スーパーウーマン ミフウズラ
■野鳥の世界 ミフウズラ
ウズラによく似た丸っこい体型が特徴のミフウズラという鳥さんがいます。日本では奄美大島以南で周年観察できるようです。
今回は、このミフウズラのお話です。
南西諸島を旅する際は、ミフウズラを探すようにしているのですが、姿をみかける機会はあまりありませんでした。
ミフウズラは鹿児島県の絶滅危惧種、および沖縄県の準絶滅危惧種に指定されているため、生息数自体が少ないというのもあるかもしれませんが、ミフウズラが姿を現す時間帯は1日の内でごくごく限られている、というのが今回の観察でようやく分かりました。
夕方、農耕地を車で走っている際、ムナグロの集団が目に入ったので、観察しようと引き返すべく細い農道にそれた時、小さな物体がノソノソ動いているのに気がつきました。「あっ、あれは、ミフウズラ!」
ミフウズラは1羽かつがいで農耕地や草地に生息しているのですが、見かけるのは久しぶりです!車中から急いで写真を撮らせてもらうことに。
このミフウズラはつがいで、しばし砂浴びをした後、草地に姿を消してしまいました。が、この農耕地にはミフウズラのつがいがたくさんいて、次々に姿を見せてくれました!
ミフウズラはウズラに似ていますが、それぞれツル目ミフウズラ科とキジ目ウズラ科となっており、種が違っています。てっきりウズラと同類かと思っていましたが、そうではないのですね、ややこしい・・・。
ミフウズラは野鳥の世界ではとても変わった鳥さんです。普通の鳥さんと何が違うかというと・・・
その1:ミフウズラはメスの方がオスより色味が鮮やかで喉部分が黒いです。
つがいで食事中のミフウズラの動画です。喉部分が黒い方がメスです。
つがいで仲良く食事中のミフウズラ(動画 16秒)
その2:縄張り争いの際にはメスが戦います(ミフウズラの体長は約14cmでメスの方がオスより少し大きいです)。移動時はメスがオスをリードする形をとり、オスがメスに付き従います。
ミフウズラのつがいが移動する様子の動画です(上の写真とは別のつがい)。メスの後をオスがついていきます。
メスの後を追いかけるミフウズラのオス(動画 23秒)
その3:ミフウズラは一妻多夫の鳥さんで、オスが卵を温めて子育てをおこない、メスは産卵後に他のオスを探して移動してしまいます。
というように、普通の鳥さんたちと違って、ミフウズラのメスはとってもたくましい「スーパーウーマン」なのでした!オスは・・・かいがいしい感じがするので「マメ夫」とでもしておきましょう。
この日、ミフウズラたちは10羽以上が姿を見せてくれました。時間帯は日没前です。
翌日も日没前に同じ場所に行ってみると、ミフウズラが3羽現れました。
以前ミフウズラをみかけた時も、やはり夕方でした。で、調べてみると、ミフウズラは日中はサトウキビ畑などの中に入り込み、開けた場所にはほとんど現れないそうです。どうりで、どんなに昼間に探してもいなかった!のですね。
ミフウズラたちは猛禽類などに襲われないよう、薄暗い時間帯にだけ、開けた草地や農道に姿を現し、草の種子や昆虫などを探しているのかもしれません。
ということで、ミフウズラを観察するなら、日没前がポイントのようです(9月では午後6時~7時頃)。ミフウズラは朝も姿を現すようですが、まだ早朝にミフウズラを見かけたことはありません。
今の世の中、生きていくのが難しい環境ですが、思いがけず大勢で姿を見せてくれてありがとう!次回もまた日没前に姿を見せてくださいね、ミフウズラさん!チュ!
