夏の田園も大好きさ! サシバ(絶滅危惧種)

野鳥の世界 サシバ

田んぼが減り、農薬の使用も重なり、餌のカエルなどが減少し、生息数自体が激減してしまった野鳥の代表ともいえるサシバ。今回は、サシバの貴重な夏の繁殖地を訪ねる機会がありましたので、その紹介です。

冬季、南西諸島で渡りの途中や越冬中のサシバには出会う機会はありましたが、夏季はとんと見かけません。(埼玉でも一部の地域では繁殖しているようですが)

サシバの子育てに適した環境とは・・・農薬を散布していない田んぼで、カエルやバッタなどの生き物が豊富にいる場所です。長野県のとある村で、サシバが繁殖しており、村をあげて保護している、という情報を見かけました。
その村の環境をぜひとも見てみたい!と思い、行ってみることにしました。

夜中に出発し、目的の村には午後に到着。山裾に集落があり、見渡す限りの田んぼが広がっています。はてさて、この村に本当にサシバがいるのでしょうか?適当に車で走ってみることに。

猛禽類が上空を飛翔しています。「おっ!サシバかな?」と確認すると・・・トビでした。
次に、地面に下りている猛禽類を発見!「今度こそ!」と確認すると・・・トビです。
枝に止まっている猛禽類が。「あれこそは!」と確認すると・・・またしても、トビです。

ここは、どうやらトビの村のようで、サシバの姿は全く見当たりません。
「こんなにトビが多くいる村に、サシバが生息できる余地はあるのだろうか?」と、疑問がわいてきました。

村をあげて保護しているぐらいだから、村の方に尋ねれば分かるだろうと、村役場へ行ってみました。が、休日なので入口は開いているものの、誰もいません。その代わり、パンフレットがたくさん置いてあり、観光案内所を発見したので、そこへ行ってみることに。

「あの~、この村にサシバがいるそうですが、どこで観察できますか?」と受付の方に質問すると、「差し歯?」と怪訝そうな顔をされたので、「サシバという鳥です」と説明しました。

「村をあげての保護のはずなのに、観光案内所の方がご存じない!」とは、かなり雲行きが怪しくなってきました。案の定、受付の方は、どこかへ電話をかけ始め、サシバのことを聞き始めました。

そして、「サシバは子育てが終わったので、どこにいるか分かりません。子育てをしていた場所も、(今後)カメラマンが近づきすぎて子育てを放棄することがあるため、教えることはできません」とのことでした。
「(マナーが悪い方もいるので)それなら仕方ないですね、分かりました」と、サシバ保護のためには止むを得ない、と観光案内所を後にしました。

繁殖地であることは間違いない、一部の方が保護していることも間違いない、ということは分かったものの、「せっかくここまで来たのに、サシバには会えずじまいかー。せめて、元気な姿を見せてもらいたかったなー」と、思いながら、車で進むこと約数分。

「あれ、何?」とたーさんが、田んぼの中にポツンと立つ電柱を指さしました。電柱のてっぺんに何かがいます。「ん?トビより断然小さい!もしや、サシバ?」と双眼鏡で確認すると、ビンゴ!でした。何ともまぁ、会いたかったサシバが、すぐそこに!

サシバ21
2011年7月 長野県 とある村 サシバ

電柱のてっぺんに、サシバがで~んと止まっているこの光景は、冬季の南西諸島ではお馴染みです。夏も、同じ姿で、周囲を見回しています。

サシバ22
カエルでも探しているのでしょうか?

サシバが好む環境とは、周囲に山林あり、無農薬と思われる田んぼあり、といった里山の風景でした。

サシバ23
この風景の中にサシバがいます。電柱のてっぺんに!

サシバは羽をプルプルしたり、足の指で器用に頭を掻いたりしていました。


夏の田園風景 サシバ(動画 50秒)

この日は、とても暑かったせいか、サシバは頻繁に口を開けていました。

サシバ24
「あ~、暑い!」 サシバ

現在、生態系に配慮した無農薬の田んぼを増やす取り組みが始められており、その数が増えつつあるようです。昔のように、サシバを普通に見ることができる時がくれば、健全なる生態系に戻りつつある、ということになるのでしょう。その日が待ち遠しいです。

サシバ25
この光景が普通になる日は、いつのことやら?

野鳥は環境のバロメーター。その代表ともいえるサシバに繁殖地で出会えたことは、この上ない貴重な体験でした。いつか、自宅近辺でも会えることを楽しみにしています、サシバさん!チュ!

