少数で越冬中 オジロトウネン

黄色く短い足でちょこまかと動き回るオジロトウネンという鳥さんがいます。シギの仲間の野鳥で、日本では主に秋の渡りの時期に観察することができるようです。本州中部以南では越冬もしますが、近年、その数は激減しているそうです。

今回は、このオジロトウネンのお話です。

とある日の午後、沼の周囲を散策中に、小さな野鳥2羽を発見。トウネンに似ていますが、足が黄色いです。ということは・・・オジロトウネン!

オジロトウネン1
2017年2月 埼玉県 とある沼 オジロトウネンが2羽

オジロトウネンの繁殖地はユーラシア大陸北部、越冬地はアフリカ・インド・東南アジアです。日本では、近年、越冬中のオジロトウネンに出会う機会はあまりないようなので、こんな所で出会うとは驚きです。

オジロトウネンの体長は約14cm、尾羽外側が白いことが名前の由来になっていますが、白い部分は飛翔時にしか見えないようです。

オジロトウネン2
足が黄色で尾羽外側が白いオジロトウネン(冬羽)

2羽のオジロトウネンは、水深の浅い岸辺近くで、せっせと食べ物を探していました。オジロトウネンの採餌方法は、くちばしを地表面につけながら、昆虫類や甲殻類を捕食します。

オジロトウネン3
獲物を探すオジロトウネン

オジロトウネン4
「食べ物はどこかな?」

と、せっかく岸辺付近で姿を見せてくれていたオジロトウネンですが、道路脇を勢いよく歩くおじさんに驚き、飛び去ってしまいました・・・。飛んで行った辺りを確認してみると、かろうじて、オジロトウネンたちの姿が見えます。

オジロトウネン5
遠くに飛び去ってしまったオジロトウネン

オジロトウネンが舞い降りた場所は水深が浅く、泥が見えています。そこでも、オジロトウネンたちは、採餌を始めました。

オジロトウネン6
食事再開!

この沼で越冬中のオジロトウネンたち。数少ない貴重な姿を見せてくれてありがとう!次の冬も、ぜひ日本で越冬してくださいね、チュ!

<余談>
「以前は普通に見られたけど近年ではまれ」といった野鳥があまりにも多いです。オジロトウネンもその1種です。
もし、タイムマシーンで過去に戻れるとしたら、野鳥がたくさんいた時代に戻ってみたいです。きっと、信じられないぐらい、生命力あふれる姿がそこにあるのでしょう。

オジロトウネンは淡水域の水深の浅い場所や湿泥地で採餌するため、開発などにより、そのような場所が、これ以上減らないことを願うばかりです。

<オジロトウネン脅かすもの>
水田・湿地・河川・湖沼の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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一匹オオカミ ミミカイツブリ

野鳥の世界 ミミカイツブリ

白と黒のコントラストがはっきりした冬羽の顔と赤い目に特徴がある、ミミカイツブリという鳥さんがいます。カイツブリの仲間の野鳥で、日本では冬季に観察できるようです。

今回は、このミミカイツブリのお話です。

ミミカイツブリの繁殖地は北欧・中央アジア・アラスカ・カナダなどで、越冬期は温帯の沿岸部にいることが多いようです。ミミカイツブリは、日本への渡来は遅め、繁殖地へ向けての出発は早めの鳥さんです。

ミミカイツブリの体長は約33cmで、潜水して魚類などを捕食します。夏羽では、耳のように見える金色の飾り羽が現れ、それが名前の由来になっていますが、観察したことのあるミミカイツブリは、冬羽ばかりです。

冬になると、時々、ミミカイツブリを見かけますが、湖の遠い場所にいることが多いため、写真を撮らせてもらう機会は少ないです。けれども、この冬は、珍しく、ミミカイツブリが岸辺付近に何度か姿を現してくれました。

