キリリとした面構え カラシラサギ(準絶滅危惧種)

野鳥の世界 カラシラサギ

高貴っぽい?顔に特徴がある、カラシラサギ。夏季に朝鮮半島西岸や黄河河口域で繁殖し、冬季になると台湾や東南アジアに南下し越冬します。日本では、越冬のため九州や南西諸島に飛来する迷鳥、もしくはまれな冬鳥だそうです。カラシラサギは繁殖地が限られている上、環境破壊や羽毛を目的とした乱獲の影響により、生息数が激減してしまい、絶滅が危惧されています。

今回は、このカラシラサギのお話です。

埼玉には海がないので、干潟があると、嬉しくてついつい観に行ってしまいます。早朝の干潟はラッキーなことに干潮時でした!朝食を食べにいろんな野鳥が飛来してくるのでチェックしていると・・・今にも波に呑まれそうな野鳥の姿を発見。じーっとうずくまっています。

カラシラサギ2
2012年5月 鹿児島県奄美大島 大瀬海岸

「誰だろう?」と思い、観察していると、すっくと首を伸ばしました。冠羽がはためいています。誰?

カラシラサギ3
冠羽が潮風になびいています。

この後、クロサギ(黒色型)に何度か追いかけられていたため、クロサギ(白色型)とばかり思い込んでいたのですが、さらに近寄ってきたため、よ~く観ると、ちょっと違うような・・・。

カラシラサギ4
おお~、なんかとても優雅な鳥さんのようです。

この段階で、「普通のサギではない!」とようやく気づきました。何と、カラシラサギです!

カラシラサギ5
この鳥さんは、カラシラサギでした!

カラシラサギは魚類や甲殻類など捕食するそうで、あちらこちらと干潟を歩きまわり、食べ物を探し始めました。

カラシラサギ6
食事中のカラシラサギ

カラシラ・サギの「カラシラ」って何?と思っていたのですが、正しくはカラ・シラサギでした。カラシラサギは、繁殖地が唐エリアということで、唐白鷺(カラシラサギ)と名付けられたそうです。

カラシラサギの体長は約65cmでコサギとほぼ同じ大きさ、夏季は後頭部の冠羽が伸びて10cm以上にもなるようです。

夏季のカラシラサギのもうひとつの特徴は、コサギ同様、足の指が黄色いです。(冬季は足全体が黄色くなり、黒色を帯びるそうです)

カラシラサギ7
夏季は足の指が黄色いカラシラサギ

カラシラサギの後ろをカワウがスゥーッと通り過ぎました。が、お互い全く無関心!

カラシラサギ8
カワウ(左)とカラシラサギ(右)のツーショット お互い興味なし!

カラシラサギは顔が怖いといわれることがありますが、実際に観るとキリリとしたよい面構えでした。
なかなか出会う機会がありませんが、次はいつ、どこで出会えるでしょうか。お元気で、カラシラサギさん、チュ!

<余談>
夏羽のカラシラサギには、フサフサとしたゴージャスな冠羽がありますので、この冠羽を狙って乱獲されたこともあったのでしょう。
きれいな野鳥や、立派な冠羽のある野鳥を見つけると、人間はどうして捕まえたくなってしまうのでしょうかね。例え、絶滅してしまうことがあったとしても。

美しいものは、そのままそこにあるからこそ美しいのであり、その姿を遠くからそっと観察させてもらえるだけで、本来はとてもありがたいことなのに。
カラシラサギは、「人間のエゴは果てしなく、けしからん!」と考えさせられる鳥さんでした。自ら望んで世界的希少種になる鳥さんは、いませんからねー。

<カラシラサギを脅かすもの>
干潟・水田の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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珍鳥当てクイズの答え

さて、似たり寄ったりの顔のサギたちですが、カラシラサギはどれでしょうか?
「珍鳥当てクイズ」の答えです。

カラシラサギ1


上から順番に、

1.ダイサギ  2.チュウサギ
3.アマサギ(冬羽)  4.カラシラサギ
5.コサギ  6.クロサギ(黒色型)
7.アマサギ(夏羽)  8.アオサギ

で、カラシラサギは4番でした!

