このくちばしが目に入らぬか! ハシビロガモ

野鳥の世界 ハシビロガモ

一目見たら忘れられないような、インパクトの強いくちばしを持つ、ハシビロガモという鳥さんがいます。カモ類の仲間の野鳥で、夏季は北海道で少数、冬季は本州以南で多く観察することができるようです。

今回は、このハシビロガモのお話です。

他人の顔を覚えるのに、どこかに特徴があると大変覚えやすいですが、野鳥も同様で、ハシビロガモはそのくちばしのおかげでバッチシ記憶に残ります。ハシビロガモのくちばしは・・・まるでシャベル!これで、他のカモ類と間違えられることは、まずないでしょう。

とある冬の寒い日、干潟で5羽のハシビロガモを見かけました。ハシビロガモの体長はオスが約50cm、メスが約43cmあるので、見つけやすいです。風が大変強く、水面がユラユラ状態でしたが、ハシビロガモたちは、仲良く食事をしていました。

ハシビロガモ1
2012年1月 千葉県谷津干潟 ハシビロガモ(左:オス、右:メス)

カモ類のオスの繁殖羽はとても美しく、ハシビロガモのオスも綺麗な羽色をしています。しかし、いったんくちばしに目がいってしまうと、そこに釘付けとなってしまい、「きれいだな~」という印象はすっとんでしまいます。

ハシビロガモ2
面白いくちばしに釘付け! ハシビロガモ(オス:繁殖羽に換羽中)

「どうだ!」といわんばかりの大きくて幅の広いくちばしに目が離せません!

ハシビロガモ3
「このくちばしが目に入らぬか!」 ハシビロガモ(オス:繁殖羽)
ははぁー、恐れ入りました。

ハシビロガモの採餌方法は、このシャベルのようなくちばしを水面につけたまま、数羽で円を描きながらプランクトンや植物の種子などを水面に舞い上げ、こしとりながら食べるそうです。

ハシビロガモ4
「くちばしを水面につけたまま、食べるんだよ!」

たくさん食べ物を口に入れるには、広いくちばしの方が有利なのでしょうね。

ハシビロガモ5
「くちばしは大きい方が有利!」

カモ類のメスは別種であっても似た羽色を持つ鳥さんが多いため、「誰?」と思うことがありますが、ハシビロガモのメスは迷う必要ありません!くちばしを見れば一目瞭然ですから。

ハシビロガモ6
ハシビロガモ(メス)

そうです、ハシビロガモのメスのくちばしの形状は、オスと同じなのです!

ハシビロガモ7
「このくちばしが目印よ!」 ハシビロガモ(メス)

ハシビロガモたちは、春になり、北方の繁殖地へ向けて旅立つその日まで、この干潟で越冬するのでしょうね。この冬は大変寒くなるそうなので、寒さに負けず頑張って生き抜いてください。お元気で!チュ!

<余談>
冬の干潟や沿岸部は、風が強いので相当寒いです。体がカチンコチンに固まってしまうような寒さの中、野鳥たちは一向に平気な様子で、採餌したり、眠ったりしていたので、改めて野鳥たちの強さを思い知らされました。
身一つで水の中にいるっていうだけでも、すごいことです。あーちゃんだと間違いなく凍死します。そう考えると、人間の体って、結構もろい造りですねー。もっと頑丈だったら、野鳥たちと一緒に寒中水泳ができたかも?

<ハシビロガモを脅かすもの>
河川・湖沼・干潟の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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華麗なる氷上ウォーク アオサギ

野鳥の世界 アオサギ

とある寒い冬の早朝、池の真ん中にアオサギが立っています。水の中に立っているだけなら何ら不思議はないのですが・・・。さて、下の写真でおかしなところはどこでしょうか?

アオサギ12
2011年12月 埼玉県北本自然観察公園 アオサギ(冬羽)

そうです、このアオサギは水の上に立っています。実は、この池の水は凍っており、アオサギは、その上に乗っかっているのです・・・。今回は、氷が割れないかとこちらの心配をよそに、スタスタと氷上を自由自在に歩きまわるアオサギの紹介です。

全長約95cmもあるアオサギ。あの巨体で氷の上を歩いて大丈夫なのでしょうか?