<余談>
「冬季、ミフウズラはサシバを恐れて日中はあまり姿を現さない」という話を奄美大島でガイドさんからお聞きしたことがあります。それ以来、ミフウズラが日中姿を現さないのは冬季だけ、と思い込んでいました。そうではなく、年中だったのですね。今回のミフウズラの出没の様子については、とても勉強になりました。
<ミフウズラを脅かすもの>
農耕地・草地の変化や減少:生息場所がなくなります。農薬の影響を受けているようです。
野猫・野犬:ミフウズラを捕食しているそうです。
キジやコウライキジ:移入種との競争などにより影響を受けているようです。
ウズラによく似た丸っこい体型が特徴のミフウズラという鳥さんがいます。日本では奄美大島以南で周年観察できるようです。
今回は、このミフウズラのお話です。
南西諸島を旅する際は、ミフウズラを探すようにしているのですが、姿をみかける機会はあまりありませんでした。
ミフウズラは鹿児島県の絶滅危惧種、および沖縄県の準絶滅危惧種に指定されているため、生息数自体が少ないというのもあるかもしれませんが、ミフウズラが姿を現す時間帯は1日の内でごくごく限られている、というのが今回の観察でようやく分かりました。
夕方、農耕地を車で走っている際、ムナグロの集団が目に入ったので、観察しようと引き返すべく細い農道にそれた時、小さな物体がノソノソ動いているのに気がつきました。「あっ、あれは、ミフウズラ!」
ミフウズラは1羽かつがいで農耕地や草地に生息しているのですが、見かけるのは久しぶりです!車中から急いで写真を撮らせてもらうことに。
このミフウズラはつがいで、しばし砂浴びをした後、草地に姿を消してしまいました。が、この農耕地にはミフウズラのつがいがたくさんいて、次々に姿を見せてくれました!
ミフウズラはウズラに似ていますが、それぞれツル目ミフウズラ科とキジ目ウズラ科となっており、種が違っています。てっきりウズラと同類かと思っていましたが、そうではないのですね、ややこしい・・・。
ミフウズラは野鳥の世界ではとても変わった鳥さんです。普通の鳥さんと何が違うかというと・・・
その1:ミフウズラはメスの方がオスより色味が鮮やかで喉部分が黒いです。
つがいで食事中のミフウズラの動画です。喉部分が黒い方がメスです。
つがいで仲良く食事中のミフウズラ(動画 16秒)
その2:縄張り争いの際にはメスが戦います(ミフウズラの体長は約14cmでメスの方がオスより少し大きいです)。移動時はメスがオスをリードする形をとり、オスがメスに付き従います。
ミフウズラのつがいが移動する様子の動画です(上の写真とは別のつがい)。メスの後をオスがついていきます。
メスの後を追いかけるミフウズラのオス(動画 23秒)
その3:ミフウズラは一妻多夫の鳥さんで、オスが卵を温めて子育てをおこない、メスは産卵後に他のオスを探して移動してしまいます。
というように、普通の鳥さんたちと違って、ミフウズラのメスはとってもたくましい「スーパーウーマン」なのでした!オスは・・・かいがいしい感じがするので「マメ夫」とでもしておきましょう。
この日、ミフウズラたちは10羽以上が姿を見せてくれました。時間帯は日没前です。
翌日も日没前に同じ場所に行ってみると、ミフウズラが3羽現れました。
以前ミフウズラをみかけた時も、やはり夕方でした。で、調べてみると、ミフウズラは日中はサトウキビ畑などの中に入り込み、開けた場所にはほとんど現れないそうです。どうりで、どんなに昼間に探してもいなかった!のですね。
ミフウズラたちは猛禽類などに襲われないよう、薄暗い時間帯にだけ、開けた草地や農道に姿を現し、草の種子や昆虫などを探しているのかもしれません。
ということで、ミフウズラを観察するなら、日没前がポイントのようです(9月では午後6時~7時頃)。ミフウズラは朝も姿を現すようですが、まだ早朝にミフウズラを見かけたことはありません。
今の世の中、生きていくのが難しい環境ですが、思いがけず大勢で姿を見せてくれてありがとう!次回もまた日没前に姿を見せてくださいね、ミフウズラさん!チュ!

<余談>
「冬季、ミフウズラはサシバを恐れて日中はあまり姿を現さない」という話を奄美大島でガイドさんからお聞きしたことがあります。それ以来、ミフウズラが日中姿を現さないのは冬季だけ、と思い込んでいました。そうではなく、年中だったのですね。今回のミフウズラの出没の様子については、とても勉強になりました。
<ミフウズラを脅かすもの>
農耕地・草地の変化や減少:生息場所がなくなります。農薬の影響を受けているようです。
野猫・野犬:ミフウズラを捕食しているそうです。
キジやコウライキジ:移入種との競争などにより影響を受けているようです。
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