忍法擬態の術 カシラダカ

野鳥の世界 カシラダカ

頭の羽がツンツンと立っている、カシラダカという鳥さんがいます。冬鳥として北方から本州以南へ飛来する、スズメの仲間の野鳥です。

今回は、このカシラダカのお話です。

冬の間、スズメの仲間の野鳥は、草の種子などを食べるために地面に降りていることが多いのですが、周囲と同化しているため、気づきにくいです。カシラダカの冬羽の模様も、素晴らしい擬態効果がありました。

カシラダカ1
2010年12月 埼玉県 とある里山付近 カシラダカ(冬羽)

草の上に止まっていると、まだ分かりやすいですが、一旦下に降りてしまうと、見つけるのは容易ではありません。

カシラダカ2
2010年12月 埼玉県 北本自然観察公園 カシラダカ(冬羽)
「私たちは、どこでしょう?」 う~む、忍法擬態の術か。なかなかやるな。

カシラダカは、興奮すると冠羽が立つと言われており、これが名前の由来になっているそうです。
冠羽が立つ → カシラが高い → カシラダカ!
何故か、頭の羽がツンツンしているカシラダカをみかける方が多いです。ハイテンションの子が多いってことでしょうか?

カシラダカ3
2010年12月 埼玉県 とある里山付近 カシラダカ(冬羽)
頭がツンツンだね!

カシラダカ4
2011年1月 埼玉県 北本自然観察公園 カシラダカ(冬羽)
こっちも頭がツンツン!

カシラダカ5
いつもハイテンション?

冠羽が立っていないカシラダカを初めて見かけた時、「模様はカシラダカだけど、頭がツンツンじゃーないし、誰だろう?」と、なかなか識別できませんでした。周囲には、カシラダカによく似た冬羽のオオジュリンが飛び交っていましたし、カシラダカの頭はいつもツンツンと思い込んでいましたし・・・。

カシラダカ6
2010年3月 渡良瀬遊水地 カシラダカ(夏羽に換羽中)
「いつもハイテンションってわけじゃーないよ。心安らかな時もあるさ!」
まっ、そりゃそーだ。

カシラダカ7
カシラダカの腰は、なぜかウロコ模様。ちょっと、おしゃれ?

カシラダカの渡来数は、ここ数十年で減少傾向にあるそうで、今年の冬はどうかなー?と心配していましたが、わりと見かけるので、ほっとしました。
「日本での待遇がよくないので、行くのやめようかなー」とは言わずに、今後も姿を見せてくださいね、カシラダカさん!チュ!

<余談>
冬は食べ物が乏しいので、野鳥たちが餌を探す時間が長くなります。そのため、天敵などに襲われる確率もぐ~んと高くなります。となると、目立たない羽色の方が断然有利ってことになりますね。多くの野鳥たちの冬羽が地味な理由は、生き残るために必要だからそうなった、ということですね。
カシラダカは、草むらに潜んでいることが多く、一斉に飛び立つと、「えっ!こんなにいたの?」と、驚くことが多いです。保護色ってすごいなー。

<カシラダカを脅かすもの>
草原・農耕地・アシ原の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
スポンサーサイト

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

見た目では負けないよ! ルリビタキ

野鳥の世界 ルリビタキ

「女性は強し ルリビタキ」の続きです。

山林で縄張り争いに敗れたオスのルリビタキ。その美しい姿を近くで見せてもらうこと叶わず、別の場所に探しに行くことに。

その日の朝も、凍えるような寒さでしたが、ルリビタキがよく現れる公園に行ってみることにしました。
午前7時30分頃、現地へ到着。一面霜だらけで、野鳥の姿は少ないです。ちょっと早すぎたようで、午前8時を過ぎた頃から、野鳥たちの鳴き声が聴こえ始め、姿を現し始めました。そして、ようやくルリビタキの「ヒッヒッヒッ」の声も響き始めました。

