグミ5
胸そりポーズ

土をほじって、食べ物を探す仕草も同じです。くちばしに土が付いています。

ウタツグミ6
くちばしに土が

ウタツグミは、陸生巻き貝・昆虫類・木の実などを食べるのですが、この時は昆虫類を捕食していたようです。

多くの人に凝視されても怖気づくことがなかったので、このウタツグミはすっかり人に慣れてしまっているか、かなり度胸が据わっているのでしょう。

ウタツグミ7
度胸もアイドル並み?

本来の生息地へ戻るには、かなりの長旅となりますが、頑張って仲間と合流してくださいね。やはり、異国の地(日本)で、お一人様では寂しいですからね。お元気で、ウタツグミさん!チュ!

<余談>
ウタツグミの出現は、ところ変われば珍鳥扱いの代表的な例だと思います。
日本で普段よく見かけるヒヨドリなども、生息域がほぼ日本国内に限られているため、欧米の方からすると珍鳥となり、人気があるそうです。
ところ変わればアイドルに変身!できる野鳥が、実は日本国内にも多数います。貴重なアイドルの卵たち(日本固有の野鳥たち)を大事にしましょう。

<ウタツグミを脅かすもの>
林・農耕地の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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ちゃっかり気質? オナガガモ

野鳥の世界 オナガガモ

尾が長めでスレンダーな体つきのオナガガモという鳥さんがいます。カモの仲間の野鳥で、日本では冬季に観察することができるようです。

今回は、このオナガガモのお話です。

カモというと、ぷっくらと重そうなイメージが強いですが、オナガガモのオスは尾が長めでシックな色合いのせいか、シャープな感じがします。

オナガガモ2
2014年1月 埼玉県とある川 1 尾が長くスマートな体型のオナガガモのオス

オナガガモのメスの色味は地味ですが、尾は他のカモより少し長めです。

オナガガモ3
2012年1月 千葉県谷津干潟 尾が少し長いオナガガモのメス

オナガガモの体長は、オスが約75cm、メスが約53cmで、カモの中ではわりと大きめです。

オナガガモ4
2014年1月 埼玉県とある川 1 オナガガモのつがい(左:メス、右:オス)

以前、見慣れない色味のカモを海岸で見かけたことがあり、「誰だろう?」と思っていたら、エクリプス羽のオナガガモのオスでした。

オナガガモ5
2012年5月 鹿児島県奄美大島 大瀬海岸 オナガガモ(オス)[エクリプス羽]

一部、繁殖羽が残っているオナガガモのオスもいました。不思議な色合いです。

オナガガモ1
オナガガモ(オス)[エクリプス羽に換羽中]

オナガガモは主に水草や植物の種子などを食べます。水草をくわえているオナガガモを発見。

オナガガモ6
2012年1月 千葉県谷津干潟 水草を食べるオナガガモ(オス)

オナガガモは白鳥や家禽などと一緒にいて、人から餌をもらっている姿をよく見かけます。

オナガガモ7
2014年1月 埼玉県とある川 1 白鳥と群れるオナガガモ

オナガガモ8
2014年1月 埼玉県とある川 2 シナガチョウと群れるオナガガモ

さらにアヒルやドバトに混じり、餌をもらいに上陸するオナガガモも!この時は、食パンをもらっていました。

オナガガモ9
アヒルやドバトと一緒に食べ物をもらうオナガガモ

白鳥や家禽は餌付けされている場合が多いので、「一緒にいれば食べ物にありつける!」ということを、オナガガモはちゃ~んと知っているのでしょう。なかなかのちゃっかり者のようです。

オナガガモ10
2014年1月 埼玉県とある川 1 ちゃっかり気質?のオナガガモたち

春になると、繁殖地を目指して旅立つオナガガモたち。そろそろ出発の時期でしょうか?また次の冬、お会いしましょう、お元気で!チュ!

