ヒナのいる風景 タンチョウ(絶滅危惧種) 第2話

野鳥の世界 タンチョウ

「ヒナのいる風景 タンチョウ(絶滅危惧種) 第1話」の続きです。

次にタンチョウに出会ったのは、探鳥地として有名な風連湖のほとり。親鳥2羽と幼鳥1羽のファミリーです。

タンチョウ10
2012年7月 北海道根室市 風連湖付近 タンチョウ親子

このファミリーはかなり人慣れしているようで、近くに人がいても逃げるそぶりはありませんでした。

タンチョウ11

タンチョウの尾は白いです。チラリと白いお尻を見せてくれました!

タンチョウ12
尾は白い!

翌日の早朝探鳥には、春国岱に行ってみることに。春・秋・冬にはたくさんの野鳥で賑わうようですが、夏季は誰かいるでしょうか?

アオサギ数十羽とトビ1羽がいます。そして・・・いました、タンチョウが。このタンチョウはお一人様でした!アオサギと比べてもタンチョウはかなり大きく、全長約130~150cmもあります。

タンチョウ13
2012年7月 北海道根室市 春国岱 タンチョウ(左)、アオサギ(右)

早朝探鳥を終え、根室市内の宿泊施設に戻る途中、海岸の防波堤にオジロワシ(絶滅危惧種)2羽を発見!そして、その近くにタンチョウ2羽が!
天然記念物のオジロワシと特別天然記念物のタンチョウのペアが1枚の写真に収まる光景って、すごい!

タンチョウ14
ん~、なんて贅沢な光景だ!

海岸にいるタンチョウをズーム!

タンチョウ15
オジロワシの近くにいたタンチョウ

次にタンチョウに出会ったのは、翌朝、納沙布岬付近の沼地。沼の一番奥の岸で採餌中でした。濃霧の中、タンチョウがいる光景は幻想的です。

タンチョウ16
2012年7月 北海道根室市 納沙布岬付近 タンチョウ

この日は最終日で、帰りがけに風連湖ほとりのタンチョウ親子に、再び会いました。

タンチョウ17
2012年7月 北海道根室市 風連湖付近 タンチョウ
親はカキカキ中。

タンチョウ18
ヒナは休憩中

そして、最後は帰りの釧路空港に向かう途中、一番最初に出会ったタンチョウ親子に再会しました。この日はかなり霧が出ていましたが、姿を確認できました。

タンチョウ19
2012年7月 北海道東部 霧多布湿原付近 タンチョウ親子

と、たくさんのタンチョウが姿を見せてくれました。タンチョウのいる風景って、なんかものすごく素敵でした。昔から、絵画などのモチーフとして描かれていたのも納得です。

と、生息数が増えたタンチョウたちですが、今後の課題も山積のようです。「タンチョウの数が増えた=整った生息環境が増えた」わけではないため、繁殖地が過密状態だそうです。
各地に分散していたタンチョウたちは、冬になると釧路湿原などに集まり、人間から餌をもらって生き延びているそうです。これも、餌付けがないと生き残るのが難しい、という問題が発生しています。

自然の中で自然のままに生きることができる日はくるでしょうか?タンチョウのみなさん、頑張って!チュ!

<余談>
繁殖時期のタンチョウは、分散して広~い湿原などに生息しているため、当初、タンチョウ親子に出会える確率はとても低いものに思えました。タンチョウ親子がくつろぐ姿を少しでも見せてもらえたら嬉しい!といった気持でしたが、本当にそんな光景を何度か観察させてもらうことができ、やっぱり旅はいいなーとしみじみ思いました。
(子育て時期のタンチョウには決して近づいてはいけないため、もちろん、観察は遠くから!です)

夏季の観察は、大きな川があったら覗いてみる、沼があったら奥までチェックしてみる、というような動作を繰り返していると、「あら、こんなところにタンチョウが!」といった出会いが多かったです。
いつか、冬季のタンチョウの姿も見せてもらいたいです。雪の上に舞う姿も、それはそれは美しいのでしょうね!