声を頼りに雑木林方面に進んで行き、探してみると、いました。雪景色ならぬ霜景色の中、一輪の青い花が咲いているように、佇んでいます。

ルリビタキ10
2011年1月 埼玉県 北本自然観察公園 ルリビタキ(オス)

やはり、ルリビタキのオスは、人気があり、姿を現すとすぐに、人だかりができていました。

ルリビタキ11
「今日は冷えるねー、朝からみんなご苦労!」

このルリビタキのオスの居場所に、ジョウビタキのオスが「突撃~!」とばかりに突っ込んできて、争いが勃発!追われて行ってしまったかと思いきや、何とか踏みとどまってくれていました。

前回出会ったルリビタキのオスは、メスに負けてしまったけど、今回出会ったオスは、ジョウビタキに勝った!ようです。

ルリビタキ12
「今度は勝者!」ルリビタキ(オス)

んー、この姿は、まさしく冬のアイドルですね。

ルリビタキ13
「見た目では、おばちゃん(ルリビタキ メス)に負けないよ!」

そうそう、その調子で、今度はメスにやっつけられない頼もしい姿を見せてくださいね、ルリビタキ(オス)さん、チュ!

<余談>
ルリビタキは、夏は高山で繁殖し、冬になると低地へ降りてくるので、出会いが増える冬は嬉しいですね。
ルリビタキは、可愛らしい姿とは裏腹に、かなり気が強く、出会った時は、よく威嚇されます。特にメスに!
歩道脇の柵などに止まり、こちらを向いて「カッカッカッ!」と鳴いている時は、ほぼ間違いなく、「ちょっと、ちょっと、縄張りに入らないでよ!」と言っていますが、すぐに通り過ぎるので、カッカッしないで、許してほしいなー。

ルリビタキの関連記事:
「にらめっこ最長記録 ルリビタキ」はこちら
「日の光を浴びて ルリビタキ」はこちら
「侵入者には、めっ! ルリビタキ」はこちら
「見る人を幸せにする青い鳥 ルリビタキ」はこちら

<ルリビタキを脅かすもの>
森林・里山の減少:冬場はオスもメスも個々に、なわばりを持つので広めの生息域が必要です。

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

女性は強し ルリビタキ

野鳥の世界 ルリビタキ

もし、同じ場所に大勢のルリビタキが現れたら、何が起きるのでしょうか?山林を散策中に、一度にたくさんのルリビタキに出会う機会がありました。今回は、羽色の違いなどとともに、2回に分けて紹介します。

ある冬の日の早朝、大変な寒さにもかかわらず、物好きにも山に登ろう!ということになり、早起きして行ってみることにしました。
山林に到着して早々、最初に登場してくれたのは、オスのルリビタキ。まだ若鳥で、色変わり途中でした。オスの若鳥は、メスの羽色にとてもよく似ています。次第に背中に青みを帯びて、あの美しい瑠璃色となるのですが、その色変わり途中のルリビタキでした。

ルリビタキ3
2010年12月 奥多摩の山林 ルリビタキ(オス:若鳥)

若鳥の背中は青色がまだらな感じです。いっちょ前になるには、もうしばらく時間がかかりそうです。

ルリビタキ4
「一人前の道は遠いなー」ルリビタキ(オス:若鳥)

お次は、メスのルリビタキの登場です。背中は褐色、腹部の脇がほんのりとオレンジ色です。オスに注目が集まりがちですが、メスの表情もとっても可愛らしいです。

ルリビタキ5
背中は褐色、腹部はオレンジ ルリビタキ(メス)

ルリビタキ6
「私もなかなかキュートでしょ?」ルリビタキ(メス)

そして、最も熾烈な縄張り争いが繰り広げられている現場を目撃!4~5羽のルリビタキとシロハラが、食べ物をめぐって争っていました。
そして・・・最も強かったのがこの方、メスのルリビタキです!

