複雑な模様は何のため? アトリ

野鳥の世界 アトリ

複雑な模様の羽色を持つ、アトリという鳥さんがいます。冬鳥としてシベリア方面から飛来する野鳥で、冬季は九州以北、春と秋の渡りの時期は南西諸島でも観察することができるようです。

今回は、このアトリのお話です。

アトリは群れで行動し、多いときには数万羽にもなるそうですが、過去にそんな大群には出会ったことはなく、数羽だけの小さな群れを見かける程度でした。今回出会ったアトリも6羽ほどの小さな群れでした。

川のほとりに丸裸の木々が立ち並んでおり、その中の1本にアトリたちがいました。アトリは体長約16cmと小さいです。複雑な模様の羽色は、木々にうまく紛れおり目立ちません。後からやって来た、たーさんが「何かいるの?」と言ったほどです。

アトリ1
2012年3月 奥多摩とある川岸 アトリの群れ

アトリはオス数羽、メス数羽の群れでした。オスは肩が濃いオレンジ色です。

アトリ2
左と真ん中がアトリのオス

アトリたちは何をしているのかというと・・・種子のようなものを食べていました。春間近のこの時期は食べ物もかなり残り少ないはずで、食べ物探しも必死でしょう。

アトリのオスとメスのツーショット。メスがもぐもぐと食事中です。

アトリ3
アトリ(メス:左、オス:右)

アトリのメスは、オスに比べると色味が薄いですが、やはり複雑な模様をしています。

アトリ4
アトリ(メス)

このアトリのメスのくちばしには、大きな食べカスが!

アトリ5
「身なりなんて構っていられないわ!」 アトリ(メス)

アトリのオスは、夏になると頭部が黒くなるのですが、ちょうど夏羽に換羽中のオスがいました。目立つ羽色に見えますが、実際はあまり目立たないのです。

アトリ6
アトリ(オス)[夏羽に換羽中]

アトリたちの複雑な模様は、周囲にうまく紛れるため、だったのですね。

アトリ7
木々にうまく紛れるアトリたち

しばらくの間、木々をウロウロしながら食事をしていたアトリたちですが、一斉にどこかに飛び去って行きました。

この冬は寒い上にドカ雪も降ったし、アトリたちにとっても大変な冬だったことでしょう。そろそろ北方の繁殖地を目指して旅立ちの時。次は、いつどこで出会えるかな?お元気で!チュ!

<余談>
アトリとは、何回か出会っているのですが、カメラを持っていなかったり、遠すぎたりと、いろいろな理由で、写真を撮らせてもらう機会がありませんでした。今回は、たーさんがトイレに行っているのを待っている間、何気なく木々を眺めていた時、たまたまアトリの群れに気がつきました。しかも、写真を撮らせてもらうこともできたし。野鳥との出会いって本当に不思議ですね。
サブタイトルは「トイレのおかげ アトリ」かな

アトリの関連記事「あちこち占拠 アトリ」はこちら

<アトリを脅かすもの>
農耕地・草地・林の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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安全な餌場はどこ? タゲリ

野鳥の世界 タゲリ

美しい羽色と冠羽を持つタゲリ。この冬は、冬鳥の飛来数が極端に少ないので、タゲリに会うのは難しいかも?と思っていたのですが、タゲリに出会う機会がありましたので、その紹介です。

河川敷でムナグロを探している際、たまたま視界に白っぽい野鳥の姿が目に入りました。とても遠いのですが、写真を撮って拡大してみると、タゲリのようです。
タゲリは警戒心が強いといわれているため、そろそろと近づき、ようやくタゲリの姿をちゃんと観察できる距離となりました。タゲリは5羽いて、畑と草むらのような場所で採餌中でした。「この冬も、タゲリに会うことができた!」と嬉しく思っていると、近くにいたカラスが「あっち行けー」とタゲリを追いかけ始め、タゲリたちはどこかに飛び去ってしまいました・・・が~ん。

翌週、期待を込めて同じ場所を訪れてみると、すぐにタゲリの姿を発見。この時、タゲリは3羽いて、忙しそうに採餌していました。今度こそは写真を撮らせてもらおうと、ソロリソロリと近づいて、パシャリ。

