南でバッタリ オオジシギ(準絶滅危惧種)

野鳥の世界 オオジシギ

繁殖地は日本やサハリン南部、越冬地はオーストラリア南東部と非常に限られたエリアにのみ生息するオオジシギ。日本国内で繁殖するタシギ類はオオジシギだけなので、夏季に繁殖地(北海道や東北、本州中部以南の高原)で出会ったなら、誰?と迷うことはありません。

しかし、渡りの時期にタシギ類とバッタリ出会ってしまったら・・・「はて?あんた誰?」となる可能性が高くなります。というのも、タシギ類(タシギ、ハリオシギ、チュウジシギ、オオジシギ)はとってもよく似ていますから・・・。

今回は、秋に南で出会ったタシギ類の鳥さんを識別するお話です。

久しぶりに沖縄本島を探鳥することになり、ちょうど秋の渡りの時期だし、渡り鳥たちが立ち寄りそうな場所をブラブラしてみることにしました。「干潟や水田に行けば誰かはいるだろう!」ということで、この時は水田エリアを探してみることに。

目的地に着くまでは、カンカン照りで陽射しも強く、時間帯はお昼頃。野鳥たちが活動するには、う~ん・・・といった状況です。ところが、目的地に到着すると、タイミングよく小雨がさっーと降って、すぐに止みました。これはラッキーです。雨上がりは野鳥たちが出てきますから。

今がチャンスとばかりに、急いで探鳥を開始します。広い水田の脇を車でゆっくり進んで行くと、野鳥たちの姿があちらこちらに見えます。

草むらに野鳥数羽を発見。タシギ類の野鳥やタカブシギ(絶滅危惧種)、ツメナガセキレイの姿が見えます。このタシギ類の鳥さんを識別すべく、しばし、観察することに。

オオジシギ6
2013年9月 沖縄県本島中部 とある水田 タシギ類の野鳥(左)、タカブシギ(手前)

タシギ類の野鳥は体長約20cmのタカブシギ(上の写真の手前)よりかなり大きいです。細部をチェックしていきます。くちばしはどうでしょう?

オオジシギ7
くちばしをチェック!

くちばしはタシギほど長くはないので、この鳥さんはタシギではありません。タシギ類を識別するには、尾羽の枚数や外側数対の形状などが有力な手がかりとなりますが、この鳥さんの尾羽はどうでしょうか?

オオジシギ8
尾羽をチェック!

尾羽の枚数は不明なので色味と形状を観ると・・・外側が白っぽく、さほど細くはありません。ハリオシギの尾羽の外側数対は非常に細く短いので、この鳥さんはハリオシギではありません。

残る候補はチュウジシギとオオジシギ。この2種を見分けるには、体全体の色味と頭央線をチェックしてみます。通常、チュウジシギの色味は濃く、オオジシギは白っぽいです。この鳥さんの色味は?

オオジシギ9
体の色味をチェック!

体の色味はやや白っぽい感じがします。次に頭央線をチェックします。通常、チュウジシギの頭央線は、くちばしの基部には達しておらず、オオジシギは達しているものと達していないものがいるそうです。この鳥さんの頭央線は?

オオジシギ10
頭央線をチェック!

オオジシギ11
頭央線をチェック!

頭央線の写真は尾羽を広げている方が分かりやすいですが、あえて違う写真も掲載。頭央線はくちばしの基部に達しています。

ということで、総合的に判断するとこの鳥さんの正体は・・・オオジシギ!です。

オオジシギ12
「私の正体はオオジシギ。これからオーストラリアまで行くのよ!」
※オスかメスかは不明

越冬地のオーストラリアまで、まだ距離がありますが、ここまでくればあともうひと頑張りですね。無事、越冬地までたどり着き、来年、また日本にやって来てくださいね、オオジシギさん!チュ!

<余談>
非常によく似たタシギ類の中で、唯一オオジシギだけが日本で繁殖する鳥さん、というのはとても興味深いです。生息エリアが狭いわけですから、それだけ環境の変化も受けやすく、準絶滅危惧種に指定されているというのも分かる気がします。

先日、希少な野生動物の減少に歯止めがかからない、という新聞記事を読みました。理由は生息地の環境破壊や人間の欲望(漢方薬や富の象徴)のための密漁が後を絶たない、ということが挙げられていました。まったく、プンプン!