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氷の上を歩くアオサギ

滑ることもこけることもなく、順調に氷の上を歩いています。

アオサギ14


アオサギは大型の野鳥なので結構重いのでは?と思いますが、体重は何と約1~2kgしかないそうです。空を飛ぶためには、やはり体重は軽くないといけないのですね。

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驚くべき体の構造のアオサギ

長身・軽量のアオサギ。モデルさん並の体型で氷の上をスタスタスタ!アオサギの華麗なる氷上ウォークの一部を動画で紹介します。


華麗なる氷上ウォーク アオサギ(動画 18秒)

氷の上を歩きまわった後はお食事、といきたいところですが一つ問題が。このアオサギ、氷の下の獲物を狙っているようです・・・。

アオサギ16
氷の下の獲物を狙い、ハンティングポーズをとるアオサギ

鋭い大きなくちばしを持つアオサギといえども、氷を突き破って獲物を捕らえるのは無理でしょう。しばらく考え込んだ後、アオサギは再び氷上の中央へ向かい、歩き始めました。

アオサギ17
氷上ウォーク再開!

約2時間経過後、アオサギの様子をチェックしてみると・・・休憩中でした!さすがにあれだけ歩きまわると、疲れたのでしょう。

アオサギ18
お疲れさま!

休憩中も氷の上、というのが気になりますが、解けたら解けたで大丈夫なのでしょう。アオサギは泳ぐこともできるそうですし。

こちらでは池全体が凍ることは稀なので、氷の上を歩きまわるアオサギの姿を初めて観ましたが、なかなか器用に歩くものだと感心させられました。

寒さに負けず、またいつかモデルさんのような華麗なる氷上ウォークを見せてくださいね、アオサギさん!チュ!

<余談>
この日は、朝の気温が氷点下だったので、寒すぎて野鳥たちはまだ活動していないかと思ったのですが、寒さに負けず、元気に氷の上を歩くアオサギを見かけ、思わず笑ってしまいました。野鳥たちはこちらが思っている以上に逞しいのかもしれません。
ちなみに、寒さに弱いあーちゃんは、この日はホッカイロを4つも体に貼り付け、寒さに打ち勝ちました!が、ちっとも逞しくないですね

アオサギの関連記事:
「気分は白鳥? 泳ぐアオサギ」はこちら
「主役は君だ! アオサギ」はこちら
「北から南まで自在に出没! アオサギ」はこちら

<アオサギを脅かすもの>
河川・湖沼・水田・湿地等の減少:生息場所がなくなります。
人による捕獲:害鳥として駆除されることがあるようです。

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見事な変身 ゴイサギ

野鳥の世界 ゴイサギ

幼鳥と成鳥とでは別種?と思えるほど体色が変化する、ゴイサギという鳥さんがいます。サギの仲間の野鳥で、東北地方では夏季、南西諸島では冬季、北海道を除くそれ以外の地域では周年観察することができるようです。

今回は、このゴイサギのお話です。

ゴイサギは昆虫も捕食するそうですが、主に両生類や魚類などを食べるので、水辺付近で見かけることが多いです。体長は約57cmとわりと大きめの野鳥なので、目につきやすいです。

何故かゴイサギの幼鳥を見かける方が多いのですが、幼鳥は褐色に白斑があります。

ゴイサギ2
2011年1月 埼玉県とある公園 池のほとり ゴイサギ(幼鳥)

この白斑が星のように見えるということで、ゴイサギの幼鳥は「ホシゴイ」とも呼ばれます。南西諸島の貯水池のほとりで、ゴイサギの幼鳥を発見。

ゴイサギ3
2011年4月 沖縄県伊良部島 ゴイサギ(幼鳥)

ゴイサギ4
「ホシゴイ」と呼ばれるゴイサギの幼鳥

連日40度近くの猛暑日が続いていた夏のとある日、たまたま水辺に目をやると、小川のほとりに佇んでいる3羽の野鳥を見かけました。よ~く観るとアオサギが1羽、ゴイサギ(幼鳥)が2羽。こうも暑いと、野鳥たちの姿をあまり見かけないのですが、水辺の木陰で涼んでいたりするのですね。

ゴイサギ5
2011年8月 埼玉県秋ヶ瀬公園
ゴイサギの幼鳥(左2羽)、アオサギ(右)

このゴイサギ(幼鳥)とアオサギは、親子?と間違えるほど、とっても仲良しに見えました。アオサギは獰猛といわれますが、この時は一度たりともゴイサギ(幼鳥)を脅す素振りはありませんでした。気立ての優しいアオサギもいるのかも。

ゴイサギ6
ゴイサギの幼鳥(両端)、アオサギ(中央)

次は、寒い寒いとある冬の早朝、凍った池の上に白っぽい野鳥を発見。確認すると・・・ゴイサギの成鳥です。ゴイサギは夜行性なので、そろそろねぐらに帰る頃なのですが、置物のようにぼぉ~として全く動きませんでした。あまりの寒さに固まっている?