<タンチョウを脅かすもの>
湿原・湖沼・河川の減少:生息場所がなくなります。
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ヒナのいる風景 タンチョウ(絶滅危惧種) 第1話

野鳥の世界 タンチョウ

白と黒のはっきりしたコントラストの羽色が美しく、頭が赤いタンチョウ(絶滅危惧種)。ツルの仲間の野鳥で、狩猟や開発などの影響により、一時は絶滅したと思われていましたが、保護活動が功を奏し、わずか数十羽の生き残りから現在約1,000羽まで増えたと言われています。日本では主に北海道に生息し、国の特別天然記念物に指定されています。

今回は、日本人にはとても馴染みの深い、タンチョウのお話を2回に分けて紹介します。

繁殖期のタンチョウは広い縄張りを形成する上、湿原で子育てをしています。北海道の湿原は広大です!さて、タンチョウは姿を見せてくれるでしょうか?いざ、タンチョウを探して、道東を旅してみることに。

釧路空港から根室方面に向かう途中、車中からタンチョウを探します。北海道ではみなさん猛スピードで運転するため、同じく猛スピードで移動しながら、タンチョウがいそうな場所をチェックしていきます。

霧多布湿原付近に沼地があり、水鳥数羽を発見。ちょうど車を停めることができたため、観察してみると、この群れはカイツブリの親子でした!と、その時「ツル!」と、たーさんが叫びました。大きな白い鳥2羽と小さな褐色の鳥2羽が浅瀬にいるではありませんか。いきなりタンチョウ親子の登場です!

タンチョウ1
2012年7月 北海道東部 霧多布湿原付近 タンチョウ親子

雄大な自然の中にタンチョウが佇む様は、なんて美しいのだろう!と、しばらくぼぉ~と見入ってしまいました。

タンチョウ2

しかも、ヒナの姿まで見せてくれるとは、ただただ感動です。

タンチョウ3
親鳥に遅れまいとついていくヒナたち

ヒナは全身筋肉といった感じで、ムチムチしています。

タンチョウ4
ムチムチのタンチョウのヒナ

この湿原はかなり広く、餌も豊富なようで、他にはアオサギ約10羽とトビがいました。タンチョウは魚類、貝類、カエル、昆虫、種子、穀類などを食べる雑食だそうで、この時は貝類を食べていたようです。

タンチョウ5
さぁ、お食事タイム!

タンチョウ6
親鳥の真似をし、自力でも餌探しをするヒナたち

親鳥が食べ物を見つけると、ヒナが喜びいさんでかけよります。「わ~い!」といった感じです。

タンチョウ7
「わ~い!」と親鳥にかけよるヒナ

食事の時間は楽しいもの。羽をバタバタさせてヒナが小躍りしていました。ヒナの喜びのダンスの動画です。


小躍りするタンチョウのヒナ タンチョウ(動画 10秒)
この動画のヒナにそっくりのぬいぐるみを発見!

タンチョウ8
小躍りするタンチョウのヒナにそっくりのぬいぐるみ

目的地の根室まで随分と距離があるため、名残惜しいのですが、このタンチョウ親子に別れを告げ、出発することに。

タンチョウ9
さようなら~!

タンチョウを探す旅は、まだまだ続きます。

「ヒナのいる風景 タンチョウ(絶滅危惧種) 第2話」へ続く

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長距離移動と大群で勝負 ハシボソミズナギドリ

野鳥の世界 ハシボソミズナギドリ

大群で長距離を移動する、ハシボソミズナギドリという鳥さんがいます。繁殖地はオーストラリア南東部からタスマニアの近郊の島々で9月~4月頃子育てをおこない、日本には5月~8月頃、餌を求めて大群が日本近海に現れ、北上するそうです。

今回は、驚くべき点の多い鳥、ハシボソミズナギドリのお話です。

1つ目のビックリは、最も長距離の渡りをする、という点です。
繁殖期は南半球にいて、非繁殖期は北極海あたりまで北上する場合もあるそうで、ハシボソミズナギドリの移動距離は最長クラスといわれています。(1年に何と約32,000kmもの距離を渡るそうです)

2つ目のビックリは、その数の多さ。5月から北上し、日本近海でもハシボソミズナギドリの群れを観察できるのですが、数が多いため、渡り終えるまで数か月かかるそうです。その間、ひたすら大群が通り続けることに。