まずは、強風の日に見かけたミミカイツブリ。波が荒く、すぐに見失うし、頻繁に潜るしで、撮影には一苦労でした。

ミミカイツブリ1
2016年11月 埼玉県とある湖 強風の日のミミカイツブリ

ミミカイツブリ2
すぐに潜水するミミカイツブリ  体の後方に足がついている

次は、曇りの日に見かけたミミカイツブリ。この時は、2羽いました。

ミミカイツブリ3
1羽目は、前回見かけたのと同じミミカイツブリ

ミミカイツブリ4
2羽目のミミカイツブリ

晴れの日に見かけたのは、また別のミミカイツブリでした。

ミミカイツブリ5
3羽目のミミカイツブリ

この湖には、少なくとも3羽のミミカイツブリがいることが判明。写真で比較してみると、顔の模様が少しずつ違っています。

ミミカイツブリ6
ミミカイツブリが3羽

ちなみに、冬羽のミミカイツブリとハジロカイツブリは、非常によく似ています。識別方法は、ミミカイツブリの顔は黒色と白色の境がはっきりしていて、くちばしは真っすぐで先端が白、ハジロカイツブリの顔は黒色と白色の境が不明瞭で、くちばしは少し上に反っている、という点をチェックします。

ミミカイツブリ7
ミミカイツブリ(左)、ハジロカイツブリ(右)

この2種の冬羽姿は似たもの同士ですが、生態はちょっと違っていて、ハジロカイツブリは群れで行動することが多いのに対し、ミミカイツブリは単独を好む一匹オオカミ的な鳥さんです。

ミミカイツブリ8
一匹オオカミのようなミミカイツブリ

そして、ハジロカイツブリに比べて、ミミカイツブリの日本への渡来数は、あまり多くないそうで、ようやく撮れたミミカイツブリのツーショット写真が・・・これ。遠い!

ミミカイツブリ9
ミミカイツブリのツーショット もうちょっと近くに寄ってほしい!

いたっ!と思ったら、すぐに潜ってしまうため、ミミカイツブリの観察は、なかなか大変でしたが、数日に渡って、観察させてもらうことができました。

まだ初冬ですが、すでに何度も姿を見せてくれてありがとう。これからが冬本番ですが、頑張って越冬してくださいね、ミミカイツブリさんたち!チュ!

<余談>
日本で観察することができるカイツブリ類は、カイツブリハジロカイツブリ、ミミカイツブリ、アカエリカイツブリカンムリカイツブリですが、運がよければ、5種とも、同じ湖で観察することができます。なかなかそのような機会がないのですが、1度だけ、5種とも、同時に観察することができました。カイツブリ類は、すぐに潜水するので、観察するには、ちょっと根気がいりました。

特にミミカイツブリは、離れた場所に3羽もいたため、写真を撮らせてもらうのに時間がかかってしまい、強風の中、薄着で粘っていたこともあり、その後、数日間は、鼻水が止まらなくなりました。防寒対策はしっかりと!ですね。

<ミミカイツブリを脅かすもの>
海岸・港湾・河口・湖沼の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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岸辺にひょっこり アカエリカイツブリ

野鳥の世界 アカエリカイツブリ

目はどこ?と言いたくなるほど、顔色からして冬羽がシックなアカエリカイツブリという鳥さんがいます。カイツブリの仲間の野鳥で、夏季は北海道、冬季は本州以南で観察することができるようです。

今回は、このアカエリカイツブリのお話です。

とある日の午前中、「誰かいるかな~?」と、湖の岸辺付近をチェックしていると・・・オオバンの群れの中に、見慣れない鳥さんがいます。はて?

アカエリカイツブリ1
2016年11月 埼玉県とある湖
オオバンと一緒に見慣れぬ鳥さんが(右)

よ~く見てみると・・・アカエリカイツブリです!

アカエリカイツブリ2
オオバン(左)、アカエリカイツブリ(右)

アカエリカイツブリの繁殖地はヨーロッパ・ロシア東部・カナダ・アメリカ合衆国などで、越冬期は南下して沿岸部にいることが多いようです。北海道では、水草のある湖や沼などを繁殖地として利用しているそうです。

アカエリカイツブリの体長は約45cmで、魚類などを捕食します。夏羽のアカエリカイツブリは首部分の色味が赤褐色で名前の由来にもなっているのですが、冬羽の姿は、それはそれは地味です。

アカエリカイツブリ3
地味な色合いのアカエリカイツブリ(冬羽)

その日は、くもり空だったせいもあり、どの写真を見ても、アカエリカイツブリの目がどこにあるのか分からないほど、顔の色味が暗いです。

アカエリカイツブリ4
目はどこ?