一応、識別ポイントの説明です。脚の長さや色味など体全体ではいくつかの識別ポイントがありますが、ここではあえて「顔」だけを取り上げてみました。

1.ダイサギのくちばしは長く、眼下の口角の切れ込みが眼より後ろにあり、頭が小さいです。(くちばしの色味は夏季に黒っぽく、冬季は黄色)

2.チュウサギのくちばしはやや長く、眼下の口角の切れ込みが眼の下にあり、頭は少し大きめです。(くちばしの色味は夏季に黒っぽく、冬季は黄色)

3.アマサギのくちばしは短く、冬季の羽色は白です。

4.カラシラサギのくちばしは長く、眼先の黄緑色っぽい部分が眼の上側のラインより下がった位置にあります。ここが大きな識別ポイントで、他のサギ類とこの部分を比較すると違いがよくわかります。(くちばしの色味は夏季に黄色、冬季は先端が黒っぽい)

5.コサギのくちばしの色味は、周年黒色。

6.クロサギの黒色型は、黒っぽい羽色なので一目瞭然です。(クロサギの白色型は黒色型と同じ顔つきで羽色が白)

7.アマサギのくちばしは短く、夏季の羽色はオレンジっぽい色味なので、これまた一目瞭然です。

8.アオサギのくちばしは長く、頭に黒っぽい模様があります。

これで、今後の識別はバッチシ?ですね。

珍鳥カラシラサギの詳細記事「キリリとした面構え カラシラサギ(準絶滅危惧種)」はこちら

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珍鳥当てクイズ

世界的希少種といわれているカラシラサギ。最初、知らずに写真をパシャパシャと撮っていて、後から確認すると、「ムム、今まで観たことがあるサギと、ちと違う!」ってことに気づきました。

さて、ここでクイズです。
カラシラサギは、下記1~8の写真の内、どれでしょう?

カラシラサギ1

こうして並べてみると、サギの顔ってよく似ていますね。
けれども、よ~く観ると、ちゃんと特徴があるのです!
答えはこちら!

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改名希望 ブッポウソウ(絶滅危惧種)

野鳥の世界 ブッポウソウ

赤いくちばしに青緑色の羽色を持つ、ブッポウソウという鳥さんがいます。夏鳥として中国南部やオーストラリア方面から飛来するようで、日本では本州~九州で観察することができるようです。

今回は、このブッポウソウのお話です。

繁殖のため、日本を訪れるブッポウソウの生息地は局地的のようで、しかも、生息数自体も減っている絶滅危惧種のため、ブッポウソウを観察できる機会はそうそうありません。

過去にスギ林を飛翔しているブッポウソウの姿を目撃したことはあるものの、その後の出会いはありませんでした。いつかは、止まり姿をぜひ見せてもらいたい!と思っていました。

旅先でのある日の夕暮れ、森林近くの電線にポツンと1羽で止まっている野鳥を発見。黒っぽくてよく分からないので、双眼鏡で確認すると・・・くちばしが赤い!です。これは間違いなくブッポウソウ!こんな所で出会うとは!

ブッポウソウ1
2012年5月 鹿児島県奄美大島 奄美自然観察の森付近 ブッポウソウ

車を降りると飛び去る可能性が高いため、やむなく無理な姿勢で車中からパシャパシャと撮らせてもらいました。

ブッポウソウ2

ブッポウソウは、奄美大島では春と秋の渡りの時期にまれに迷鳥として現れるそうなので、たまたま立ち寄っただけなのかも。
前日の天候が悪く、その日の天候は良かったので、もしかすると渡ってきた直後?朝どこかを出発し、夕方この場所に到着?だとすると、絶妙なタイミングでの出会い、ですねー。

夕方で暗いのと距離があるのとで、きれいな羽色ではなく黒っぽい写真となってしまいましたが、出会えただけで、感謝、感謝です!

ブッポウソウの体長は約30cm。頭は黒っぽく、くちばしは鮮やかな赤色です。この赤いくちばしで、セミやトンボなどの大型昆虫を捕らえます。

ブッポウソウ3
頭は黒で、くちばしは赤。

ブッポウソウは「ゲゲゲ、ゲー」などと鳴くそうですが、昔は「ブッポウソウ」と鳴くと信じられていたため、ブッポウソウと名付けられたそうです。ところが、「ブッポウソウ」と鳴くのは、実はコノハズクだったのです・・・。ここは、ぜひとも本名に改名してもらいたいものです。鳴き声から命名すると、「ゲゲゲのゲー」?

ブッポウソウ4
「ゲゲゲのゲー」はいかが?
「もっとカッコいい名前がいいな」ブッポウソウ

ブッポウソウは大木の樹洞やキツツキの古巣に営巣しますが、住宅難のため自然界のものだけでは事足りず、放置すればさらに生息数が減ってしまうという状況にありました。

そのため、日本のある地域では、ブッポウソウの保護を目的に巣箱を設置するという取り組みがおこなわれており、いくつかのエリアでは、徐々に生息数が回復傾向にあるそうです。

いつか、夏は、あちらこちらでブッポウソウの姿を観察できる日が来てほしいものです。頑張って、「ゲゲゲのゲー」さん、チュ!