<余談>
野鳥に近づきすぎたり、追いかけまわしたりするカメラマンの方を見かける機会が増え、常日頃、残念に思っていたのですが、今回、「サシバの居場所を教えることができない」と言われたことで、マナーの悪い方が増えた、というのを、より実感させられました。

野鳥観察は、目立たない服装で遠くからそっと、を心がけない限り、観察できるチャンスを自ら失ってしまうってことですね。気をつけましょう!

サシバの関連記事:
「カラスとの壮絶バトル サシバ(絶滅危惧種)」はこちら
「青空がお似合い サシバ(絶滅危惧種)」はこちら

<サシバを脅かすもの>
農耕地・水田の減少:狩り場が減少しているようです。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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優良物件はどっち? ミソサザイ 第2話

野鳥の世界 ミソサザイ

「優良物件はどっち? ミソサザイ 第1話」の続きです。

山林の渓流沿いをさらに上流へ進んで行き、ベンチ付の休憩場所の横を通り過ぎようとした瞬間、床下から「ピュル」と声が聴こえました。「ん?」と思い、薄暗い床下を眺めてみると・・・いました、小さい小さいミソサザイが!

ミソサザイの姿を眼で追っていくと、ボール状の草の塊の中にピョンと飛び込みました。えーっと、この塊は・・・巣?
その場所は、遊歩道からわずか1メートルほどしか離れていません。ミソサザイは、人を恐れないと言われていますが、こんなに近い場所に営巣するとは、驚きです。

ミソサザイ7
2011年7月 奥多摩 とある山林
ミソサザイの巣:物件その2『高台荘』
遊歩道の人波、高台が、おすすめポイント!

その巣は、まだ外装が出来上がっていないので、このミソサザイはオスです。モゾモゾと動いて巣作りをしています。


ミソサザイの巣(高台編)(動画 33秒)

そして、巣作りの最中に、しっかり縄張り宣言もおこないます。

ミソサザイ8
「優良物件『高台荘』は、ここだよ!」

第1話で紹介した『岩穴荘』の主のさえずりが、『高台荘』の近りまで聴こえてきます。こうなるともう、鳴き合い合戦です。「高台荘の方が安全!」、「岩穴荘の方が頑丈!」と言っているのかわかりませんが、その時の様子を動画で紹介します。


ミソサザイの縄張り合戦(高台 VS 岩穴)(動画 41秒:音声有)
映っているのは『高台荘』の主、合間に聴こえてくる鳴き声は『岩穴荘』の主
(ザーという音は、渓流の音です)

ミソサザイ9
「あいつには負けないぞ!」 『高台荘』の主

ミソサザイのオスは、2つ以上の巣を作り、メスがその内の1つだけを完成させ、利用するそうです。今回紹介した『岩穴荘』と『高台荘』が実際に使用される巣とした場合、ミソサザイのメスは、どちらを選ぶのかなー。どちらがより営巣に適しているか、ミソサザイのメスに真相を聞いてみたいものです。

優良物件候補(巣)を披露してくれてありがとう、ミソサザイさん、今後の判定の行方が楽しみです!チュ!

<余談>
ミソサザイのメスになったつもりで、物件(巣)を検討してみると・・・あーちゃんなら、『高台荘』を選びます。夏季は集中豪雨の頻度が高いため、渓流沿いの『岩穴荘』は、ちょっと安全ではない気がします。『高台荘』は、ネズミなどの侵入が心配ですが、くちばしで突っついて、やっつければ大丈夫、かな?
どちらが優良物件か?は、やはりミソサザイのメスでないと分かりませんねー。

ミソサザイの関連記事:
「冬のダンス? ミソサザイ」はこちら
「特設ステージ ミソサザイ」はこちら

<ミソサザイを脅かすもの>
山林・渓流の減少:生息場所がなくなります。

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優良物件はどっち? ミソサザイ 第1話

野鳥の世界 ミソサザイ

オスは、高性能スピーカーを搭載したような見事な声量の持ち主、ミソサザイという鳥さんがいます。日本では最小サイズに位置付けられている野鳥で、冬季は低地、夏季は高山で観察することができるようです。

今回は、ミソサザイの話を2回に分けて紹介します。

ミソサザイは体長が約11cmしかないため、春~夏にかけて、オスが大声でさえずっている時が、最も姿を見つけやすいです。声を頼りに探してみると、じっと同じ場所で縄張り宣言をしているか、ピョンピョンと動き回って昆虫やクモなどを探しています。