アカエリカイツブリ5
かろうじて目が分かる?

アカエリカイツブリ6
これまた目が分かりづらい

顔部分を拡大してみると・・・ようやく目を発見!

アカエリカイツブリ7
目、みっけ!

冬季、この湖で姿を現すアカエリカイツブリは、カンムリカイツブリの群れに紛れている場合が多く、しかも、通常は、非常に遠くにいるため、姿を見る機会は、なかなかありません。

カンムリカイツブリ4
カンムリカイツブリの群れ

その日は、何故か、カンムリカイツブリの群れから離れ、アカエリカイツブリは、岸辺付近にヒョッコリと姿を現してくれました。「オオバンの群れでも、まぁいっか!」という気分だったのでしょう!・・・?

わずか数分後には、アカエリカイツブリは、湖の彼方へと去って行きました。

アカエリカイツブリ8
あっという間に彼方へ・・・さようなら!

この湖で越冬するのか、さらに旅を続けるのか分かりませんが、頑張って、冬を乗り切ってくださいね。姿を見せてくれてありがとう、アカエリカイツブリさん!チュ!

<余談>
カイツブリの仲間は、夏羽は美しいのですが、冬羽はかなり地味で、別人(別鳥)のようです。アカエリカイツブリも、「夏羽はきれいなのになー。夏羽の姿が見たいなー」と、思わざるをえませんでした。夏季の北海道に行けば、アカエリカイツブリの夏羽の姿を観察できるかもしれませんね。いつか、見てみたいです!

<アカエリカイツブリを脅かすもの>
大きな湖沼・河川・海岸の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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仲間は大勢 ムナグロ

野鳥の世界 ムナグロ

夏季、北部のエリアで子育てをおこなった野鳥たちにとって、秋は、南の越冬地へ向けて移動する季節です。今回は、埼玉の田んぼで見かけたムナグロの群れのお話です。

秋、稲刈後の田んぼがあれば、「渡り途中の野鳥がいないかな~」と、ついつい車中(助手席)から探す癖がついており、今回は、遠くに白いサギ類の姿が目に入りました。「ダイサギチュウサギか?」を確認しようと双眼鏡でのぞいてみると・・・ダイサギのはるか後ろに茶色っぽい野鳥が佇んでいる姿が見えました。

ちょうど、信号待ちで車が停まっている状態だったので、急いで写真を撮ってみると・・・野鳥の群れのようです。

ムナグロ49
2016年9月 埼玉県 とある田んぼ 野鳥の群れ

車を停められる場所を探し、群れを観察してみると、田んぼの広範囲に野鳥が点在している様子が見えました。

ムナグロ50
ポツポツの黒っぽい点が野鳥 奥の畦にもたくさんいます

野鳥の数を数えてみると・・・約50羽!もいます。この野鳥の正体は、ムナグロ!でした。自宅周辺には広い田んぼがなく、埼玉では大きなムナグロの群れと出会う機会がなかったため、大感激です。

ムナグロたちは、非常に遠くにいるのですが、何とか写真をパシャリ。刈り取り後の稲の茎に隠れるようにして、ムナグロたちが佇んでいます。

ムナグロ51
稲刈りを終えた田んぼで佇むムナグロたち

ムナグロたちの羽色は、夏羽から冬羽へと移行中で、色味は様々でした。

ムナグロ52
黒っぽい夏羽が残っているムナグロ

ムナグロ53
黒褐色に変化つつあるムナグロ(前)

この日は、台風通過後で非常に暑く、口を開けているムナグロがたくさんいました。

ムナグロ54
暑さで口を開けているムナグロ(左、中央)

暑さと長旅の疲れのタブルパンチのせいか分かりませんが、ムナグロたちに動きはなく、ほぼ同じ場所でじっとしていました。体力温存に努めているのかも。

ムナグロ55
ほとんど動かないムナグロたち

今後、このムナグロの群れは、越冬地を目指し、さらに南下を続けることでしょう。

思いがけず、大勢で姿を見せてくれてありがとう。台風の発生が多くて大変ですが、無事、越冬地まで辿り着いてくださいね、ムナグロさんたち!チュ!

