スーパーウーマン ミフウズラ

野鳥の世界 ミフウズラ

ウズラによく似た丸っこい体型が特徴のミフウズラという鳥さんがいます。日本では奄美大島以南で周年観察できるようです。

今回は、このミフウズラのお話です。

南西諸島を旅する際は、ミフウズラを探すようにしているのですが、姿をみかける機会はあまりありませんでした。
ミフウズラは鹿児島県の絶滅危惧種、および沖縄県の準絶滅危惧種に指定されているため、生息数自体が少ないというのもあるかもしれませんが、ミフウズラが姿を現す時間帯は1日の内でごくごく限られている、というのが今回の観察でようやく分かりました。

夕方、農耕地を車で走っている際、ムナグロの集団が目に入ったので、観察しようと引き返すべく細い農道にそれた時、小さな物体がノソノソ動いているのに気がつきました。「あっ、あれは、ミフウズラ!」

ミフウズラは1羽かつがいで農耕地や草地に生息しているのですが、見かけるのは久しぶりです!車中から急いで写真を撮らせてもらうことに。

ミフウズラ2
2013年9月 沖縄本島中部 ミフウズラ(メス)

このミフウズラはつがいで、しばし砂浴びをした後、草地に姿を消してしまいました。が、この農耕地にはミフウズラのつがいがたくさんいて、次々に姿を見せてくれました!

ミフウズラ3
ミフウズラのつがい(左:オス、右:メス)

ミフウズラはウズラに似ていますが、それぞれツル目ミフウズラ科とキジ目ウズラ科となっており、種が違っています。てっきりウズラと同類かと思っていましたが、そうではないのですね、ややこしい・・・。

ミフウズラは野鳥の世界ではとても変わった鳥さんです。普通の鳥さんと何が違うかというと・・・

その1:ミフウズラはメスの方がオスより色味が鮮やかで喉部分が黒いです。

ミフウズラ4
メスの方が色味が鮮やかで喉部分が黒い

ミフウズラ5
オスは色味が薄い

つがいで食事中のミフウズラの動画です。喉部分が黒い方がメスです。


つがいで仲良く食事中のミフウズラ(動画 16秒)

その2:縄張り争いの際にはメスが戦います(ミフウズラの体長は約14cmでメスの方がオスより少し大きいです)。移動時はメスがオスをリードする形をとり、オスがメスに付き従います。

ミフウズラ6
メスの後を追いかけるミフウズラのオス

ミフウズラのつがいが移動する様子の動画です(上の写真とは別のつがい)。メスの後をオスがついていきます。


メスの後を追いかけるミフウズラのオス(動画 23秒)

その3:ミフウズラは一妻多夫の鳥さんで、オスが卵を温めて子育てをおこない、メスは産卵後に他のオスを探して移動してしまいます。

というように、普通の鳥さんたちと違って、ミフウズラのメスはとってもたくましい「スーパーウーマン」なのでした!オスは・・・かいがいしい感じがするので「マメ夫」とでもしておきましょう。

ミフウズラ7
「さて、新しい旦那を探さなくっちゃ!」 スーパーウーマン(メス)

ミフウズラ8
「頑張って一人で子育てしないと!」 マメ夫(オス)

この日、ミフウズラたちは10羽以上が姿を見せてくれました。時間帯は日没前です。

ミフウズラ9
「薄暗い時間帯がいいんだよ!」 ミフウズラ(オス)

翌日も日没前に同じ場所に行ってみると、ミフウズラが3羽現れました。

ミフウズラ10
「この時間帯は安心。ちょっと休憩しよ!」 ミフウズラ(オス)

以前ミフウズラをみかけた時も、やはり夕方でした。で、調べてみると、ミフウズラは日中はサトウキビ畑などの中に入り込み、開けた場所にはほとんど現れないそうです。どうりで、どんなに昼間に探してもいなかった!のですね。

ミフウズラたちは猛禽類などに襲われないよう、薄暗い時間帯にだけ、開けた草地や農道に姿を現し、草の種子や昆虫などを探しているのかもしれません。

ということで、ミフウズラを観察するなら、日没前がポイントのようです(9月では午後6時~7時頃)。ミフウズラは朝も姿を現すようですが、まだ早朝にミフウズラを見かけたことはありません。

今の世の中、生きていくのが難しい環境ですが、思いがけず大勢で姿を見せてくれてありがとう!次回もまた日没前に姿を見せてくださいね、ミフウズラさん!チュ!

