一匹オオカミ ミミカイツブリ

野鳥の世界 ミミカイツブリ

白と黒のコントラストがはっきりした冬羽の顔と赤い目に特徴がある、ミミカイツブリという鳥さんがいます。カイツブリの仲間の野鳥で、日本では冬季に観察できるようです。

今回は、このミミカイツブリのお話です。

ミミカイツブリの繁殖地は北欧・中央アジア・アラスカ・カナダなどで、越冬期は温帯の沿岸部にいることが多いようです。ミミカイツブリは、日本への渡来は遅め、繁殖地へ向けての出発は早めの鳥さんです。

ミミカイツブリの体長は約33cmで、潜水して魚類などを捕食します。夏羽では、耳のように見える金色の飾り羽が現れ、それが名前の由来になっていますが、観察したことのあるミミカイツブリは、冬羽ばかりです。

冬になると、時々、ミミカイツブリを見かけますが、湖の遠い場所にいることが多いため、写真を撮らせてもらう機会は少ないです。けれども、この冬は、珍しく、ミミカイツブリが岸辺付近に何度か姿を現してくれました。

まずは、強風の日に見かけたミミカイツブリ。波が荒く、すぐに見失うし、頻繁に潜るしで、撮影には一苦労でした。

ミミカイツブリ1
2016年11月 埼玉県とある湖 強風の日のミミカイツブリ

ミミカイツブリ2
すぐに潜水するミミカイツブリ  体の後方に足がついている

次は、曇りの日に見かけたミミカイツブリ。この時は、2羽いました。

ミミカイツブリ3
1羽目は、前回見かけたのと同じミミカイツブリ

ミミカイツブリ4
2羽目のミミカイツブリ

晴れの日に見かけたのは、また別のミミカイツブリでした。

ミミカイツブリ5
3羽目のミミカイツブリ

この湖には、少なくとも3羽のミミカイツブリがいることが判明。写真で比較してみると、顔の模様が少しずつ違っています。

ミミカイツブリ6
ミミカイツブリが3羽

ちなみに、冬羽のミミカイツブリとハジロカイツブリは、非常によく似ています。識別方法は、ミミカイツブリの顔は黒色と白色の境がはっきりしていて、くちばしは真っすぐで先端が白、ハジロカイツブリの顔は黒色と白色の境が不明瞭で、くちばしは少し上に反っている、という点をチェックします。

ミミカイツブリ7
ミミカイツブリ(左)、ハジロカイツブリ(右)

この2種の冬羽姿は似たもの同士ですが、生態はちょっと違っていて、ハジロカイツブリは群れで行動することが多いのに対し、ミミカイツブリは単独を好む一匹オオカミ的な鳥さんです。

ミミカイツブリ8
一匹オオカミのようなミミカイツブリ

そして、ハジロカイツブリに比べて、ミミカイツブリの日本への渡来数は、あまり多くないそうで、ようやく撮れたミミカイツブリのツーショット写真が・・・これ。遠い!

ミミカイツブリ9
ミミカイツブリのツーショット もうちょっと近くに寄ってほしい!

いたっ!と思ったら、すぐに潜ってしまうため、ミミカイツブリの観察は、なかなか大変でしたが、数日に渡って、観察させてもらうことができました。

まだ初冬ですが、すでに何度も姿を見せてくれてありがとう。これからが冬本番ですが、頑張って越冬してくださいね、ミミカイツブリさんたち!チュ!

<余談>
日本で観察することができるカイツブリ類は、カイツブリハジロカイツブリ、ミミカイツブリ、アカエリカイツブリカンムリカイツブリですが、運がよければ、5種とも、同じ湖で観察することができます。なかなかそのような機会がないのですが、1度だけ、5種とも、同時に観察することができました。カイツブリ類は、すぐに潜水するので、観察するには、ちょっと根気がいりました。

特にミミカイツブリは、離れた場所に3羽もいたため、写真を撮らせてもらうのに時間がかかってしまい、強風の中、薄着で粘っていたこともあり、その後、数日間は、鼻水が止まらなくなりました。防寒対策はしっかりと!ですね。

<ミミカイツブリを脅かすもの>
海岸・港湾・河口・湖沼の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。
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岸辺にひょっこり アカエリカイツブリ

野鳥の世界 アカエリカイツブリ

目はどこ?と言いたくなるほど、顔色からして冬羽がシックなアカエリカイツブリという鳥さんがいます。カイツブリの仲間の野鳥で、夏季は北海道、冬季は本州以南で観察することができるようです。

今回は、このアカエリカイツブリのお話です。

とある日の午前中、「誰かいるかな~?」と、湖の岸辺付近をチェックしていると・・・オオバンの群れの中に、見慣れない鳥さんがいます。はて?

アカエリカイツブリ1
2016年11月 埼玉県とある湖
オオバンと一緒に見慣れぬ鳥さんが(右)

よ~く見てみると・・・アカエリカイツブリです!

アカエリカイツブリ2
オオバン(左)、アカエリカイツブリ(右)

アカエリカイツブリの繁殖地はヨーロッパ・ロシア東部・カナダ・アメリカ合衆国などで、越冬期は南下して沿岸部にいることが多いようです。北海道では、水草のある湖や沼などを繁殖地として利用しているそうです。

アカエリカイツブリの体長は約45cmで、魚類などを捕食します。夏羽のアカエリカイツブリは首部分の色味が赤褐色で名前の由来にもなっているのですが、冬羽の姿は、それはそれは地味です。

アカエリカイツブリ3
地味な色合いのアカエリカイツブリ(冬羽)

その日は、くもり空だったせいもあり、どの写真を見ても、アカエリカイツブリの目がどこにあるのか分からないほど、顔の色味が暗いです。

アカエリカイツブリ4
目はどこ?