タゲリ15
2012年2月 埼玉県とある河川敷 タゲリ(冬羽)

タゲリ17

この時出会ったタゲリたちも、ムナグロ同様、人間を全く恐れておらず、あえて人のそばで採餌していました。
この河川敷では運動している人たちが大勢いて、その近くで適度な距離を保ちつつ、餌を探しているのです。頻繁に現れる猛禽類に比べると人間の方がよっぽどマシ、ということなのでしょう。

タゲリ16
「人間の近くは安全!」

タゲリたちは、湿った地面から大きなミミズをひっぱりだして食べていました。美しい容姿にちょっと不釣り合いなシーンですが、食べないと生きていけないので、そんなことは言っていられません。

タゲリ18
「ミミズ発見!」

タゲリ19
「ここにもご馳走が!」

約30分後、帰りがけに車でタゲリたちの近くを通ったので、試しに窓を開けみることに。タゲリとの距離は約3メートルほど。しかし、タゲリは逃げません!やはり、驚くほど人に慣れており、この場所をとても気に入っているようです。

タゲリ20
「ここはとっておきの場所!」

タゲリ21
「安全で、ご馳走のある所は少ないんだよ」

この冬も、無事、タゲリの姿を確認することができて、ほっとしました。
次の冬はどこで出会えるでしょうか?お元気で、タゲリさん!チュ!

<余談>
世界的な湿地の減少により生息地が脅かされているタゲリ。適度に地面が湿っており、ミミズなどが生息できる環境で、安全な場所っていうのは、あまりないのかもしれません。

タゲリの関連記事:
「これがホントの田ゲリ タゲリ」はこちら
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<タゲリを脅かすもの>
繁殖地、中継地、越冬地の環境破壊:世界中で、えさ場(湿地・河原・水田)が減少しているようです。

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人間大好き ムナグロ

野鳥の世界 ムナグロ

冬季は西南日本で越冬するムナグロ。埼玉では春と秋の渡りの時期に通過するのですが、厳寒の真冬にムナグロの群れを見かける機会がありました。今回は、埼玉で越冬中のムナグロに出会った際のお話です。

猛烈な強風が吹き荒れる冬のある日、河川敷での探鳥を終えて、そろそろ帰ろうかと車で出口に向かう途中、広場に小さな野鳥数羽がいることに気がつきました。
「誰だろう?」と思い、双眼鏡で確認するとチドリの仲間のようです。
片付けていたカメラ一式を再びセットし、写真を撮って拡大して確認してみると・・・なんと、ムナグロではありませんか!
もうとっくに南の地域に渡って越冬しているはずの彼らが、寒波到来といわれている寒い時期に埼玉にいるのでしょうか???
とりあえず、証拠写真をパシャリ。

ムナグロ16
2012年1月 埼玉県とある河川敷 ムナグロ(冬羽)

もっとよく観察したいと思い、カメラをちゃんとセットしてさあ撮ろう!とした時、ムナグロたちは一斉に飛び去ってしまいました。随分離れているので驚かしたはずはなく、「あれ~?なんで?」と不思議に思っていると、上空に猛禽類の飛翔姿が目に入りました。ムナグロたちは猛禽類を警戒して、逃げ去ってしまったのですね・・・ん~残念!

立っているのさえ難しいほどの強風だし、ムナグロ達が戻ってくる保証もないので、翌週、出直すことに。

「ムナグロ達は、今頃渡りの途中だったのか?それとも埼玉で越冬決行中だったのか?」と悶々としながら、週末がくるのを指折り数え、ようやく待ちに待った週末がやってきました。

その日は、先週とはうってかわり、風もなく穏やかで暖かい日でした。
さて、ムナグロはいるでしょうか?

先週見かけた場所をチェックしてみましたが、いません。どこにいるか分からないので、車でノロノロ走りながら探してみることに。広場にムクドリの群れと野鳥数羽の群れを発見。双眼鏡で確認すると・・・いました、ムナグロの群れです!