ハシボソミズナギドリは甲殻類、イカの幼体、稚魚などを捕食するそうで、あーちゃんが目撃した大群も浮いたり潜ったりしていました。

ハシボソミズナギドリ1
2012年7月 北海道根室市 ユルリ島、モユルリ島付近 ハシボソミズナギドリの群れ

日本近海に姿を現すハシボソミズナギドリは若鳥がほとんどだそうですが、いきなり長距離を移動するのって、なんかすごいですね!若者だけで、先輩の指導もなく、ぶっつけ本番ってことですからね。

揺れる船の上から撮った写真なのでブレブレですが、ハシボソミズナギドリとはこんな鳥さんです。

ハシボソミズナギドリ2
ハシボソミズナギドリ

ハシボソミズナギドリの全長は約35cm、全身褐色で結構地味です。しかし、その数の多さで他の野鳥を圧倒します。この時は、約数千羽いたようです。

ハシボソミズナギドリ3
ハシボソミズナギドリの群れ

ハシボソミズナギドリ4
約数千羽ものハシボソミズナギドリ

写真ではよく分からない・・・ので、動画を載せます。
ひたすら、ハシボソミズナギドリ、ハシボソミズナギドリ、ハシボソミズナギドリ・・・といった光景です。


地味だけど数で勝負!ハシボソミズナギドリ(動画 21秒)

なぜにこんな大群が長距離を移動するのか?というのを考えてみました。数の多い野鳥が一ヶ所にずっと留まっていたら即餌不足になります。なので、ハシボソミズナギドリは子育ての時期以外は移動を続けるという方法を採ったのでしょう。

生き延びるために長距離の渡りも何のその!のハシボソミズナギドリたちは、本当に逞しい鳥さんですね。また、大勢で姿を見せてくださいね!チュ!

<余談>
渡りをする野鳥の多くは、5月~8月頃に北方で子育てをし、9月~4月頃の間は南方で越冬します。けれども、ハシボソミズナギドリは、5月~8月頃に北方で餌を食べ、9月~4月頃に南方で子育てをします。
子育ての場所や時期が他の多くの野鳥と違っているのも、大群が生き残るためには必要なのでしょうね。ハシボソミズナギドリたちの生き残り戦術は、なかなか奥が深いです!

<ハシボソミズナギドリを脅かすもの>
狩猟:繁殖地でヒナを捕獲するそうです。

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小さくても元気いっぱい ノゴマ

野鳥の世界 ノゴマ

オスは喉の赤く丸い模様が目立つ、ノゴマという鳥さんがいます。ツグミの仲間の野鳥で、冬季は南西諸島で少数が越冬、夏季は主に北海道、それ以外の地域では春と秋の渡りの時期に観察することができるようです。

今回は、このノゴマのお話です。

野にいるコマドリでノゴマ。尾をピンと立てて、さえずる姿はとてもかわいらしいです。北海道の草原地帯で元気にさえずっているノゴマを見かけました。

ノゴマ3
2012年7月 北海道東部 元気にさえずるノゴマ(オス)

ノゴマのオスは、喉の赤い模様がとてもよく目立つので、遠目からでもノゴマ!と分かります!

ノゴマ2
赤色模様が目印のノゴマのオス

ノゴマのオスは、あちらこちらの場所で、さえずる姿を何度か見せてくれました。車で移動しながらの観察だったため、人工物に止まっている姿ばかりですが。

ノゴマは主に北海道で繁殖しているため、夏季の北海道の草原では、さえずっているオスの姿を観ることができますが、それ以外の時期は、藪などに隠れているため、なかなか姿を見せてもらうのは難しいです。ノゴマの主食はミミズや昆虫類で、コマドリ同様、地面をぴょんぴょん跳ねながら採餌するため、これまた観察する機会が少ないです。

ノゴマ4
電線にポツンの姿は大サービス!

このノゴマは、道路の真ん中に突き出ている標識に止まり、長時間さえずっていました。
北海道の東部は霧が多く、草原だと靄に包まれて目立たないため?あえて、目立つ場所に出てきているような・・・。お相手のメスは見つかったでしょうか?それとも、すでに営巣中で縄張り宣言中?

ノゴマ5
道路のど真ん中に突き出ている標識でさえずるノゴマ(オス)
お嫁さんは見つかりましたか?