ゴイサギ7
2011年12月 埼玉県北本自然観察公園 ゴイサギ(冬羽)

ゴイサギの成鳥は目が赤いです。首が短く、面白い体型ですね。

ゴイサギ8
首が短い!

幼鳥と成鳥とでは、別の鳥?と思えるほど、見事な変身ぶりのゴイサギさん。いつか、ぼぉ~としている姿ばかりではなく、夜間の活動的な姿も見せてくださいね、チュ!

<余談>
幼鳥と成鳥とでは、体色が全く異なる野鳥たちの中で、ゴイサギは代表的な鳥さんだと思います。ホシゴイの存在を知らなければ、ほぼ間違いなく、別種と思ってしまうでしょう。
幼鳥時は、褐色の目立たない体色の方が生存率が高まるというのは理解できますが、白斑は何のためにあるのでしょうね。ただの褐色だけでも事足りる気がするのですが。それだけではつまらない、ということで白点を星のように散りばめてみた?ん~、自然界の色彩ルールは奥が深いです。

ゴイサギの関連記事「カメと対決? ゴイサギ」はこちら

<ゴイサギを脅かすもの>
河川・湖・池沼・水田の減少:生息場所がなくなります。

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ご近所さん ベニマシコ

野鳥の世界 ベニマシコ

今の街に住み始めて、はや十数年。空地や畑がどんどん住宅に変わり、野鳥たちの姿もめっきり減ってしまいました。そんな中、あーちゃん宅から徒歩でわずか20分ほどの場所に、赤い鳥を発見!今回は、越冬中のベニマシコに近所で出会った際のお話です。

2011年11月頃、湖のほとりをブラリと探鳥中に、「フィッ、フィッ」という鳴き声が聴こえてきました。「まっ、まさか!」と思い、声の主を探してみると・・・ベニマシコのオスを発見。

以前、この湖では大規模な工事がおこなわれており、その後、何年もかけて、少しずつ、野鳥たちが姿を現すようになってきていました。
けれども、ベニマシコをこの場所で見かけるのは初めてです。そこは、とっても小さなアシ原で、水位が増すと水没しそうなぐらい微妙な環境・・・。「とても越冬できると思えない。渡りの途中に立ち寄っただけ?」

ベニマシコ14
2011年11月 埼玉県とある湖 ベニマシコ(オス)

この時出会って以来、何度か鳴き声を聴いたけれど、姿は見えず。その後、大雨の影響で水位が上昇し、アシ原の一部が水没してしまいました。そして、それっきり、ベニマシコの気配を感じることはできず。「あ~、やはり、この場所での越冬は無理だったか・・・」と残念に思っていました。

2012年1月、同じ場所を通りかかった際、数名のバードウォッチャーがいることに気づき、「もしや?」と思い観察していると、あの「フィッ、フィッ」が聴こえてきました。「いる!彼は、まだここにいる!」

ベニマシコ15
2012年1月 埼玉県とある湖 ベニマシコ(オス)

前回の出会い以来、数ヶ月経過後もまだ居るってことは、どうやら、この地を越冬場所に決めていたようです。

ベニマシコ16
ご近所へようこそ!

ベニマシコのオスは、ちょうど食事中で、しばらく同じ場所で姿を見せてくれました。

ベニマシコ17
「モグモグ」

その後も、何度かこのベニマシコのオスを見かけましたが、他に仲間はいないようで、いつも独りでした。
「この小さなアシ原で、単独で越冬決行中?」とちょっと心配しつつも、この地を越冬地に選んでくれた、ということをとても嬉しく思いました。

まだ冬は長いですが、頑張って生き抜いて、来年もご近所に戻ってきてくださいね、ベニマシコさん、チュ!