ルリビタキ7
「これは私のもの!」ルリビタキ(メス)

あのシロハラでさえ、このルリビタキのメスにはタジタジで、追い払われていました。

ルリビタキ8
「勝者は私!」

そして、最もかわいそうな立場に追いやられていたのが、このルリビタキのオス。メスにしこたま攻撃され、食べ物に近づくことすら許されず、遠くでオロオロするばかり。遠くのちんまいオスの写真がこれ。

ルリビタキ9
「恐いおばちゃん(ルリビタキ メス)がいるので、近づけないよ―」ルリビタキ(オス)

メスの方が年配なのか、オスがまだ若いのか定かではありませんが、とにかく、このメスは強かった。
野鳥の世界でも「女性強し!」ですね。可愛いだけじゃーなく、強くないと生きていけないのは、人間の世界と同じ?

とうとうこの山林では、おばちゃん?ルリビタキのおかげでオスの姿をちゃんと見せてもらうことができませんでした。瑠璃色の美しいオスの姿は、別の場所で見せてもらうことに。

「見た目では負けないよ! ルリビタキ」へ続く

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

古代の鳥 アリスイ

野鳥の世界 アリスイ

途中で進化がストップしてしまったようなアリスイという鳥さんがいます。キツツキの仲間の野鳥で、夏季は東北北部~北海道、冬季は本州中部以西で観察することができるようです。

今回は、この風変わりなアリスイのお話です。

おどろおどろしい背中の模様、とっても小さな目、ペロペロとした長~い舌を出しながらシューシューと威嚇する・・・姿から想像できる生き物といえば・・・ヘビ!そうです、アリスイは、ヘビにとってもよく似ているのです。

アリスイ1
2011年1月 埼玉県 秋ヶ瀬公園
背中の模様が爬虫類っぽいアリスイ

鳥類は目の大きな鳥さんが多いですが、アリスイの目の小さいこと!

アリスイ2
ポチンとあるかないかの小さな目

アリスイは、お世辞にもかわいいとは言えません。
にもかかわらず、アリスイは、とっても人気のある野鳥で、アリスイが現れると、大勢の人だかりが出来て、撮影会が始まります。この姿・形からアイドルになれたってことは、何とも不思議です。

別の公園でも、アリスイは人気者でした。あちらの枝、こちらの藪と、ゆっくりと動き回っていました。アリスイは体長約18cmとさほど大きくはないのですが、よ~く探してみると、藪の中をスローに動く姿などを見つけることができます。

アリスイ3
2010年12月 埼玉県 北本自然観察公園 アリスイ

アリスイは、アリが好物で舐めとって食べるところが、唯一キツツキかなー?という程度で、その他の行動は、一向にキツツキらしからぬ有りさまです。
例えば、キツツキ特有の垂直止まりはせず枝に水平に止まるし、自分で巣穴を掘ることはせず他のキツツキの古巣を使わせてもらっているし、他のキツツキは渡りをしないのにアリスイは渡りをするし・・・本当にキツツキの仲間?

アリスイ4
キツツキっぽくないアリスイ

敵を威嚇する時は、ヘビが発するような音を出し、ゆっくりと首をくねらせたりもするそうなので、アリスイは、本当に爬虫類っぽいです。
昔、鳥類は爬虫類から進化したそうですが、アリスイの姿を観ていると、「どうして進化をやめちゃったの?」と、聞きたくなります。ヘビに擬態することで、生き延びることができたのかなー?

アリスイ5
「これでも立派に生き残っているんだから、結果オーライ!」

何とも、古めかしい感じのする鳥さんですが、動きがスローなあまり、猛禽類に襲われることもあるようです。アリスイに出会った公園には、ハンターのモズがわんさかいて、シジュウカラシロハラを追い回していました。
くれぐれも、ハンターの標的にならないよう注意してくださいね、アリスイさん!チュ!