オオジシギにとって、日本は貴重な繁殖場所なので、安心して子育てができる環境保全がいかに重要か?を痛感しました。

オオジシギの関連記事「 一人オーケストラ? オオジシギ(準絶滅危惧種)」はこちら

<オオジシギを脅かすもの>
草地・湿地・水田の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
スポンサーサイト

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

水辺の名ハンター ミサゴ(準絶滅危惧種)

野鳥の世界 ミサゴ

飛翔姿もハンティング姿もカッコイイ、ミサゴ(準絶滅危惧種)という鳥さんがいます。タカの仲間の野鳥で、北海道では主に夏季、南西諸島では主に冬季、それ以外の日本の地域では周年観察できるようです。

今回は、このミサゴのお話です。

ミサゴは水辺に生息するのですが、自宅近辺では、たまに見かける程度です。上空を飛翔していたり、木の枝に止まっていたりしますが、距離が離れており、米粒ほどの大きさなので写真は撮れません・・・。

比較的、南西諸島では、わりと近い距離で観察できる機会が何度かありました。ミサゴの体長はオスが約55cmでメスが約64cm、翼は長めなので飛翔姿はシャープな印象を受けます。

ミサゴ6
2010年2月 鹿児島県奄美大島 ミサゴ

ミサゴ7
2011年5月 沖縄県伊良部島 ミサゴ

ミサゴは海岸や大きな河川、湖などで魚を捕食します。魚を見つけると、上空から足を突き出して一気に襲いかかります。ミサゴの足は魚を捉えると外れにくくなっており、魚をつかんだまま飛び去ります。

たまたま干潟でじっと佇んでいるミサゴを発見!

ミサゴ8
2013年9月 沖縄県 漫湖干潟 ミサゴ

ミサゴの爪をよ~く観てみると・・・鋭い!です。この爪でガシッとつかまれたら、魚はイチコロですね。

ミサゴ9
鋭い爪を持つミサゴ

魚をちぎって食べやすいよう、ミサゴのクチバシも鋭いです。

ミサゴ10
クチバシも鋭く、迫力があるミサゴ

正面から見ると、こんな顔です。クチバシが結構下に湾曲しているのが分かります。

ミサゴ11
ミサゴの正面顔

鳥さんの顔を正面から見ると変な顔に見えることが多いのですが、ミサゴはそうでもないですね。やはり、タカの仲間だからでしょうか。モノトーンっぽい黒褐色と白のメリハリのある色合いで、モダンな感じがするせい?

ミサゴ12
メリハリのある色合いのミサゴ

水辺の生態系の頂点に位置するミサゴは生息数が減少傾向にあると言われています。理由は、化学物質などに汚染された魚を捕食することによる影響や、営巣に利用するマツの枯死、釣りなどのレジャー目的で営巣場所へ人が立ち入ってしまうなどの問題が考えられるそうです。

環境がよくない中、いろいろ大変ですが、今後も負けずに生き延びてください、ミサゴさん!チュ!

<余談>
生態系の頂点に立つ生き物ほど、環境の影響を受けやすいので、ミサゴはいろいろと考えさせられる鳥さんです。
様々な食べ物を摂取する人間も例外ではありませんね。年齢を重ねれば重ねるほど、化学物質が体内に蓄積していくそうですから・・・。

人間のせいで絶滅の危機に追いやられる鳥さんがいるという現実は、実は人(鳥)ごとではなく、知らず知らずのうちに我々にちゃ~んと返ってきているのですね・・・恐ろし!

<ミサゴを脅かすもの>
海岸・河川・湖沼の環境破壊:捕食する魚が汚染されます。生息場所や営巣場所がなくなります。
レジャー目的での営巣場所への人の立ち入り:営巣できなくなります。

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

夏の庭 野鳥の愉快な表情

「夏の庭 野鳥のビショ濡れ姿」の続きです。

連日猛暑続きの夏、庭の水場で水浴びをしたり、水を飲んだ後、野鳥たちの顔は、「フ~」と一息ついたように見えます。それは、どんな表情かというと・・・口をぽか~んと開くのです。今回は、そんな野鳥たちの愉快な表情を紹介します。