<余談>
以前、関東にあるブッポウソウの営巣場所を訪れ、高木にポツンと空いているキツツキの古巣を発見したことがあります。ブッポウソウが営巣していたと思われる、ほどよい大きさの穴だったのですが、そこに野鳥の姿はなく、どう見ても空家のようでした。
たまたま立ち寄ったその地域の観光案内センターの方にお聞きしてみると、その年を含め、2年連続ブッポウソウはやって来なかったと、言われていました。ブッポウソウは同じ場所で営巣するようなので、その場所に飛来していたブッポウソウはどこかで命を落としてしまったのかも・・・。

こんなこともあったので、ブッポウソウとの出会いはまだまだ当分先になりそうだ、と思っていた矢先、旅先でバッタリ遭遇してしまうと、「えっ、今?」と心とカメラの準備が間に合わず、オタオタとしてしまいました。次回はぜひとも、準備万端の時に出会ってみたいものです。

<ブッポウソウを脅かすもの>
森林の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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圧巻の長~いくちばし ホウロクシギ(絶滅危惧種)

野鳥の世界 ホウロクシギ

驚くほど長いくちばしを持つ、ホウロクシギという鳥さんがいます。とても大きなシギ類の野鳥で、日本で観察できるシギの中では最大です。

繁殖地は限定的でシベリアやカムチャツカ、中国東北部で、越冬地は東南アジアやオーストラリアといわれています。日本には旅鳥として干潟に立ち寄るのがほとんどですが、数は減少傾向にあるそうです。関東以西では越冬するホウロクシギもいるそうです。

今回は、このホウロクシギのお話です。

春の干潟には、多くの旅鳥たちが立ち寄るはずなので、旅先では可能な限り、干潟をチェックするようにしています。

奄美大島で干潟を眺めていると・・・大きな野鳥の姿が目に入りました。遠くからでも、長いくちばしが目立っています。このサイズだと、ダイシャクシギかホウロクシギですが、さて、どちらでしょうか?

ホウロクシギ1
2012年5月 鹿児島県奄美大島 大瀬海岸
くちばしの長い大きな野鳥

この鳥さんは、下面が白色ではなく褐色味があるので、ホウロクシギです。

ホウロクシギ2
ホウロクシギ

ホウロクシギの大きさは約62cmもあり、くちばしも頭長の約3倍もあります。これだけ長いくちばしで、何を食べるかというと・・・ゴカイやカニ類です。

この異様に長~いくちばしで、ホウロクシギはどうやって獲物を捕らえるのでしょうか?

斜めにブスッと砂の中にくちばしを差し込んで・・・

ホウロクシギ3
斜めにくちばしを差し込んで・・・

首をねじります!

ホウロクシギ7
必殺ねじり技!目はちゃんと閉じるよ!

ホウロクシギは、チュウシャクシギ同様、カニが好物で、やはり脚をブンブンと振り回して、脚をもぎとってから食べます。必殺ねじり技もチュウシャクシギと同じです!

ところで、ホウロクシギのホウロクって何だろう?と不思議に思い、調べてみました。

煎ったり、蒸し焼きなどに使われる底の浅い素焼き鍋のことを焙烙(ホウロク)というそうです。この鍋の色味が似ているということで焙烙シギ(ホウロクシギ)と呼ばれるようになったそうです。江戸時代の頃からのネーミングだそうで、焙烙鍋を知らない、若い?あーちゃん世代だとピンとこないのも仕方ないかも?

ホウロクシギ4
焙烙(ホウロク)鍋の色味に似ているので、ホウロクシギ

ホウロクシギを正面から見ると、なんとも面白い顔です!変な生き物みたいです。

ホウロクシギ5
ホウロクシギの正面顔

ついでに、お尻ショットはこんな感じです。

ホウロクシギ6
ホウロクシギの背面ショット

なかなか観察する機会のないホウロクシギ。日本への渡来数も減少傾向にあるそうなので、次はいつ出会えるかな?この後、無事、北方の繁殖地へたどり着いてくださいね。お元気で!チュ!

<余談>
ホウロクシギぐらい大きいと動作もゆったりとしていて、なかなか貫禄があります。くちばしが長く、脚も長いと、それだけ食べ物を捕獲できる確立が高くなるので有利なはずですが、絶滅が危惧されているのは何故でしょうか?
繁殖できる場所が局地的、というのが原因?繁殖地を観察できる機会がないため、状況がどうなっているのか不明ですが、海外の繁殖地、越冬地も含めた保全がない限り、生存が難しいってことなのでしょうね。頑張れ!ホウロクシギ!

<ホウロクシギを脅かすもの>
干潟・河口・水田・草地の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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