ヒナの保護 ムクドリ 第2話

野鳥の世界 ムクドリ

「ヒナの保護 ムクドリ 第1話」の続きです。

■2日目

天候は大雨で、最高気温は21℃。
「はたして、ムクドリのヒナは生きているだろうか?」と、あまりよく眠れないまま、朝を迎えました。早朝5時頃、そっと鳥カゴの上にかけてある電気ひざ掛けを外してみると、ムクドリのヒナ(以降、ムーちゃん)は生きていました!よかった!

ムーちゃんは、驚くほど元気になっていました。口を大きく開けて、こちらを威嚇しています。餌をあげようと思い、口元にミールワームを近づけるのですが、振り回して放り投げ、食べようとしません。仕方がないので、九官鳥用の餌をお湯でふやかし、注射筒に入れて、少しだけ食べさせました。

ムーちゃんは、こちらの姿がチラッと見えるだけで、カゴの中でバタバタと暴れまわるので、「これではケガをしてしまう!」と思い、リハビリにと考えていた、屋根と窓付の物干し用テラスに放すことにしました。

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屋根と窓付のテラスに放されたムーちゃん

ムーちゃんは、外に出ようと少し飛んでみたり、テラス内のいろいろな場所に止まってみたりしていました。

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外を眺めるムーちゃん。今日も大雨

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物干し竿に止まってみるムーちゃん

慣れない環境のせいか、ムーちゃんがしきりに鳴いています。すると、近くの電線にムクドリが3羽やって来て、ムーちゃんとコミュニケーションをとり始めました。1羽のムクドリが、ムーちゃんのいるテラスの窓際に飛んできて、ムーちゃんの様子を確認していました。ムクドリは、何と賢く、仲間同士の絆が強い鳥さんだろう!と感心させられました。

ムーちゃんを自然界に返すには、まだ時期尚早なので、ここはぐっと我慢して、彼らの友情に目をつむることにしました。3羽のムクドリたちは、あきらめて去っていきました。

さて、ムーちゃんをテラスに放したからには、自力で餌を食べたり、水を飲んだりしてもらわないといけません。ムーちゃんは、どこまで親鳥から教えてもらっているでしょうか?

ムクドリは、よく地面をホジホジして食べ物を探すので、植木鉢用のトレイに砂を入れ、その上に生餌を置いてみることにしました。とり急ぎ、自宅の庭で、ダンゴ虫を約40匹捕まえて与えてみることに。午前9時前に、ダンゴ虫をパクパク食べているムーちゃんの姿を確認。追加でダンゴ虫10匹を与えると、すぐさま食べてしまいました。

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水入と砂を入れたトレイを用意

自力で虫を食べられることを確認できたので、生餌をペットショップで購入し、午前11時半頃、ミールワーム(50匹)とコオロギ(120匹)をムーちゃんに与えてみました。ムーちゃんは、ものすごい勢いで食べ始め、15時に追加のミールワーム(50匹)を与えた時には、コオロギは数匹しか残っていませんでした。

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ミールワームを食べるムーちゃん

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コオロギを捕えるムーちゃん

わずか1日で、驚きの回復ぶりです。昨日、食べられなかった分を取り戻すべく、食べまくったムーちゃんに睡魔が襲いかかります。満腹で動けなくなったムーちゃんは、床に降りたまま、眠ってしまいました・・・。

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満腹で動けなくなり、

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そのまま、床で眠ってしまうムーちゃん

これは、いかん!ですよ。自然界なら、アウト!です。

ムーちゃんは、水浴びの方法もちゃんと親鳥から教えてもらっていたようで、迷わず、水入れの中に入っていました。

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水浴びをするムーちゃん

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水浴び後は、羽がビショビショ

もう、ここまで、いろいろ自分でできるのなら、あとは体力の回復と、翼を鍛えるのと、天候が回復するのを待てば、自然界に戻ることができます。

夕方、物干し竿に止まって、眠る準備をするムーちゃんを確認。止まる場所は、いくつかあるのですが、さて、最終的には、どこで眠るのやら?