<余談>
年末年始と山林、公園、干潟と様々な場所を探鳥しましたが、冬鳥たちのあまりの少なさに、ただただ驚くばかり・・・。野鳥の世界に何が起こっているのでしょうか?
渡りが大幅に遅れている?猛暑の影響による餌不足で前回の冬を生き残れなかった野鳥が多かった?大地震の影響?
様々な原因が複合的に絡み合っているのでしょうが、この現象は明らかにおかしい!と思います。次の冬こそは、たくさんの冬鳥たちで賑わってほしいです。

ベニマシコの関連記事:
「赤い鳥を探して ベニマシコ」はこちら
「ひそかにモグモグ ベニマシコ」はこちら
「真っ赤な恥ずかしがり屋 ベニマシコ」はこちら


<ベニマシコを脅かすもの>
灌木地、農耕地、藪の消失:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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幸せのおすそ分け コハクチョウ

野鳥の世界 コハクチョウ

鳥インフルエンザ問題が勃発して以来、埼玉県内のとある町で白鳥への餌やりを中止してから数年経過。その後の白鳥たちの飛来状況を確かめるべく、約2年にぶりにその地を訪れてみました。そこで目にしたものは・・・。今回は、試練に負けず、逞しく生き抜くコハクチョウたちの紹介です。

冬場、餌場をあてに子連れで飛来するコハクチョウたちですが、「餌やり中止の状況で生き抜くことができただろうか?」とずっと気になっていました。
おそるおそる土手に上り、川を見下ろしてみると・・・いました!数十羽のコハクチョウの群れが。無事、生き延びることができたのだと、ほっと一安心。

コハクチョウ4
2011年12月 埼玉県 とある町 コハクチョウの群れ

この場所は、ツンドラ地帯から約4,000kmもの旅をしてたどり着いた大切な越冬地です。

コハクチョウ5
長旅、お疲れさま!

コハクチョウたちの様子を観察していると、長旅を終え、大勢の仲間たちと過ごすこの瞬間をとっても楽しんでいることに気づきました。彼らの表情が、とっても幸せそうなのです!

コハクチョウ6
「無事にたどり着いてよかった、よかった!」

コハクチョウ7
「いい天気で気持ちいいね!」「ホントホント!」

コハクチョウ8
「バシャ、バシャ、バシャ!あ~楽しい!」

中には仲間にちょっかいを出して、くちばしで突っつくコハクチョウも。

コハクチョウ9
「ガブッ!」

突っつかれた方は一向に平気な様子でした。歯がないから、痛くないのでしょうね。

その年生まれのグレーの幼鳥を引き連れたコハクチョウファミリーは、行動をともにするので、どれが家族か分かりやすいです。

コハクチョウ10
「みんな、集合!」と号令をかける親(左)、「は~い!」と子供(中央3羽)

コハクチョウファミリーたちの表情は、とっても穏やかで幸せオーラがにじみ出ている感じでした。無事、家族でこの地へ飛来できたことに、ほっとしているのでしょう。

コハクチョウ11
コハクチョウファミリー

親鳥の表情はとっても、満足そうです。

コハクチョウ12
「子供たちはよく頑張った!」と満足げな表情の親(手前)

厳しい生存競争の中にあっても、仲間との絆、家族との絆を大切にし、逞しく生き抜くコハクチョウたち。今、日本も大変な試練に晒されていますが、彼らから学ぶべきことは多いような気がします。

コハクチョウさん、あなたたちの逞しさ、幸せオーラを、我々人間にもおすそ分け!してほしいです、チュ!

<余談>
ここ最近はめっきり寒くなりましたが、冬の訪れが遅かったせいか、冬鳥たちの飛来状況がかなり遅れているようでした。
地球温暖化が進むと渡り鳥たちの飛来時期、生息数にも変化が現れ、やがては生息数が減少に向かうことになると言われています。

野鳥たちが棲めない環境には、人間も住むことができないので、よくよく考えて行動していかないと手遅れになるでしょう。野鳥たちは自分たちの姿を通して、さまざまなことを我々人間に教えてくれていますので、いかに多くの人がそれに気づくことができるか?がとっても重要だと思います。

コハクチョウの関連記事:
「駄々っ子を探せ! コハクチョウ」はこちら
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<コハクチョウを脅かすもの>
繁殖地、中継地、越冬地の環境汚染:繁殖地、中継地、越冬地の環境が整っている必要があります。
水田の減少:越冬地では、稲を刈り取った後の二番穂も食べるそうですので、水田が減るとえさ場も減少することになるようです。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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