ノゴマのメスは2回チラ見したことがあります。
1回目は秋の渡りの時期に埼玉のとある湖付近の藪で、2回目は冬の奄美大島の草むらで。ノゴマの体長は約16cmと小さいですが、頑張って渡りをしているなーと感心します!

なかなか姿を見せてもらう機会の少ないノゴマですが、次はいつ、どこで会えるでしょうか?渡りの時期に会えるかな?お元気で!チュ!

<余談>
夏季、女満別空港~知床半島の道中ではノゴマを見かけたことがなかったのですが、釧路空港~根室半島の間では多くのノゴマを見かけました。同じ道東でも、野鳥たちの生息域が異なっているのかもしれません。やはり、様々な場所に出かけてみると、新たな発見があり面白いです!

ノゴマの関連記事:
「近所のスター再登場 ノゴマ」はこちら
「近所のスター ノゴマ」はこちら
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<ノゴマを脅かすもの>
草原・灌木林の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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一人オーケストラ? オオジシギ(準絶滅危惧種)

野鳥の世界 オオジシギ

大声で鳴きながら派手な飛翔、急降下を繰り返す、オオジシギという鳥さんがいます。シギの仲間の野鳥で、夏季は本州中部以北、春と秋の渡りの時期には全国で観察することができるようです。

今回は、このオオジシギのお話です。

冷涼な気候で、霧が一面に漂っている北海道東部の霧多布岬(湯沸岬)付近の草原を車でウロウロしていると、杭の上に野鳥が止まっている姿が見えました。「誰だろう?」と確認してみると、オオジシギ!です。

オオジシギ1
2012年7月 北海道東部 霧多布岬(湯沸岬) オオジシギ

オオジシギは夜行性のようですが、昼間でも姿を現すのは霧があるから?
このオオジシギは、草原の上を飛翔したり、道路を歩いたり、杭に止まったりと動きまくっています。しばらくすると、オオジシギがもう1羽現れ、2羽で歩いたり、飛んだりしています。怒っている風でもないため、つがいと思われます。

オオジシギ2
動きまわるオオジシギ

オオジシギの体長は約30cmとタシギの仲間の中では最も大きいです。主にミミズや昆虫などを食べるようです。

オオジシギ3
ジャンボサイズ!

濃い霧がたちこめている早朝の納沙布岬付近の草原地帯で、「ズビャークズビャーク」と大声で鳴きながら、ザザザザザと急降下を繰り返している鳥さんがいました。オオジシギです。この派手な飛翔は、求愛や縄張り宣言のようですが、オオジシギの生態を知らなかった、たーさんは、「一人オーケストラのようなのがいるけど、あれは何?」と霧で曇った空を見上げながら、騒がしく飛翔しているオオジシギを指さして言いました。

言われてみると、確かに一羽でもオーケストラさながらの演奏をしているような・・・。これは、オオジシギのディスプレイフライトと言われており、当の本人は大真面目にやっているのでしょうけど、はたから見ると結構面白いです。

飛翔姿は撮れなかったため、道路脇で採餌中の姿をパシャリ。

オオジシギ5
2012年7月 北海道根室市 納沙布岬付近 オオジシギ

オオジシギ4
「ディスプレイフライトは真剣勝負!食べるときもね!」

オオジシギが繁殖地として好む環境は、灌木や池などがある湿地や湿原などだそうです。オオジシギにとって、北海道はとても居心地のよい場所のようですが、本州での繁殖地は減少傾向にあるそうです。(本州の繁殖地は高原)

北海道19
オオジシギの繁殖地はこんなところ
霧の多い納沙布岬付近の湿原

一人オーケストラ(ディスプレイフライト)を遠慮なくおこなえる場所がもっと増えるといいですね、オオジシギさん!また、面白い演奏を聴かせてください!チュ!

<余談>
この野鳥はこうゆう生態だからこのような動作をするのは当たり前、と思って観察するよりも、「あれは、何だ?」と何も知らずに観た方が、脳に刺激があっていいと思います。
野鳥観察は、たーさんの「ボケ防止」にかなり役立っているはず!ありがとう、鳥さんたち!

オオジシギの関連記事「南でバッタリ オオジシギ(準絶滅危惧種)」はこちら

<オオジシギを脅かすもの>
草地・湿地・水田の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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