アカエリカイツブリ5
かろうじて目が分かる?

アカエリカイツブリ6
これまた目が分かりづらい

顔部分を拡大してみると・・・ようやく目を発見!

アカエリカイツブリ7
目、みっけ!

冬季、この湖で姿を現すアカエリカイツブリは、カンムリカイツブリの群れに紛れている場合が多く、しかも、通常は、非常に遠くにいるため、姿を見る機会は、なかなかありません。

カンムリカイツブリ4
カンムリカイツブリの群れ

その日は、何故か、カンムリカイツブリの群れから離れ、アカエリカイツブリは、岸辺付近にヒョッコリと姿を現してくれました。「オオバンの群れでも、まぁいっか!」という気分だったのでしょう!・・・?

わずか数分後には、アカエリカイツブリは、湖の彼方へと去って行きました。

アカエリカイツブリ8
あっという間に彼方へ・・・さようなら!

この湖で越冬するのか、さらに旅を続けるのか分かりませんが、頑張って、冬を乗り切ってくださいね。姿を見せてくれてありがとう、アカエリカイツブリさん!チュ!

<余談>
カイツブリの仲間は、夏羽は美しいのですが、冬羽はかなり地味で、別人(別鳥)のようです。アカエリカイツブリも、「夏羽はきれいなのになー。夏羽の姿が見たいなー」と、思わざるをえませんでした。夏季の北海道に行けば、アカエリカイツブリの夏羽の姿を観察できるかもしれませんね。いつか、見てみたいです!

<アカエリカイツブリを脅かすもの>
大きな湖沼・河川・海岸の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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ぶらり?一人旅 ハマシギ(準絶滅危惧種)

野鳥の世界 ハマシギ

秋、渡り途中に見かける野鳥の中には、日本で越冬するのか、はたまたさらに南下を続けるのか?よく分からない鳥さんがいます。しかも、群れで行動することが多い野鳥であっても、たった1羽しかいなかった場合、迷子になったのか、衰弱して仲間について行けなくなったのか?これまた理由がよく分かりません。今回は、たった1羽で姿を現したハマシギのお話です。

以前、日本で越冬中のハマシギの群れを観察したことがあったのですが、彼らは密集して眠り、一斉に起き出し、一斉に食事を始めるといった行動パターンだったので、かなり集団意識の強い鳥さんだなーという印象を受けました。

今回、出会ったハマシギは・・・お一人様でした。周囲に仲間の姿は見当たりません。

ハマシギ8
2016年10月 埼玉県とある湖 ハマシギ

このハマシギは、夏羽から冬羽へ換羽中でした。

ハマシギ9
冬羽へ換羽中のハマシギ

見たところ、せっせと食べ物を探していたので、このハマシギは、弱っているわけではなさそうです。ということは・・・迷子?

ハマシギ10
食べ物を探すハマシギ

一人ぼっちでも、旅を続けるには、栄養補給が欠かせません。以前見かけたハマシギたちは、くちばしを泥の中に入れて、電動ドリルのように高速で上下させて、食べ物を探していました。今回は、干潟でもなく、砂浜でもなく、護岸コンクリートの上です。さて、このハマシギは、うまく食べ物を見つけることができるでしょうか?

しばらくすると、水生昆虫のような物を捕えました!

ハマシギ11
獲物をGet!

今度は、幼虫のような物をくわえています。
ハマシギ12
幼虫?

このハマシギは、なかなかのハンティングの腕前のようです。お腹が膨れたら、次は・・・お昼寝です。

ハマシギ13
動きが止まると、愛嬌のある丸っこい姿に

ハマシギ14
お昼寝を始めるハマシギ

といっても、そこで眠ると、とても目立ちます・・・。上空には猛禽類がよく現れるし・・・。

ハマシギ15
すご~く目立ちますが大丈夫?

大丈夫でした!このハマシギは、すぐに起きて動き始めました。

ハマシギ16
ちょっと休憩して復活!

この場所で、ハマシギが越冬することはないので、この後、すぐに飛び去ってしまうことでしょう。日本で越冬するにせよ、さらに南下するにせよ、無事、仲間と合流できるよう、頑張ってくださいね、ハマシギさん、チュ!

<余談>
ハマシギの体はとても小さく、群れでいることにより、天敵から逃れられる確率が高まるそうなので、繁殖期以外の時期、生き延びる上では、集団行動がとても重要なようです。
ということは、今回のようにたった1羽で旅を続けるハマシギは、何としてでも、どこかの群れに迎え入れてもらわないと不利、ということになります。

けれども、日本で越冬するハマシギの群れは、毎年ほぼ同じメンバーで構成されており、他の群れのメンバーが混じることはほとんどないそうです。迷子になったハマシギの場合、うまく仲間に入れてもらえる?それとも、1匹オオカミのように単独で越冬決行?
時には、大群となるハマシギであっても、減少傾向にあるそうなので、1羽でも多く、生き延びて欲しいです!

ハマシギの関連記事「おしくらまんじゅう戦法 ハマシギ(準絶滅危惧種)」はこちら

<ハマシギを脅かすもの>
干潟・砂浜・水田の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。

埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、ふーちゃん(鳥)

あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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