<余談>
「冬季、ミフウズラはサシバを恐れて日中はあまり姿を現さない」という話を奄美大島でガイドさんからお聞きしたことがあります。それ以来、ミフウズラが日中姿を現さないのは冬季だけ、と思い込んでいました。そうではなく、年中だったのですね。今回のミフウズラの出没の様子については、とても勉強になりました。

<ミフウズラを脅かすもの>
農耕地・草地の変化や減少:生息場所がなくなります。農薬の影響を受けているようです。
野猫・野犬:ミフウズラを捕食しているそうです。
キジやコウライキジ:移入種との競争などにより影響を受けているようです。
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今そこにある幸せ スズメ

野鳥の世界 スズメ

今は旬、とあるところに実をたわわにつけた柿の木がありました。食べ頃の柿の実を目当てにワラワラと群がってくる野鳥たちが。今回は、秋の恵みを享受するスズメたちのお話です。

ポカポカ陽気の午後、ブラブラと散策している最中、とある柿の木が目に入りました。今年は猛暑でしたが、実をたくさんつけています。

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実をたわわにつけた柿の木

実りの秋は、人にとっても野鳥にとっても嬉しいもの。食べ頃の柿の実を目当てに、スズメたちが集まってきました!スズメたちの様子がとても楽しそうなので、しばらく観察することに。

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2013年11月 埼玉県 柿の木に群がるスズメたち

それぞれお気に入りの柿の実を見つけたスズメたちは、なんだかとても誇らしげな表情をしています。1羽1羽の顔に注目!

まずは、1つの柿の実の上にで~んと居座るスズメが。

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「これはおいらのもの!」

熟した柿の実が密集している場所にはスズメが2羽います。ここはおそらく一等地!

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「この実は私のもの!」

スズメたちが柿の実をついばむ様子を観ていると、本当に美味しそうです。

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「まだまだいっぱいある!」

柿のお味はいかが?

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「うまい!」

まだ熟していない実の近くにもスズメがスタンバイしています。食べ頃かどうかをチェック中?

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「これぜ~んぶ、予約済み!熟れてから食べようっと!」

みなさん、とてもいい顔をしていますね!
このスズメの群れは、成鳥と若鳥と両方混じっているようでした。柿の実に囲まれて、老いも若きも、今そこにある幸せを満喫中!といったところでしょうか。

スズメ58
柿の実がたくさんあり、満足そうなスズメたち(左右:若鳥、中央:成鳥)

今のうちにたっぷり栄養をとって厳しい冬に備えてくださいね、スズメさんたち!チュ!

<余談>
例年に比べて、この冬は大変厳しい寒さに見舞われるそうです。柿の実のあるうちは、野鳥たちが群がり、それはそれは賑やかですが、食べつくしてしまった後は何事もなかったかのように、あたりはひっそりと静まり返ってしまいます。
野鳥たちの姿が消えてしまうと、「次は何を食べるのだろう?まだ食べ物は残っているだろうか?」といろいろ心配になりますが、寒さに負けずに生き延びて欲しいです。

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<スズメを脅かすもの>
水田・農耕地の減少:えさ場が少なくなるようです。
空き地の減少・除草剤:冬場のえさとなる雑草の種などがなくなります。
人による捕獲:日本では、まだ害鳥として駆除される場合があるそうです。

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メンバ―紹介 ハジロカイツブリ

野鳥の世界 ハジロカイツブリ

赤い目とツンと少し上を向いたくちばしに特徴がある、ハジロカイツブリという鳥さんがいます。カイツブリの仲間の野鳥で、日本では冬季に観察できるようです。

今回は、このハジロカイツブリのお話です。

ハジロカイツブリの繁殖地は世界各地に広く分散していますが、日本には中国東北部やウスリーなどで子育てをしたものが渡来しているそうです。

越冬地として日本を選んだハジロカイツブリたちは、海や湖沼などで数羽から数十羽の群れを形成して過ごすものが多いようです。2月~4月の繁殖地へ向けての渡りの時期には、内湾などで数百~千羽を超す群れになることもあるそうです。

大勢のハジロカイツブリたちを個別に観察することは難しいので、今回はたまたま見かけたほどよい数?の群れ4羽にスポットを当ててみます。

ハジロカイツブリ1
2013年10月 埼玉県 とある湖 ハジロカイツブリ4羽の群れ

ハジロカイツブリの体長は約30cm。水面上の小さな姿を1羽ずつチェックします。
上の写真の右から数えて2羽目までは冬羽になっていました。

ハジロカイツブリ2
2羽は冬羽

4羽写っている写真の左から2番目は夏羽から冬羽に換羽中です。

ハジロカイツブリ3
1羽は夏羽から冬羽に換羽中

4羽写っている写真の一番左は、褐色っぽい羽色でした。

ハジロカイツブリ4
1羽は褐色っぽい羽色

以上、3タイプの羽色のハジロカイツブリたちでした。次は、ハジロカイツブリの生態をみていきます。

ハジロカイツブリは、頻繁に潜って魚・貝・昆虫・甲殻類などを捕食します。そのため、撮影するタイミングが難しく、水面にお尻だけが残る写真がたくさん撮れてしまいます・・・。