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物干し竿に止まり、眠る準備

これにて、2日目終了です。

2日目に与えた餌の量:九官鳥の餌を少量、ダンゴ虫を約50匹、コオロギを120匹、ミールワームを100匹

これだけ食べれば、ムーちゃんが飢え死にする心配はないでしょう。明日は、もっと元気になっているはず?
次回、「ヒナの保護 ムクドリ 第3話」へ続く。

<余談>
ムーちゃんの食べっぷりを目の当たりにし、いかに多くの生き物に命を支えられているか?を痛感しました。ムクドリでさえ、驚きの量なのですから、人間が生きるために、犠牲となっている命は計り知れません。改めて、自然の恵みに感謝です。
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ヒナの保護 ムクドリ 第1話

野鳥の世界 ムクドリ

もしも、目の前に、衰弱した野鳥のヒナがいたとしたら・・・。今回は、葛藤の末、ムクドリのヒナを保護した話を4回に分けて紹介していきます。

■1日目

梅雨入りした途端、連日の大雨となり、散策にも行けないので、その日は、大型ショッピングセンターに買い物に行くことにしました。買い物を済ませ、車に荷物を積んでいると、「あーちゃんの後ろに何かいる!」と、たーさんが叫んでいます。見ると、あーちゃんの後ろに、仁王立ちしたムクドリのヒナがいます。

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2014年6月 埼玉県とあるショッピングセンターの駐車場 ムクドリのヒナ

「なんでこんな所に?」と不思議に思い、しばらく様子を観ていると、明らかに動きがおかしいのです。ムクドリのヒナは、ぼぉ~としていて、ほとんど動きません・・・。

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車のタイヤの前で立ち止まるムクドリのヒナ

そして、ムクドリのヒナは、車の下に入り込み、じっとして動かなくなりました。目を閉じているので、相当弱っている様子です。

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車の下に入り込み、動かなくなったムクドリのヒナ

辺りに親鳥はおろか、仲間のムクドリは1羽も見当たりません。昨日のどしゃ降りの大雨で、親鳥とはぐれてしまったようです。そうだとすると、かなり長い時間、何も食べていないはず。悪いことに、その日は肌寒く、最高気温でも17℃ぐらいしかありません。このままだと、体は冷えていく一方です。

ここから、あーちゃんの葛藤が始まります。「あ~、もうこのヒナは時間の問題。駐車場で車にひき殺されるか、衰弱死するか、どちらが早いか・・・。保護すべきか、自然の成り行きに任せるべきか・・・。」

しばらく悩んだ末、「人が大勢いる駐車場で、わざわざ、あーちゃんの後ろに立っていたのは、助けて!ということかも。」という考えに至りました。
そして、「保護するからには、徹底的にやる。そして、自然界に返す。」と決め、ムクドリのヒナを救出することにしました。

動かないムクドリのヒナをたーさんが手で捕まえ、白色のナイロン袋に入れて、あーちゃんの膝の上に置き、急いで自宅に向かいました。13時過ぎに自宅に到着すると、すぐさま、1.温める、2.食べさせる、3.休ませる、を実行しました。

1.温める
とり急ぎ、家にあるものを使用。
設定温度を26℃にして、暖房を入れる。次に、ムクドリのヒナを通気性のよい小さな布製の入れ物に入れて、上から電気ひざ掛けをかけて保温。

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布製の入れ物(後)と電気ひざ掛け(左)を使用

2.食べさせる
代替食として、お湯でふやかしたドッグフードを注射筒に入れて与える。ドッグフードはレオさん用のものがあり、注射筒は、今は亡き、まーさん(犬)の流動食用に使っていたものがあるので、それを使用。
ムクドリのヒナの口の奥に注射筒を入れ、少しずつ、ドッグフードを流し込む。呑みこんだら、また、与えるを数回繰り返す。

※参考:水分補給について
水分は、ふやかしたドッグフードに含まれているので、水は与えない。無理に飲ませるとショック死する場合もあるそうなので注意が必要。もし、水を飲ませたい場合は、くちばしに水滴をつけて飲ませるとよいそう。

3.休ませる
食べさせた後は、1の状態で安静にさせる。

ムクドリのヒナを休ませている間、足りないものを買いに行きました。
ミールワーム(缶詰:生タイプ)、ピンセット、鳥カゴ、九官鳥用の餌、などを購入しました。

最初に食べさせたのが14時頃だったので、次は17時頃、ミールワーム(生タイプ)をピンセットでつまんで、ムクドリのヒナに与えてみました。くちばしにミールワームを近づけると、パクッとくわえ、ミールワームをブンブン振り回しながら食べ始めました。「おお~、いい子だ!これはいける!」
ムクドリのヒナは、ミールワームを10数匹食べ、水の容器を口元に近づけると自力で飲みました。

鳥カゴにムクドリのヒナを移し、カゴの上から電気ひざ掛けをかけ、保温した状態で、再び休ませます。その後、20時、23時に、ミールワームを与え、自力で水を飲ませました。

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ミールワームをピンセットでつまんで、近づけると

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自力で食べた!

1日目に与えた餌の量:ドッグフードを少量、ミールワーム(缶詰:生タイプ)を約30匹

夜間も鳥カゴを保温した状態で、ムクドリのヒナを眠らせることに。あとは、本人の生命力に任せるしかありません。さて、ムクドリのヒナは、無事、翌朝を迎えられる?