<余談>
アリスイは、確かに出会う機会は多くはありませんが、何故にあそこまで人気があるのか本当に不思議です。公園内で、「今日、どんな野鳥がいました?」と尋ねられた際、「アリスイがいましたよ」と伝えると、「えっ!アリスイ?」と、目の色を変え、喜びいさんで走り去るおばさまに出会ったこともあります。
大抵、野鳥はきれい、かわいいから好きという方が多い中、アリスイは異色の存在だなーと思います。あの「ヘビっぽい姿が魅力的!」なのでしょうか。まぁー、嫌われて駆除されるよりは人気者である方が、アリスイにとっては、ありがたいでしょうね。

<アリスイを脅かすもの>
林・農耕地・草原の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

私はど~こだ? ムラサキサギ

野鳥の世界 ムラサキサギ

「美人が台無し? ムラサキサギ」の続きです。

宮古島の北に位置する池間島には、湿原が広がっています。湿原を一望できる、野鳥観察小屋があるので、そこから野鳥を観察してみることにしました。(野鳥観察小屋といっても、屋根がないので、雨が降れば濡れます)

すぐに目につくのは、シラサギ類、水鳥数羽でした。「他に誰かいないかなー」と、双眼鏡で覗いていると、ちょっと不自然な光景があることに気づきました。

さて、ここでクイズです。不自然な箇所はどこでしょう?

ムラサキサギ8
2010年10月 沖縄県池間島
この中に、不自然な箇所が・・・。

ズーム。

ムラサキサギ9
何かが正面を向いています。

さらにズーム。

ムラサキサギ10
あっはっは!ムラサキサギが擬態しています!

それにしても、うまく周囲に紛れていますねー、感心、感心。野鳥の世界には、擬態名人が多いですね!ちょっとでも目をそらすと、どこにいるか分からなくなります。

横を向くと、どこにいるか分かりやすいですね。

ムラサキサギ11
横向きだとくちばしが長いため、居場所が分かりやすい!

その後、観察されていることに気付いたのか、飛び立ちました。

ムラサキサギ12
「あれま!見つかっちゃった!」 と飛び去るムラサキサギ

飛翔姿も美しいですね。うっとり。

ムラサキサギは警戒心が強いため、開けた場所にはあまり出て来ないそうです。今回出会ったムラサキサギも、水辺のほとりの草むらにひっそりと佇んでいたので、開けた場所は苦手のようですね。

自信満々で隠れているつもりだったムラサキサギさん、見事な擬態っぷりに笑ってしまいました!次回は隠れなくてもいいので、また姿を見せてくださいね!チュ!

<余談>
野鳥が逃げ去る時、いくつかの段階があります。
人間の姿を見ると逃げる、目が合うと逃げる、双眼鏡で覗くと逃げる、カメラを向けると逃げる、と。サギ類は、一番最後のカメラを向けると逃げる、というのが一番多い気がします。野鳥たちが恐がらないよう、かなりの距離でも撮影できる超望遠を使っているのですが、自分が注目の的になっていると分かれば、それなりに緊張するし、恐いのかもしれませんね。

一番いいのは、野鳥たちに見つからず、こちらが先に見つけて観察させてもらう方法ですが、視力のよい彼らの目を盗むのは、至難の業です。
いつか、野鳥の姿に変身できるグッズや、透明人間になれるグッズ(ブラインドが近いかな?)が登場するとよいなーと思います!

西表島で出会った、ムラサキサギの記事「パイナップル畑に擬態? ムラサキサギ」はこちら

<ムラサキサギを脅かすもの>
河川・海岸・水田・湿地の減少:生息場所がなくなります。

テーマ : 散策・自然観察
ジャンル : 趣味・実用

プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
驚きの鳥類の知能を紹介
全記事(数)表示

全ての記事を表示する

記事検索
野鳥名は、カタカナで検索!
歴代人気記事ランキングTOP20
RSSリンクの表示
応援エリア

ランキングに参加していますので、下のバナーをクリックしていただけると嬉しいです。


にほんブログ村 鳥ブログ 野鳥へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ
QRコード
QR
外部リンク
・絶滅危惧種検索

 

・癒し系の鳥さんブログ

 

・野鳥関連ブログ

 

・緑地関連ブログ