ハジロカイツブリ5
頻繁に潜水するため、お尻ショットが多くなるハジロカイツブリ

ハジロカイツブリが潜った後には、ボコボコとした水しぶきが残ります。

ハジロカイツブリ6
ハジロカイツブリが潜水した後には、水しぶきが(左上)

ハジロカイツブリは目が赤く、くちばしは少し上に反っており、足は体の後ろの方についています。

ハジロカイツブリ7
目は赤色、くちばしは少し上に反り気味、足は体の後方についている

ハジロカイツブリは10月頃から姿を見かけるのですが、しばらくするといなくなります。10日後にチェックした時には、この群れはまだ同じ湖にいました。

1羽だけ冬羽に換羽中のハジロカイツブリがいますので、一目で同じ群れと分かります。

ハジロカイツブリ8
再び同じ群れに遭遇

念のため、目立つ換羽中のハジロカイツブリをチェックしてみると・・・10日間前に撮影した羽色と同じだったので、同一の鳥さんです。

ハジロカイツブリ9
「再びこんにちは!」 ハジロカイツブリ(冬羽に換羽中)

この後、ハジロカイツブリたちは最終的な越冬地を目指して旅立ってしまうため、次に出会うことができるのは来年の10月頃となります。
一時ですが姿を見せてくれてありがとう。無事越冬して、来年また日本にやって来てくださいね、チュ!

<余談>
観察していた湖では、ハジロカイツブリの小さな群れがいくつかいたのですが、日によっては数羽しかいなかったり、10羽以上いたりと様々でした。別の日に見かけた時には、同じ鳥さんかどうか?は普通は分からないのですが、今回観察した4羽については、たまたま識別しやすい羽色の小さな群れだったので、同じ鳥さんたちが滞在していると分かりました。
この4羽の最終越冬地は日本のどこになるのか?気になります!

<ハジロカイツブリを脅かすもの>
河口・湖沼・海岸・港湾の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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限界に挑戦 セイタカシギ(絶滅危惧種)

野鳥の世界 セイタカシギ

観る者を圧倒する細くて長~い足の持ち主、セイタカシギ。セイタカシギは、この長い足を活かして深い場所でも採餌できると言われています。では、セイタカシギが採餌できる水深の限界は一体どのくらいなのでしょうか?
今回は、セイタカシギの採餌場所についてのお話です。

セイタカシギは、湿地・干潟・湖沼・水田などで小魚や昆虫類、甲殻類などを捕食します。今回見かけたセイタカシギたちは、渡り途中か越冬を目的に渡来したのかどちらか不明ですが、約10羽以上が草地や水田で採餌していました。

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2013年9月 沖縄県本島中部 草地で採餌するセイタカシギ(若鳥)

セイタカシギの足の長さは約25cmもあります。体のバランスからしても、他の野鳥と比べてみても、驚くべき長さです。

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ヒバリシギ(左)とセイタカシギ(右)

水深の浅いところで採餌する場合は、かえってこの長い足が邪魔になりそうですが、どうでしょうか?水深約5cmの場所で採餌するセイタカシギの様子を観てみると・・・器用に足を曲げています。

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水深の浅い場所で、足を曲げて採餌するセイタカシギ(メス)

今度は深い場所で採餌するセイタカシギを観てみます。実験に参加してくれるのは、下の写真の若鳥です。

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セイタカシギ(左:若鳥)、(右:成鳥オス)

親子かどうか分かりませんが、成鳥のオスが若鳥にエールを送ります。

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「頑張れよ、若!」 セイタカシギ(オス)

では、若さん(若鳥)にチャレンジしてもらいます。若さんがそろそろと深い場所に移動していきます。

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深い場所に移動中のセイタカシギ(若鳥)

水深約20cmの場所で採餌します。首をドボン!

セイタカシギ22
水深約20cmで採餌中

さらに深い場所へ移動します。水深約30cm。これ以上深いと歩くことができないはず。

セイタカシギ23
水深約30cmが歩ける限界?

水深約20cmの場所に戻り、再び採餌します。

セイタカシギ24
再び、水深約20cmで採餌中

セイタカシギは泳ぐこともあるようですが、泳ぎながら採餌はしないと思われるため、歩いて採餌できる水深の限界はおそらく約30cmでしょう。

若さん、実験に参加してくれてありがとう。先輩たちを見習って、無事、越冬してくださいね、またお会いしましょう!チュ!

<余談>
思いがけず、多くのセイタカシギと出会う機会に恵まれ、個体ごとの羽色の違いや、他の野鳥との共存の様子などを観察することができました。セイタカシギの生息数は増加傾向にあるとのことなので、このまま順調にいけば、いつか晴れて絶滅危惧種の指定から外してもらえるかもしれませんね。

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<セイタカシギを脅かすもの>
湿地・干潟・湖沼・水田の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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