「ヒナの保護 ムクドリ 第2話」へ続く

<余談>
当初、上記の内容を記事として公開するつもりはなかったのですが、「今後、他に助けられる命があれば、少しは参考になるかも?」と思い、公開することにしました。

今回のケースは、緊急を要する一時的な野鳥の保護であるため、飼養を目的としたものではありません。保護する期間は長くて1週間程度との判断により、取得に約1カ月かかる飼養許可の申請はしませんでした。
しかし、後で調べてみると、本来は、都道府県の担当部署に連絡を入れるべきだった、ということが分かりました・・・。今後は、要注意です。

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密着取材コチドリ ヒナの成長編

野鳥の世界 コチドリ

「密着取材コチドリ ヒナの誕生編」の続きです。

コチドリのヒナを目撃してから数日後、ヒナたちは、ちょっぴり大きくなっていました。

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2014年6月 埼玉県とある湖の護岸1 少し成長したコチドリのヒナ

それから、さらに数日後、より大きくなったコチドリのヒナの姿を確認。

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どんどん成長するヒナ

表情までも大人っぽく?成長しています。

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顔つきもしっかりしてきたヒナ

その後、護岸の草がボウボウに伸び、このヒナたちの姿を目撃したのはこれが最後となりました。お達者で!

また、別の護岸コンクリートにも、すくすくと成長したコチドリのヒナたちの姿がありました。

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2014年6月 埼玉県とある湖の護岸2 コチドリのヒナ

あーちゃんが観察していると、親鳥がヒナを呼び寄せました。

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親鳥(右)にかけよるヒナ(左)

このヒナは、もう大分大きいのですが、何と、親鳥が羽の下にヒナを隠しました。ヒナの尾羽だけが、チラッと見えています。

コチドリ46
親鳥の右羽の下にヒナが隠れています。ヒナの尾羽だけがチラリ。

この護岸も立入禁止区域です。護岸の縦幅は非常に狭いのですが、この護岸には小石があるので、卵がより目立たず、繁殖の成功率は高いのかもしれません。

親鳥が侵入者のコチドリを撃退するために、ヒナの側を離れました。下の写真の左端が侵入者と思われ、2羽のコチドリが威嚇していました。

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左端が侵入者

残されたヒナは・・・羽づくろいをしていました。

コチドリ48
羽づくろい中

周囲に小石があると、コチドリのヒナは同化して目立たないので、じっとしていれば安全です。

コチドリ49
小石のおかげで目立たないコチドリのヒナ

このヒナの近くには、より大きな別のコチドリの幼鳥がいました。この幼鳥の近くに親鳥の姿はなく、独りで歩き回っていたので、立派に独り立ちした子のようです。

コチドリ50
独り立ちしたコチドリの幼鳥

もう、ここまで大きくなっていれば大丈夫でしょう。

コチドリ51
きっと、君は大丈夫!

延べ13羽のコチドリたちに登場してもらい、産卵から独り立ちの姿までを紹介しました。コチドリのヒナがいた護岸1・護岸2の両方ともすぐ上に歩道があり、ひっきりなしに人が通っているので、「まさか、こんな場所で営巣を?」と驚かされましたが、そこはうまく環境に適応し、人間を利用しているのかもしれません。

今後も、人が造り上げた環境をどんどん利用して、うまく共存してくださいね、コチドリさんたち!チュ!

<余談>
コチドリの営巣を観察する際、特に注意したことは、カラスがいないか?です。護岸にはカラスが多く飛来するため、カラスの飛翔姿が見えると、すぐに観察を止めるようにしていました。

というのも、カラスの知能は人間の想像をはるかに超えて高く、人が双眼鏡やカメラを向けていると、卵やヒナを簡単に見つけてしまい、捕食してしまうからです。
野鳥を観察する際は、短時間観察はもちろんの事、いろいろな気配りが必要ですね。

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<コチドリを脅かすもの>
水田・河川・干潟の減少:生息場所がなくなります。繁殖地、越冬地の両方の環境が整っている必要があります。

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プロフィール

あーちゃん

Author:あーちゃん
バードウォッチング(探鳥)を通して、自然保護(環境保護)の重要性を痛感。天然記念物(絶滅危惧種)の野鳥や個性豊かな鳥さんとの出会いを独自の目線で紹介していきます。
埼玉県在住。
家族:たーさん(旦那)、レオさん(犬)、フーさん(鳥)
あーちゃんは、専門家ではありません。したがって、このサイトの記載内容については、正しくない可能性がありますので、あしからず。また、写真の綺麗さを追求し、紹介するサイトではありませんので、ご注意を!

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