<余談>
スマートな体型のせいか、一見クールに見えますが、かなり人に慣れやすい性質を持つオナガガモ。アヒルやドバトに混じって餌を食べるオナガガモを観た時には、「何と図太い鳥さんだろうか!」と感心してしまいました。生き残るためには、なりふり構わず、といったところでしょうか。ある意味、サバイバル下では見習う点が多い鳥さんカモ?

<オナガガモを脅かすもの>
湖沼・河川・池の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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アオゲラ日和

野鳥の世界 アオゲラ

冬季、見かける頻度がぐっと高くなる日本固有種のアオゲラ。今回は、雑木林で見かけたアオゲラたちの様子を紹介します。

落葉広葉樹の多い雑木林では、真冬は葉が落ちて寒々しい風景となりますが、その分、野鳥たちの姿を観察しやすくなります。野鳥たちの鳴き声やコンコンと木を突っつく音が聴こえたら、忍耐強く探してみると、見つかる確率が高いです。

大雪の降った数日後、「そろそろ雑木林を散策できるだろうか?」ということで、行ってみると、日なたは雪が解けて一部歩ける道があったので、そろそろと足元に気をつけながら歩いていると、「ピョー、ピョー、ピョー」とアオゲラ特有の鳴き声が聴こえてきました。

アオゲラのいそうな場所は大体特定できたのですが、1回きりしか鳴かなかったため、どの木にいるのかなかなか分かりません。探すこと約5分、ようやく見つけました!

アオゲラ12
2014年2月 埼玉県とある雑木林1 アオゲラ

このアオゲラは後頭部のみが赤いのでメスです。

アオゲラ13
後頭部のみが赤いアオゲラのメス

懸命に木をホジホジして食べ物を探しています。

アオゲラ14
ご馳走はあったかな?

別の雑木林では、アオゲラのオスに出会いました。

アオゲラ15
2014年1月 埼玉県とある雑木林2 アオゲラ(オス)

アオゲラのオスは、額から後頭部にかけて赤いです。

アオゲラ16
額も赤いアオゲラのオス

このオスは、約20分もの間、同じ場所に居座り、木の皮をはがしたりしながら、食べ物を探していました。

アオゲラ17
木の皮をくわえるアオゲラ

このアオゲラのオスを観ていると、誰かに似ていることに気が付きました。

アオゲラ18
誰かに似ている?

ズームしてみると・・・キツツキには見えず、頭の赤色がトサカに見えて・・・

アオゲラ19
この顔にピン!ときたら・・・

そう、にわとり!アオゲラのオスが、実は「にわとり」に似ていることを初めて知りました!

この日は他にもアオゲラを見かけました。多い日には別々の場所でアオゲラを3回ほど見かけることもあります。天候が穏やかな日にアオゲラと何度も出会うと、「アオゲラ日和だな~」と嬉しくなります。

この冬は、雪の重みで雑木林の木が倒れたり、枝がバキバキに折れたりして、いつもとは様子が違って大変ですが、頑張って食べ物を探してくださいね、アオゲラさん!チュ!

<余談>
近所の神社にもアオゲラが棲んでいて、「ピョー、ピョー、ピョー」という鳴き声が聴こえた時、自宅のベランダから双眼鏡で覗くと、数十メートル離れていても、枯れ木に止まっている姿を確認できることがあります。アオゲラは住宅街にもよく出没するので身近なキツツキではありますが、貴重な日本の固有種である、ということは、あまり知られていないように思います。

小学校とかで日本固有の生き物たちの名前や生態を学んだり、自然保護や共存の重要性を教える授業があってもいいのでは?と思います。そうすれば、観察力がつくし、自分で物事を考える力もつくはず。あーちゃんの母は65歳ぐらいまで、「見かける小鳥は全てスズメで、周辺にはスズメしかいない」と思い込んでいたそうです・・・。そのような残念な大人が増えないよう、今後の教育に期待です。

アオゲラの関連記事:
「秋の味覚も大好きさ! アオゲラ」はこちら
「私は特別? アオゲラ」はこちら

<アオゲラを脅かすもの>
森林の減少:生息場所がなくなります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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