ミソサザイといえば、尾をピンと上に立てるポーズに特徴があります。

ミソサザイ1
2011年6月 奥多摩 とある山林 ミソサザイ

ミソサザイは、名前が面白いです。「味噌サザエ?」と間違えそうですが、「ミソ」は「溝」、「サザイ」は小さいという意味の言葉がなまったもの、だそうです。

本当に溝に入ったり出たりするミソサザイを見かけました。溝の蓋の隙間から中に入り、動き回っています。そして、蓋の上で元気よくさえずります。

ミソサザイ2
「この溝は、おいらのもの!」 ミソサザイ(オス)
溝好きとは珍しいね。

このミソサザイ、巣材集めの姿も披露してくれました。小さな体なので、運ぶのが大変そうです。

ミソサザイ3
「よっこらしょ!」

さて、ミソサザイは、どんな場所に営巣するのでしょうか?ミソサザイが好む山林の渓流沿いを歩いてみることに。

ミソサザイの大声が、あちらこちらから聴こえてきます。沢のほとりの岩陰に、素早く動く物体を発見。岩には横長の穴が空いています。双眼鏡で確認すると、サッ、サッと猛スピードで出入りするミソサザイの姿が。どうやら、ミソサザイはこの穴に巣を作っているようです。

ミソサザイ4
ミソサザイの巣:物件その1『岩穴荘』
沢沿いの心地よい音、頑丈な岩が、おすすめポイント!

巣穴にミソサザイが入る瞬間と周囲の風景の動画です。


ミソサザイの巣(岩穴編)(動画 20秒)

ミソサザイは、オスが巣の外装を担当し、メスが内装を担当するそうです。この時出会ったミソサザイは、巣作りの最中に、ソングポストでさえずる姿を披露してくれたので、このミソサザイはオス!です。

ミソサザイ5
2011年7月 奥多摩 とある山林
『岩穴荘』の主 ミソサザイ(オス)

ミソサザイ6
「稀少物件『岩穴荘』はいかが?」

この渓流沿いは人気が高いようで、このミソサザイにもライバルが出現しました。さて、勝負の行方はいかに?

「優良物件はどっち? ミソサザイ 第2話」へ続く

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緑色のハトがなる木 ズアカアオバト

野鳥の世界 ズアカアオバト

緑色の羽色が美しいズアカアオバト(チュウダイズアカアオバト)。今回は、早朝、眠りから覚めたばかりのズアカアオバトご一行様に出会った際の紹介です。

早朝探鳥に出かけた帰り道、道路脇の1本の枯れ木に、ズアカアオバト数羽が止まっているのを発見。つがいでいる姿を見かける機会は何度かあったものの、群れでいるのは初めて観ました。

チュウダイズアカアオバト8
2011年3月 沖縄県西表島 チュウダイズアカアオバト
左側の枝に3羽(メス)

チュウダイズアカアオバト9
右側の枝に2羽(前:オス、後:メス)

ズアカアオバトたちは、まだ起きて間もないのか、活動的ではなく、首を少し動かす程度でした。緑色のハトが1本の木に止まっている光景は、とってもきれいでした。その時の様子をちょっとだけ動画で紹介します。


緑色のハトがなる木 チュウダイズアカアオバト(動画 17秒)

ズアカアオバトは、群れで行動することが多いそうなので、きっと気立てが優しい鳥さんなのでしょう。でないと、群れでいられませんから。

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「私たちは、みんな仲良し!」 チュウダイズアカアオバト(メス)

チュウダイズアカアオバト11
「人間の世界はどうなのかなー?」 チュウダイズアカアオバト(メス)

ムムッ・・・人間の世界は・・・結構争いが多いかも。高等生物と言われているのに、おかしいなー。

チュウダイズアカアオバト12
「仲良くしなきゃー、だめだよ。我々みたいにね!」 はい、ごもっとも。

早朝のすがすがしい空気の中、爽やかな光景を見せてくれてありがとう、ズアカアオバトのみなさん!また、お会いしましょう!チュ!

<余談>
群れるのが好きな野鳥は結構多いですが、人間はどうでしょうか。人間が狭い場所に、むぎゅ~とばかりに集まるとどうなるでしょうか。

例えば、通勤時の満員電車。これは・・・いざこざが勃発しやすいです。
ぶつかっただの何だのと小づきあいを始める人、唾を人の頭に吐きかける人、立ったままピザを食べ始める人・・・とバードウォッチング以上にマンウォッチングに仰天させられるケースが多々あります。

そういった人間を生物的に分析してみると・・・気性が荒く凶暴な種、周囲の迷惑に気づかない脳に欠陥がある種、となるのかなー。
現在は、そのような種が野放し状態となっているので、なるべく人間は群れない方がよいのかもしれません。

それを考えると、群れで暮らす野鳥たちは、人間よりも、よっぽど協調性があるし、気立てがいいなーと感心します。
我々人間が学ぶべきことは、まだまだたくさんあるようですね。

ズアカアオバトの関連記事「ダークグリーンがご自慢 ズアカアオバト」はこちら

<ズアカアオバトを脅かすもの>
農耕地・森林の減少:生息場所がなくなります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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