まずはヒヨドリ。ヒヨドリは、よく口を開きっぱなしにしています。

ヒヨドリ16
「水が美味しい!」 ヒヨドリ

ヒヨドリ17
「フ~、近くに水場があってよかった!」 ヒヨドリ

シジュウカラは動きが速いので、口を開けるのも一瞬です。

シジュウカラ30
「あ~、気持ちいい!あーちゃん、水が少ないよー」 シジュウカラ

スズメもよく口を開きます。喉の下の黒斑が大きいスズメは、何年も庭にやって来ている常連のようです。

スズメ48
「やれやれ、この夏は何でこんなに暑いんだ?」 常連と思われるスズメ

くちばしに黄色味のあるスズメは、この年生まれの若鳥です。生まれて間もなく猛暑を経験するはめに。

スズメ49
「あついよう!」 スズメ(若鳥)

暑さのせい?で、呆けてしまったような顔になってしまいました!顔に糸のようなものがひっついていますが、そんな細かいことには構っていられない?

スズメ50
「水があってよかった~」 スズメ

と、夏季の庭の水場に集まる野鳥たちの姿でした。
野鳥たちにとって、冬季はえさ探しが大変ですが、夏季は水場の確保がいかに重要か?がよ~く分かりました。今後も、安全な水場を提供できるよう頑張りますので、遠慮なく利用してくださいね、野鳥のみなさん!チュ!

<余談>
「水場はここを利用するんだよ!」と親鳥に教えられた幼鳥たちは、その後も一羽で庭に姿を現しました。やって来るのはシジュウカラ、ヒヨドリ、ガビチョウの幼鳥たちなのですが、彼らの水浴びはとってもへたくそ!で笑えました。
この夏はとても暑かった上、彼らの水浴びを上達させるためにも、水を切らさないよう責任重大でした。

関連記事:
「夏の庭 ウグイスの水浴び」はこちら
「夏の庭 野鳥の水浴び」はこちら
「野鳥たちに好評?のえさ台」はこちら

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

夏の庭 野鳥のビショ濡れ姿

「夏の庭 野鳥の水浴び」の続きです。

自宅の庭には、水場の近くに止まり木を2本設置してあります。野鳥たちは水浴びをした後、止まり木で羽をブルブルと震わせ、羽づくろいをします。今回は、夏季に庭を訪れる野鳥たちのビショ濡れ&羽づくろいの姿などを紹介します。

何度も水浴びを繰り返すうちに頭にツノができたメジロ。

メジロ22
濡れた頭にツノが! メジロ

メジロは庭に設置してある止まり木よりは、植木の茂みの中を好み、そこで羽づくろいをします。植木から水場へ移動する際、止まり木に一瞬降り立ちます。

メジロ23
止まり木から水場へ移動するメジロ

シジュウカラのビショ濡れ具合は、なかなかのものです。

シジュウカラ26
水もしたたるいい女? シジュウカラ(メス)

シジュウカラ27
ビショ濡れすぎて性別不能 シジュウカラ

シジュウカラは止まり木を利用して羽づくろいをします。

シジュウカラ28
羽をワサワサ シジュウカラ(メス)

シジュウカラ29
羽をブンブン シジュウカラ(オス)

ヒヨドリの水浴びはとても長いです。その間、他の小型の野鳥たちがうっかり水場に近づこうものなら、即座に「あっち行けー!」とヒヨドリに追い払われてしまいます。やむなく、小型の野鳥たちは、水浴びの順番待ち!をさせられます。

ヒヨドリ13
水場でも独占欲を発揮するヒヨドリ

ヒヨドリ18
時間をかけて水浴びを繰り返し、ビショビショになったヒヨドリ

ヒヨドリは2本の止まり木のどちらもよく利用して、羽を乾かします。

ヒヨドリ14
茶色の水場近くの止まり木で羽をブルブルさせるヒヨドリ

ヒヨドリ15
植木の近くの止まり木で羽を乾かすヒヨドリ

ヒヨドリの羽ブルブルシーンの動画です。小さい水場でも上手に水浴びをします。


庭で水浴びをするヒヨドリ(動画 33秒)

そして、強いヒヨドリさえも、ちょっと遠慮がちにさせるのは・・・外来種のガビチョウ。ガビチョウが現れると、ヒヨドリは水場を明け渡し、近くの植木の茂みで待機します。

ガビチョウ10
羽がモワッとしていて可愛いですが、夏季の庭で一番強いガビチョウ。

ガビチョウは度胸が据わっており、少々のことでは逃げません。ガビチョウの水浴びも長く、その間、他の野鳥たちは待つはめに。

ガビチョウ11
羽を乾かすガビチョウ。庭の止まり木でお得意の歌を披露することも。

ガビチョウ12
植木の近くの止まり木もよく利用するガビチョウ。羽をブンブンして乾かし中!