<余談>
地球温暖化が指摘され、自然災害が増えつつある昨今、渡りをおこなう野鳥たちにとっても、きっと試練の連続だと思います。
環境の悪化で生き物の数が減少すれば、間違いなく、人間にも、しっぺ返しがきますし、すでにその兆候は始まっているように思います。
渡り鳥たちは、いつまで、無事な姿を見せてくれるでしょうか。彼らの姿を見かけなくなる日がこないことを、願うばかりです。

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<ムナグロを脅かすもの>
水田・農耕地・草地・干潟の減少::生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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世代交代の神社の番人 アオバズク

野鳥の世界 アオバズク

夏季、子育てのため、毎年同じ場所に飛来して営巣していたアオバズク。この夏、異変が起きました。今回は、神社の番人として君臨したニューフェイスの紹介です。

昨年を除き、過去5年間、同じアオバズクが飛来していた神社があります。昨年は、いつもの営巣場所をムクドリに乗っ取られ、境内の別の大木で子育てをおこなっていたようで、アオバズクの姿を確認することはできず。

「今年はどうかな~?」と思い、神社へ行ってみると・・・アオバズクが長年使っていた巣穴からムクドリがひょっこり。ということは、またしても、一等地の営巣場所をムクドリが利用しています・・・。アオバズクはいずこへ?

それから数週間後、再び神社を訪れてみると・・・いました!アオバズクです!

アオバズク40
2016年6月 埼玉県とある神社 アオバズク(オス)

アオバズクは、いつもの営巣場所の近くにいます。巣穴を出入りするムクドリの姿は見当たらないので、どうやらムクドリの子育てが終わり、アオバズクが巣穴を利用できる状態になっていたようです。

アオバズクのメスは、すでに抱卵中のようで、このオスは、同じ場所に居座り、見張りをしていました。かなり眠そうで、目を開けることは稀です。

アオバズク41
見張り中のアオバズク(オス)

このアオバズクをよ~く観てみると、何か違和感が。いつも観察していたアオバズクと違う気がします。念のため、過去5年間飛来していたアオバズクの写真と比べてみると・・・全くの別鳥でした。

アオバズク42
左:過去5年間飛来したアオバズク、右:今年飛来したアオバズク

頭の形、顔の羽毛、くちばしの形、鼻孔など、かなり違っています。以前飛来していたアオバズクの方が断然イケメンです。今年飛来したアオバズクは・・・なんだか、おじいちゃんみたいです。

昨年飛来したアオバズクは、どちらだったのか分かりませんが、イケメンアオバズクは命を落としてしまった可能性が高いです。そして、このおじいちゃんアオバズクが、新しい神社の番人となったわけですね。

アオバズク43
新しい神社の番人 アオバズク(オス)

世代交代したからには、毎年、同じ場所に戻ってきて子育てをして欲しいです。頑張れ、ニューフェイスのアオバズク!チュ!

<余談>
アオバズクの住宅難は、本当に深刻だとつくづく考えさせられました。神社の境内には、洞のある樹木が何本かあるのですが、大部分をムクドリが利用していて、長年アオバズクが使っていた洞までも、ムクドリに占領される始末・・・。
ムクドリは、家屋の雨戸の隙間など人工物でも営巣できるので、ムクドリにはそちらを利用してもらい、数少ない適度な大きさの洞はアオバズクに譲って欲しいな~、と勝手ながら思わずにはいられませんでした。

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<アオバズクを脅かすもの>
森林破壊・大木の伐採:樹洞のある大木がないと営巣できないようです。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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