ムナグロ17
2012年2月 埼玉県とある河川敷 ムナグロ(冬羽)

これで答えが判明しました。ムナグロたちは渡り途中ではなく、埼玉で越冬決行中!、だったのですね。「なんで?なんで?」と彼らを質問攻めにしたいところですが、鳥語が話せないので、理由は分かりません。

ムナグロ18
どうして埼玉で越冬中? 「それはひ・み・つ!」 ムナグロ(冬羽)

ムナグロは5羽いて、気ままに歩き回り、採餌していました。

ムナグロ19

ムナグロたちは人間を全くといっていいほど恐れておらず、しばらくの間、観察しているとあることに気がつきました。
「ムナグロたちは、自ら望んであえて人間の近くで採餌している」ということに。
別の場所に飛び去っても、必ず人間の近くで採餌しており、人と適度な距離を保っているのです。

理由は・・・そう、猛禽類対策です。河川敷は開けているので、多くの猛禽類が上空を飛翔しており、人間の近くは安全!ということで、あえて人間のそばにいるのですね。こんなことぐらいしか、人間はあまり役に立つ機会がないので、大いに利用して!と言いたくなりました。

ムナグロ20
「猛禽類は怖いんだよ」

ムナグロ21
「人間の近くはわりと安全!」

名残惜しいのですが、そろそろ帰ることにし、車で出口を目指して進んで行くと、道端に1羽のムナグロを発見。先ほど出会った群れの一員で、その距離わずか2メールほど。

「さすがにこの距離だと逃げるだろうなー」と思いつつ、車の窓を開けると、やはりムナグロは警戒モードに入ったようで、動きが停まりました。

ムナグロ22
ムナグロとの距離はわずか2メール!やはり警戒モード?

「あ~、飛び去るか?」と思いきや、何としゃがみこんで、うたた寝を始めました!

ムナグロ23
しゃがみこんで、この後うたた寝開始! ムナグロ

これにはビックリ!人間に対して、そこまで安心感を持っているのかと思うと、何だか嬉しくなりました。

厳しい冬を頑張って乗り越え、春になると、ここから繁殖地のツンドラ地帯を目指し旅立つのですね。次はいつ、どこで会えるかな?ムナグロさんたち、お元気で!チュ!

<余談>
越冬地ではない場所でムナグロが越冬している、ということは、これも何か異変が起きているということなのかなー。この冬は、多くの冬鳥たちが日本に渡来しなかったし、何が原因か気になるところです。

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<ムナグロを脅かすもの>
繁殖地、越冬地の環境破壊:生息地がなくなります。

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空中停止(ホバリング)の名手 チョウゲンボウ

野鳥の世界 チョウゲンボウ

空中のある1点に留まり、ねらいを定めて獲物を捕らえるチョウゲンボウ。今回は、チョウゲンボウの空中停止(ホバリング)を間近に観察する機会がありましたので、その紹介です。

強風の日は、あまり野鳥の姿を観察できないのですが、ダメ元で出かけてみることに。案の定、最初に訪れた公園では、ほとんど野鳥の姿を観ることができませんでした。が、あきらめずに、次は河川敷に行ってみることにしました。

車で土手を下る途中、「あれ何?」とたーさんが言います。たーさんは、カラスに異常反応を示すので、どうせーまたカラスだろうと思い、何気なく目をやると、数メートル先にじっと浮いているハトぐらいの大きさの野鳥がいます。

「ん?宙に浮いている?」空中で器用に静止できる野鳥なんて、そうそういません。しかもこんな強風の日に。あれは、間違いなくチョウゲンボウ!
チョウゲンボウは、ほぼ目線の高さにいて、その距離わずか5メートルほど。早起きしたせいか、少し前まで睡魔と闘っていたのですが、ここで一気に目が覚めました。宙に浮いている姿を、ぜひとも撮らせてもらいたい、と慌ててパシャリ。

チョウゲンボウ9
2012年1月 埼玉県とある河川敷 チョウゲンボウ

目を開けていると、とめどなく涙が流れるほどの強風の中、チョウゲンボウは何とかバランスを保ち、1点に静止しようとしています。

チョウゲンボウ10
強風の中、1点に留まるチョウゲンボウ(メス)

バランス感覚が優れていなければ、とてもできない芸当です。

チョウゲンボウ11
ものすごいバランス感覚です!