水浴びをしたり、水を飲んだ後、「フ~」と一息つくのは、人間も野鳥も同じはず。そんな時、野鳥たちの表情はどうなるでしょうか?

「夏の庭 野鳥の愉快な表情」へ続く

<余談>
庭につがいでやってくる野鳥は、キジバト、ヒヨドリ、シジュウカラ、ガビチョウが多いのですが、その中で最も仲がよさそうに見えるのはガビチョウです。
ガビチョウのつがいは、年がら年中一緒にやって来る上、庭の植木の茂みの中でお互いに羽づくろいをし合ったりして、観ているこちらが恥ずかしくなるぐらい仲睦まじいです。ガビチョウ夫妻は、人間の夫婦以上に仲がよいことは、ほぼ間違いないでしょう。
外来種でなければ、ガビチョウは理想の夫婦像として名声を得たに違いない!?

関連記事「夏の庭 ウグイスの水浴び」はこちら

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

夏の庭 野鳥の水浴び 第2話

「夏の庭 野鳥の水浴び 第1話」の続きです。

あの強いヒヨドリさえも一目置く鳥さんとは・・・ガビチョウです。ガビチョウは外来種ですが、近年数が増えつつあり、あーちゃん宅の庭にも頻繁に姿を現します。

ガビチョウの水浴びは豪快で、水しぶきを跳ね飛ばします。ガビチョウが小さい方の水場を利用した後は、1センチぐらいしか水が残っていないこともしばしば・・・。

ガビチョウ7
小さい水場を利用するガビチョウ

ガビチョウ8
「資源を大切に!」と言いたくなるような豪快な水浴び ガビチョウ

ガビチョウ9
ガビチョウサイズだと、本来ならばこちらの大きめの水場が妥当なはず

次は、野鳥の水飲みシーンです。
まずはスズメ。庭の水場では、スズメはあまり水浴びをせず、飲むだけという場合が多いです。

スズメ46
みんながバシャバシャした後、残りわずかの水を飲むスズメ

スズメ47
こちらの水場も利用するスズメ

キジバトも、庭の水場では水を飲むだけのことが多いです。まれに白色の水場の中を歩いて横切ることがありますが。
水場には数羽のキジバトが訪れているようで、写真を見比べてみると羽の色や模様などが違っています。

キジバト10
頭のてっぺんが平らで、尾の先が白いキジバト(A)

キジバト11
上の写真のキジバトとは別の鳥さん。
頭のてっぺんが丸く、尾の両端が白いキジバト(B)

キジバト12
このキジバトの尾は白くないので、上の写真の2羽とはまた別のキジバト(C)

キジバト13
つがいでやって来るキジバト(左上、右下)。
左上の鳥さんは尾の先が白いので(A)と同じキジバト?

「夏の庭 野鳥のビショ濡れ姿」へ続く

<余談>
夏季の水場には野鳥以外にも訪問者がいました。それは・・・アシナガバチです!

アシナガバチ1
アシナガバチ

観察していると、30分間に10回以上もアシナガバチがやって来るため、飲むにしては回数が多すぎると思い調べてみると、高温で幼虫や卵が死なないよう、水で巣を冷やしているそうです。巣はあーちゃん宅ではなく、どこか他の場所にあるようで、水場で水を補給した後は、さっさとどこかへ飛び立って行きます。
アシナガバチは毒はあれども大人しく益虫のようですので、水場にいてもそっと見守るようにしています。

関連記事「夏の庭 ウグイスの水浴び」はこちら

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
驚きの鳥類の知能を紹介
全記事(数)表示

全ての記事を表示する

記事検索
野鳥名は、カタカナで検索!
歴代人気記事ランキングTOP20
RSSリンクの表示
応援エリア

ランキングに参加していますので、下のバナーをクリックしていただけると嬉しいです。


にほんブログ村 鳥ブログ 野鳥へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ
QRコード
QR
外部リンク
・絶滅危惧種検索

 

・癒し系の鳥さんブログ

 

・野鳥関連ブログ

 

・緑地関連ブログ