この強風の中でのハンティングはかなり難しいようで、チョウゲンボウは場所をいろいろ変えて、急降下を繰り返し、何度も獲物を狙っていました。

チョウゲンボウ12
「他の場所でもチャレンジしてみようっと!」

猛禽類は、オス、メスに関係なく、飛翔姿がとてもカッコいいですね。

チョウゲンボウ13
「私は女性ですが、なかなか素敵でしょ?」

チョウゲンボウ14
男性顔負けの勇ましい姿!

あっちでチャレンジ、こっちでチャレンジのチョウゲンボウ。なかなか餌を捕えられないようで、空中停止とハンティングシーンを長時間にわたり披露してくれました。

チョウゲンボウ15
「今日のハンティングは時間がかかるわねー」

チョウゲンボウ16
「でも頑張るわ!」

立っていられないほどの強風でも、チョウゲンボウのホバリングは健在でした。さすが、空中停止の名手です。改めて、感心させられました。
またいつか、見事なホバリング姿を見せてくださいね、チョウゲンボウさん!チュ!

<余談>
猛烈に寒い日や強風の日、普通なら「家でじっとしていよう!」となると思います。好き好んで「よし、吹きっさらしの河川敷に行ってみよう!」という人は、そうそういないでしょう。でも、そんな日だからこそ、いろんな発見があったりします。この河川敷では、多くの野鳥がうろちょろしていました。ぱっと見、何もない!と思える場所ですが、よ~く観ると、多くの生き物が生息していたのです!
厳しい冬を乗り越えようと、必死で生き抜いている彼らの姿に改めて感動した日でした。

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<チョウゲンボウを脅かすもの>
河川・農耕地・草原の減少:生息場所がなくなります。

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西表島探鳥旅行記 2011年3月 第7話

野鳥の世界 西表島探鳥旅行記 2011年3月 3日目の続き

再び強風エリアに戻り、探鳥を続けます。

北部周辺 午前11時20分~午後0時頃。

水田のほとりに小さな野鳥を発見。とても長いくちばしを持つ、タシギです。タシギは警戒心が強いので、水田の真ん中にはやって来ず、すぐに逃げ込める草むらがある場所で2羽で採餌していました。

タシギ7
タシギ

車で移動していると、電柱に猛禽類の姿が。サシバ(絶滅危惧種)です。この時期だと、越冬中か、北の繁殖地へ向けての渡り途中のどちらでしょうか。

サシバ28
サシバ

北部の集落 午後0時10分~0時40分。

最後に、またしても集落を探鳥することに。もう昼なので、この時はシロハラクイナ、シロハラ、リュウキュウキジバトの姿を見かけただけでした。

シロハラクイナ17
シロハラクイナ

白浜港周辺 午後1時頃~2時頃。

白浜港付近の水田には、ダイサギとコサギがいて、草むらでジョウビタキ(オス)を見かけました。

ダイサギ15
ダイサギ

コサギ14
コサギ

白浜港にイソヒヨドリのメスが。

イソヒヨドリ24
イソヒヨドリ(メス)

海岸沿いは、ものすごい強風ですが、景色はきれいです。

西表島18
砂浜の風景

最後に上原港付近の畑を探鳥してみることに。そこにはチョウゲンボウがいたのですが、写真は撮れず。

ここで、時間切れです。
初春の西表島では、この時期にしか出会うことができない野鳥たちや、昨年出会った同じ野鳥も姿を現してくれました。ありがとう、西表島の野鳥たち、またお会いしましょう!チュ!

<余談>
2011年3月、1000年に一度といわれる大震災が発生。
今回の旅では、西表島の大自然のパワーを感じつつ、文明に頼りすぎたツケを深く考えさせられました。
原発問題については、今後、何十年、何百年もかけて、環境を著しく汚染してしまった代償を払い続けないといけないでしょう。人間以外の全ての生き物に対し、謝罪の念を持って。

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西表島探鳥(2010年)の関連記事「西表島探鳥旅行記 2010年5月 第1話」はこちら

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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